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炊飯器の蓋にうっすらほこりが見えたって

死なない。

そして、家事がそんな状態であろうが機嫌のいいお母さんの方が100倍いいと思う。

なぜそんなことを思ったのかというと、先日私の出産で入院中の家事などを母に伝えるために家電の説明や娘のお世話について話をしていた。

母は昔から潔癖気味で完璧主義

炊飯器は毎回中だけでなく蓋や周りも綺麗にしている母。

洗濯物も全て下洗いを手で行ってからでないと絶対に洗濯機に入れない完璧主義なのだが、子供を育てながらそのような家事ができたのは祖母の存在が大きい。

掃除機をかけるにしても、買い物に行くにしても、私たち姉妹を祖母に預けてもいつも母1人で行っていたらしい。

そんな母に、「あんた、炊飯器の上埃だらけやん…」と引いた顔で言われた。

申し訳ないが私は毎回拭いたりしないから炊飯器の上にうっすら埃がのっている。

だけど、娘のご飯はしっかり作っているし、蓋の上に少々埃があったところで病気になるわけではないからそこまで気にしていない。(もちろん埃はないに越したことはないのだが、、)完璧に家事をこなそうとしてうまくいかずにヒステリーをおこしていた母と比べれば、少々埃は見えていたって機嫌がいい母が近くにいる方が娘も嬉しいのではないだろうかと思う。

私の家事はまったくもって完璧でない。家族の衛生面を守ることと、精神衛生を保つために無理しすぎて爆発することを防ごうと考えている。

過去の不安定な精神

親の情緒不安定と愛情不足は、子の精神面に大きく影響する。それは私と姉が一番体感している。

私自身が思春期の頃、今ならいくつかの病名がつくほど心を病んでいた。

ストレスで記憶がなくなったり、強迫性障害や潔癖症などいくつかの症状があった。なぜそんなにストレスが溜まっていたのか、今の私なら大体わかる。

家庭では激しい反抗期の姉が大暴れし、父と毎日のように喧嘩して血が飛んでくることもあった。

学校では父に勧められて入った吹奏楽部で、父から楽器をもらっていた私は先輩から目をつけられ嫌がらせをされていた。

学業はというと勉強が得意でなくて母から「(私も長女も勉強できるのに)なんであんたは…」とよく言われていた。

私が心穏やかに過ごせたのは習い事の習字やエレクトーンをしていたときぐらいだろうか。

そんな毎日が積み重なり、小学校高学年の時にはすでに肋間神経痛が日常的にあったし、盲腸になった時もかかりつけ医から過度なストレスだと言われた。

近所の子からいやがらせをされていた時も、母に相談したものの「神様は見ているから」と言うだけで味方にもなってくれず一つも解決しなかった。

そして、私と姉の喧嘩が激しかったある日、ヒステリーを起こして私と姉を別々にビニール紐で縛りお風呂場へ入れられた。

母のヒステリーは頻繁ではなかったが、自覚してないから厄介だった。

私が娘の出産で里帰りした際も、キャパオーバーで眼鏡を投げたりして私の精神衛生は再び危機に晒されたのだが、さすがに私も専門的な知識を大学で学んでいたし、結婚して精神の安定した夫と暮らしている日々があったおかげで母には止められたが当初の予定よりだいぶ繰り上げて自宅に帰ることに決めた。

そして今、2人目の出産を控えてこれである。

母は私が里帰りした時にヒステリーを起こしていたことを忘れているらしく、言葉の端々に私には完璧な家事を求めようとしてくる。

そうじゃない。

私が娘にしてやりたいことは、完璧な家事をこなす母を演じることではなく、家事はそこそこだけど娘のことが大好きで、大事であることを全力で伝えることなのだ。

炊飯器の蓋は指摘されてから拭いてない。

私の意地のようなものである。

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