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子どもの味覚がうつろうとき

「一番かわいいころだねえ」と、よく声をかけられる。
息子2歳8か月。意思疎通がとれてるんだか、とれてないんだか、聞いてるんだか、聞いてないんだか、よくわからない生き物。たしかにかわいい。
わたしはひとりめの子育てなので、今のことしか分からないけれど、みんなが言うから、そうなんだろう。

1歳ごろかな。息子が本棚をばったばったとひっくり返していた頃、彼のお気に入りだった離乳食の本(ぼろぼろ)。
離乳食が終わっても、ひな祭りのデコレーションごはんのようなものを見ては、これが食べたい。と言っていた。

昨日の風呂上り、わたしが髪を乾かして居間に戻ると、彼は行儀よく座って真剣な顔でこの本をながめていた。すると、

「けいのたべたいのはない」とポツリ。

そうか、味覚が変わったんだねえ。

もう、キャベツ太郎、食べてるもんね。
きみの舌は、少しジャンクになってしまったな。

2歳児にも、なつかしむ、みたいな気持ちはあるんだろうか。

いつの間にか絵本コーナーに収納されるようになった離乳食の教本。
毎日note57日目。

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