チュウネンマト子

世に言う、おひとりさまアラフォー女子です。 分かりやすく言うと、独り身で彼氏も友だちも…

チュウネンマト子

世に言う、おひとりさまアラフォー女子です。 分かりやすく言うと、独り身で彼氏も友だちも居ない中年女性です。

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浜村淳と韓国海苔①

マト子、25歳の春。 その頃、私は地元を離れてファッション業界の小さな会社に就職し、ウェブスタッフとして働きはじめて1年が過ぎようとしていた。 ちなみに、それまでは田舎で暮らす呑気なフリーターであった。 就活もせず社会人経験すらなかった私が雇ってもらえたのは幸運でしかなかったと思う。 もしかすると社長面接で"休日の過ごし方"について聞かれた際、偽りなく正直に「大体ぼーっとしてます」と答えたことが、あるいは良かったのかもしれない。 ある日、職場の先輩からのお土産で、卓上

    • カップ焼きそばが食べたい②

      ペッ!、、、ペリーッッ!!! フタをめくる鋭い音が台所に響き渡った瞬間、状況は一変した。 隣に住む幸せカップルに、今から私がひとりで晩ごはんにカップ焼きそばを食べようとしているなんて知られたくない。 何とかしてこの忌々しいフタの開封音を黙らせなければ。 カップ焼きそばのフタを対角線に半分めくる辺りがゴールだとすると、現状はまだスタートから3分の1すら進んでいない。 残りをどう乗り切るか。 空腹であまり回らない頭を使って必死に考える。 そうして閃いたのが「音による打ち消

      • カップ焼きそばが食べたい①

        マト子、37歳の秋。 その頃、私は無職であった。 元来ひとりでいることにストレスを感じない私は、およそ10ヶ月にも及ぶ無職期間のほとんどを、古びた小さなアパートの一室で過ごしていた。 近所のスーパーか仕事の面接以外は、部屋で規則正しい健康的な日々を送る。 ペットのカメたちとも一緒に過ごす時間が増え、前よりも仲が深まったように思えた。 そんなある日の夕刻。 私は台所でひとり、嬉々として鍋のお湯が沸くのを待ち構えていた。 数ヶ月ぶりにカップ焼きそばを作ろうとしているのだった

        • 浜村淳と韓国海苔②

          ―――地元の同級生に韓国海苔をお裾分けする。 この状況に、私は心のどこかで舞い上がっていた。 普段人との関わりが少ない私にとって、それはイベントも同然だったからだ。 そして私のサービス精神は歪んだ内面を経たことにより、あらぬ方向へと加速しはじめた。 さて。 どういう形で彼女に韓国海苔を送るか。 現物をそのまま送るというのは有り得なかった。 ラッピングをすることによって、届いたときに彼女の気持ちを少しでも高まらせたい。そう考えたのだ。 数日間ラッピングについて悩んだ末、

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        浜村淳と韓国海苔①

          部屋とセーラー服と猪木

          マト子、14歳の夏。 その頃、私はド田舎に暮らすセーラー服に白靴下の中学2年生であった。 毎日、白いヘルメットを被って自転車で学校に通い、化粧も色つきのリップが精いっぱいである。 それだけ聞くと純真無垢な田舎の女子中学生といった印象だろう。 しかし、現実は全く違っていた。 なぜなら私は心を閉ざす理由もないのに閉ざしてしまった重度の厨二病患者であったからだ。 特に誰かに何をされた訳でもないのに「自分以外の人間は全員敵だ!」と被害妄想をこじらせ、世の中を恨んでいた。迷惑だっ

          部屋とセーラー服と猪木

          あこがれの北朝鮮②

          「 私は、南北軍事境界線に行ってきます。」 社員旅行の韓国へ行くにあたり、韓国と北朝鮮の軍事境界線ツアーにひとりで参加することを職場で表明したところ、一瞬の静寂を経て社内が騒然となった。 その状況にしっかり怯んだ小心者の私は、このままツアーの参加を会社から却下されるのではと心配になったが、 結果的には、 念願叶ったのであった。 青い建物が例の板門店、向かいが北朝鮮である。 よく目を凝らせば、北朝鮮側の軍人もこちらを監視しているのが分かる。 そう、よく目を凝らせば、、、

          あこがれの北朝鮮②

          あこがれの北朝鮮①

          マト子、32歳の冬。 その頃、私はファッション業界で働いていた。 ファンキーで英語ペラペラな女社長に、オシャレが大好きな女性スタッフたち。 とても華やかで活気のある職場であった。 そんなオシャレな会社に、私は毎日、全身ユニ○ロで通勤していた。 よくそんな場違いなのを雇ったなと思うが、ともかくそこの事務員として、ひっそりと働いていた。 入社して2年目。 社員旅行で、人生初めての韓国へ行くことになった。 しかも現地では各々自由に過ごしてOKだという。 社員旅行が決まって

          あこがれの北朝鮮①

          はじめまして、チュウネンマト子です。

          世に言う、おひとりさまアラフォー女子です。 分かりやすく言うと、独り身で彼氏も友だちも居ない中年女性です。 さておき。 小学生の頃から文章が好きだった私は、週末も自宅で過ごす時間が増えた今、こうしてまた楽しく書き始めようと思い立ちました。 ペットのカメとのんびりマイペースに暮らす毎日。 そんな日々のなかで自分が思うことを気楽に書いていけたらいいなぁ・・・とは思ったものの。 知らない中年女性が日々思ったことを気楽に書いた話など誰も興味ありません。 言った私ですらあんまり興

          はじめまして、チュウネンマト子です。