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機械学習の予測モデルとは?予測モデルの種類・作り方・事例紹介

ここ数年で急激に浸透したAI。私たちが知っているサービス以外にも、ビジネスの様々な分野で活用が進んでいます。
AIをビジネスに活用するメリットの1つとして、「予測」が挙げられます。需要や売上の予測など、AIを使うことであらゆる予測が可能です。
本記事では、AIの機械学習でどのような予測ができるのか、予測の導入事例をご紹介します。

機械学習の予測は2種類

機械学習の予測について解説する前に、簡単にAIと機械学習についておさらいしましょう。

機械学習とは、AIがデータを分析する方法の1つです。
機械学習を行うことで、AIはデータの中から法則性や類似性を見つけ出します。これら学習結果を元に、与えられたデータに対して一定のアウトプットを出すという仕組みで動いています。

与えるデータの種類によって、機械学習は大きく3つに分類されます。
1つ目が「教師あり学習」、2つ目が「教師なし学習」、3つ目が「強化学習」です。

「教師あり学習」は、入力されたデータに対して予測を行う手法です。
予測の種類によって、教師あり学習はさらに「分類」と「回帰」に分けられます。それぞれどのような予測が可能なのか、詳しくまとめました。

分類
分類とは、あるデータがどちらのクラスに属するのか予測するモデルのことです。
例えば、様々な犬の画像を犬グループ、猫の画像を猫グループとしてAIに機械学習させます。このAIに犬の画像を入力すれば、犬グループなのか猫グループなのか、予測・分類できるというわけです。

ビジネスにおいては、新商品の購入予測に活用できます。
新商品がどれくらい売れるか予測したい場合、AIに様々な顧客の購入履歴のデータを機械学習させます。
このAIに新商品のデータを入力すれば、どれくらいの顧客が「購入グループ」に属するのか予測が可能です。

回帰
回帰とは、数値を予測するモデルのことです。正確には、連続する数に対して次の値を予測する仕組みになっています。
例えば、過去の気温データを機械学習すると、未来の気温を予測することが可能です。ビジネスでは、過去の売上から未来の売上を予測するといった活用方法があげられます。

同じ機械学習を使った予測でも、モデルによって予測できる対象は大きく違います。
分類は振り分けるもの、回帰は数値を予測するものと考えるとわかりやすいでしょう。

機械学習の予測モデル

機械学習を使った予測には、予測の種類によって「分類」と「回帰」の2つがあると解説しました。
実は、分類と回帰にもいくつかの分析手法があります。ここからは、分類型と回帰型の2つに分けて予測モデルをご紹介していきます。

【分類型】ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析とは、いくつかの変数から、対象が2つのグループのどちらに属するのか予測する手法のことです。
「変数=対象が持つ特徴」と考えるとわかりやすいかもしれません。

例えば、ある学生がA大学に合格する確率を予測するとします。
この場合、合否に関係する変数は「1日の勉強時間」や「部活の有無」、「1日のスマホの利用時間」などになります。

AIには、A大学に合格した学生と、不合格になった学生の変数を機械学習させます。
このAIにある学生の変数を入力すると、学習した法則性を元に合格率を予測することが可能です。

【分類型】決定木(デシジョン・ツリー)
データを使って樹形図を自動的に作成するのが、決定木(デシジョン・ツリー)です。
樹形図とは、樹木のように枝分かれした形の図のことをいいます。順列や組み合わせといった、起こりうる全てのパターンを数える際に活用できる図です。

例えば、ある店舗でアイスクリームが購入される確率を予測したいとします。
購入確率を予測するため、AIには「平日か休日か」「晴れか雨か」といったデータを与えます。決定木ではこれらのデータを樹形図で整理し、それぞれの分岐での購入確率を予測することが可能です。

【分岐ごとの購入確率】
・平日で晴れの場合:17.6%
・平日で雨の場合:7.1%
・休日で晴れの場合:66.6%
・休日で雨の場合:25%

休日で晴れの場合が最も購入確率が高く、平日で雨の場合最も低くなることがわかりました。
このように、様々な組み合わせの結果を予測するときに役立つ手法です。

【分類型】ランダムフォレスト
ランダムフォレストは、決定木を応用したような機械学習モデルです。
決定木は、起こりうる全ての組み合わせを自動で予測するモデルでした。ランダムフォレストでは決定木をたくさん集めて統合し、より精度の高い予測を出します。
それぞれの決定木の予測結果を集め、最終的に最も予測が多かった結果を予測として出す、多数決のような仕組みです。
決定木は単体だと予測精度があまり高くないため、複数の決定木を組み合わせて精度を上げています。

【分類型】サポートベクターマシン(SVM)
サポートベクターマシンとは、グラフ上でデータを2つのグループに分割する境界線を見つけるための手法です。

例えば、体の特徴から鳥の種類をA種とB種の2つのグループに分類するとします。
サポートベクターマシンでは、まずX軸とY軸のグラフでデータを分類します。X軸を「体の大きさ」、Y軸を「羽の大きさ」として分類してグラフを作ります。
このグラフにおいて、どこがA種とB種の境界線になっているのかを見つけるのがサポートベクターマシンです。
体の大きさが境界線になっている場合は垂直な直線になりますし、羽の大きさと体の大きさが境界線になっている場合は斜めの直線や曲線になります。
この境目となる直線や曲線のことを「決定境界」と呼びます。サポートベクターとは、決定境界に最も近いデータ点のことです。
サポートベクターまでの距離が近すぎると誤判定を招くおそれがあります。そのため、2つのグループを正確に分けられる上、決定境界とサポートベクターが最も遠い必要があります。
サポートベクターまでの距離が遠くなるように決定境界を決める手法が、サポートベクターマシンです。
決定境界が決まれば、後は分類したいデータが直線のどちら側にあるかによって振り分けできるというわけです。

【回帰型】単回帰分析・重回帰分析
回帰分析とは、ある要素が結果に対してどれくらい影響しているのかを予測する機械学習モデルのことです。
予測したいデータのことを「目的変数」、その結果を起こす原因のことを「説明変数」と呼びます。
例えば、広告宣伝費をかけて商品Aの売上が伸びるかどうか予測したい場合、商品Aの売上が「目的変数」、広告宣伝費が「説明変数」になります。

説明変数が1つのモデルを単回帰分析、複数の説明変数で1つの目的変数を予測するモデルを重回帰分析と呼びます。
先ほどの例だと、広告宣伝費や商品価格、販売経路などから商品Aの売上を予測するのが重回帰分析です。

機械学習で予測するメリット

AIを利用せずとも、過去のデータや経験から予測することは可能です。
AIを使って予測するメリットはどこにあるのでしょうか。AIを使った予測をビジネスに活用するメリットをまとめました。

将来収益が予測できる
機械学習を使った予測のメリット1つ目は、将来収益の予測ができる点です。
AIを使えば商品の需要を予測したり、新商品の購入確率を予測することができます。
月額制のサービスであれば解約率を元に、数ヶ月後の売上予測を立てることも可能です。
売上予測に応じた人員配置や、解約抑止のための戦略を練るなど、新しいアクションもとれます。
もちろん、過去のデータを使えばAIなしでも大まかな将来収益は予測できます。
ですが、AIならあらゆるデータを組み合わせ、最も確率の高い予測を算出することが可能です。
小売業であれば、市場規模や競合の販促スケジュール、季節トレンドなど、自社のデータ以外を組みわせて算出できます。

営業の優先順位が決められる
機械学習の予測メリット2つ目は、営業の優先順位が決められる点です。
アウトバウンド営業において、どの見込み顧客に時間をかけるべきか、優先順位の見極めを課題に感じたことはないでしょうか。
限られた時間を使って営業をかける以上、より購入につながりやすい顧客にアプローチしたいと考えるのは自然です。
こうした営業の課題は経験を積むしかないとされてきましたが、AIの予測を使えば解決できます。
AIには、営業先企業の従業員数や業種、契約にいたった顧客情報、営業の活動結果といったデータを機械学習させます。
そこから商材ごとの購買確率を予測し、見込み客ごとの営業優先順位を算出するのです。
少ない工数で費用対効果を最大限に高められる他、売上予測を元に採用を行うなどの活用方法もあります。

社内のリソース管理ができる
機械学習の予測メリット3つ目は、社内リソースの管理がしやすい点です。
少子化が進む日本において、人手があり余っている企業は珍しいでしょう。
限られた人数で業務を円滑に遂行するためには、いつどのくらい人手が必要なのか、先回りすることが欠かせません。
AIを使えばイベントの集客人数を予測したり、機械の故障を予測したりすることができます。
曜日別や時間帯別に必要な人数を把握することで、その日・その時間帯だけ近隣店舗から応援を呼ぶといった対応も可能です。
最小限の人数で最大の成果を出すためにも、機械学習を使った予測が重要といえます。

機械学習の予測手順

続きは以下、MatrixFlow記事をご覧ください(無料で閲覧できます)。


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設立 :2018年10月
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事業内容:ビジネスのためのAI活用プラットフォーム「MatrixFlow」の運営、および、AIの受託開発・コンサルティング


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