やってやれないことはない22話 『管理職の信任投票実施します⁉』
別マガジン「病院業務通達」により、多くのことを職員に要求してきました。
ここらで一息、検証する必要があります。
組織の上下関係の有様として、信頼が表裏一体の思いで働けない組織は、いずれ瓦解すると、今までの当院を見れば物語っています。
この部分の検証をしなければ、「雨降って地固まる」とはなりません。
『管理職の信任投票実施について』
管理職対象の信任投票となります。
賛否両論あります。
管理職との信頼関係を考えてもらうためにも実施すべきとして、説得して回りました。
管理職の信任投票実施について
当院は長年の念願であった施設の拡充について第一期工事を完了し、第二期工事をめざしています。 しかし、ソフトの充実の面においては未だ未成熟であり、確実に達成していかなければならないことが山積みとなっています。
今回、法人全体と部署について運営責任・部署経営責任を有する管理職(課長・科長・師長・所長)の信任投票をすることになりました。 これからの組織体制を図ることと管理職の能力と行動規範が、法人全体の収益と運営に深く関わってくる大切な信任投票です。 主任以下の職員および部長職、医師の正職員が、管理職に対して法人の牽引役として妥当であるか評価を行うものです。 投票は直接関係のある管理職だけではなく、管理職全員に対して行います。今までの言動や行動や成果から、法人中枢をまかせられる人材か。 これからの未来に対してリーダーシップを発揮できると期待してよいか。 指導力、決断力、実行力等の7項目について信任判定をしていただきます。 部下は上司を信頼し、上司は部下に信頼されるために、なければならない人間性や能力を客観的に評価するものです。 これらは全て集計し、公表いたします。信任結果に基づき、経営者会議において処遇変更も実施いたします。
管理職は有能な者でなければなりません。過去4年間に管理職一人あたり平均すると70万円近い研修費用をかけています。 法人が出した研修費用は皆さんが出したことといっしょです。 能力があれば研修の必要ありません。能力の足りない部分を補うために研修を実施しています。 その成果を問うことにもなりますこの投票に、情を含めず事実に基づき、誠心誠意をもって望んでください。 この信任投票の結果に対しては無記名であっても投票者に責任が生じます。相互責任の原則に基づき投票をお願いいたします。 投票によって表れた結果は、良きにつけ悪しきにつけ法人の未来に対してプラスに転換する指標です。
このオープン型信任投票は、当法人がリベラルな組織として機能し、維持してゆくために大切なシステムです。
この管理職信任投票は原則として適時実施いたします。
記
実施日 平成00年00月00日(火)
不在者投票 平成00年00月00日~平成00年00月00日
投票対象者 平成00年00月00日現在在職している正職員
医師(除く理事長及び病院長)・部長職・主任職・一般職の正職員全員
棄権は一切認めません。正職員の放棄とみなします。
投票管理者 管理職信任投票委員会(投票所・開票・集計・公表)
(部長職および主任職または次席の者全員)
投票場所等 詳細においては別途通知いたします。
私は、運営責任・部署経営責任を有する管理職の頑張りを職員が評価することで、益々の信頼関係の醸成を生むと信じていました。
もし、結果にこの管理職としてそぐわないとの評価が出た場合は、現状より悪くなるのではないかとの意見もあります。
「私は、彼らの頑張りに全幅の信頼を置いています。
だからこそ、ここまでの経営結果を出せたのです。
これを信頼に値しないとなれば、私が責任を取ることにします。」
と言い切って実行を促しました。
民主主義的な病院運営の原点に立ち返り、病院の再建を果たすためには、もう一段高い団結が必要と判断してのものであったことは、私の心の中だけに置いていました。
そしてどのような結果になり、どのようなことが失われ、どのようなことが醸成されたのか想像してみてください……。