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歳はとらずに重ねたい

20代の頃は漠然と歳ってとりたくないと思っていた。
体力は落ちると聞くし、見た目だってどんどん下降する一方だと思っていた。

30代半ばになって、確かに小ジワが増えたり寝不足が翌日に響いたりするようにはなったけど、良いこともたくさん見つけた。

それは何より経験値が上がること。
小さい頃に容姿やよく泣くからといじめられたり、マウントを取られやすかったりして対人関係が苦手だった私も、この歳になれば「あぁ、この人厄介そうだな?避けておこう」とか、職場でも「この人はコミュニケーション苦手そうだけども中身は真面目」だとか、案外すぐ見分けられるようになった。
そして、いろんな人に出会ってきた経験から、困った人に対してはどんなふうに対処するのがいいのか、だいたいの対処法を持っているから怖くないのだ。

アパレルの副店長だった頃、上司は仕事でよくミスをするのでその穴埋めをさせられ、下の子が我流で仕事してクレームが来て対応に追われ、、と本当に大変だった時があった。そんな時私の顧客になってくれた自分より20歳も上の人が、「マトさんここで働くの結構大変でしょ?」とズバリ名指して上司と部下の大変なところを言い当てられて占い師なの?!とびっくりしたことがあった。その方曰く「私教育指導してるから大体ちょっと見たらわかるのよ」と言われていて心底痺れた。

経験値があるってかっこいい。


見た目に差が出るのも30代から。

若い頃は親からもらった顔、30代からは自分で作る顔、と聞いたことがある。

その言葉を知った当時はピンときていなかったのだが、歳を重ねて行くうちに人の人相は性格が出るのだなと気付いた。
よく笑う人には笑い皺があるし、よく怒ってるような人には眉間に皺ができている。

そしてお手入れをこまめにやってきている人は毛穴が綺麗だったりシミが少ない。対してなにもやってこなかった人はそれなりに肌がボロボロなのだ。
自分の加齢に対して、私は一つ自分を許す条件を作った。「笑い皺は増えても良い!」


ずっと若くありたい、と今は思わない。
むしろ、たくさんの経験を積み、楽しい思い出を自分の周りにたくさん作って、歳を重ねたい。


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