かんたんなお金とは何か

かんたんなお金とは何か

・お金は必要

 お金は必要なので多少いい加減でもお金がないわけにはいきません。ですからお金は信用が大切ですが信用が薄いものもお金のように扱われる場合もあります。お金を適当に扱うと経済危機が起こってしまうので国や国際社会でしっかり管理するように努力しています。

・貸借と売買
 お金は貸し借り出来ることが大切です。また交換や取引などの決済手段になります。
 お金が貸し借りできると言う事はお金が生じる、お金を作る上で大切です。
 ただ貸し借りではお金を所有できません。貸したお金は返してもらう、借りたお金は返すというのがお金の大切な法則になります。
 物やサービスを買うのにお金を使うとお金を失い、打った側はお金を所有します。所有したお金は返す必要がありません。ずっと持ちっぱなしでも構いません。タンス預金でも死蔵していても構いません。その人が所有していて所有権があるので使わず置いておくのも自由です。

・お金の発生
 お金は現在は特定の銀行組織だけが生み出す力があります。中央銀行と言ったりします。中央銀行がお金を作ってそれを普通の銀行である商業銀行などに貸します。これは現金を使わず帳簿の上での数字操作でも構いません。中央銀行の帳簿上は商業銀行にお金を貸しています。また商業銀行の帳簿では借金をすることになりますが手持ちのお金が増えます。中央銀行から銀行へお金を貸すことで銀行が誰かに貸せるお金が生み出されることになります。

・必ずしも現金は要らない
 中央銀行と商業銀行の間のやり取りのような場合は帳簿にしっかり記しておけば現金は必ずしも必要ありません。紙幣や貨幣は必要ありません。双方の帳簿を突き合せればいいからです。信用がある機関がお金の発生の最初の部分を担います。あるいは信用というよりは規制や管理をしっかりされている金融機関が中央銀行からお金が借りれるようになっています。

・信用創造、お金の増大
 中央銀行が銀行にお金を貸すことで銀行は手元のお金を持つことになり、それを誰かに貸すことができるようになります。行ってしまえばまた貸しです。このまた貸しを経済全体で銀行が繰り返すことでお金の量が日銀が貸し出したお金の量より増えます。

・借金は返済すれば元通りになるが・・・
 お金の貸し借りでは貸したお金も返済していけば元の貸主のところに戻ります。利子や貸し倒れがあるかもしれませんが利子がなく貸し倒れもなければ貸したお金を回収していけば最後は中央銀行に返って元通りになります。信用創造でお金の量が増えていてもきちんと順番に返済されていけば元の通りになります。実際には利子や貸し倒れがありますので綺麗にはいきませんが大まかな形は保たれています。

・売買、交換、取引、お金の所有
 お金には借金という賃借の側面だけでなく物やサービスを購入する機能があります。物やサービスを打った人はお金を所有することになります。所有したお金は返す必要がありません。使わずにずっとしまっておいても構いません。たんす預金(貯金?)です。

・所有されたお金
 お金が誰かの持ち物になるとそのお金は使われるとは限りません。物やサービスを購入しないで撮っておけます。また誰かに貸さないでも取っておけます。投資に使わない自由もあります。皆がたくさんお金を手元に置いておくと借金や取引や投資に使われるお金が減ります。
 このお金は中央銀行に返っていくとは限りません。今の世の中所有権があるので取引して手に入れたお金をどうするのも自由です。
 売買、取引が盛んになるにつれて所有されるお金は増えていきます。所有されたお金はある程度は手元に蓄えられて全てを消費や貸したりするのに使うわけではないので誰にも返さなくていいお金が世の中にたまっていきます。

・中央銀行に返らないお金もある
 交換や取引やお金の所有が許されているので中央銀行が発行したお金が全て中央銀行に返ることは理屈上ないことになります。
 また中央銀行も自分の発行したお金を全て自分に帰して世の中のお金をなくしたり少なくしてしまおうとは思わないでしょう。
 お金は世の中には必ず必要なので日銀はお金を貸しっぱなしにしたり貸し替えを繰り返していかないといけません。

・お金はやっぱり必要
 金銀銅を通過に使った時代や金本位制の時代、貝や巨石をお金として使った時代もありますがどういう形でもお金は必要です。
 現在は管理通貨体制と言われて中央銀行がお金を作っていますが、中央銀行がお金を貸したからと言って全てのお金が中央銀行に返ってくることはありません。それでいいのです。お金がないと取りき日ができなくなってしまいますから。多少怪しいものをお金として使うことがありますがお金には実需がありますのである程度までは、あるいは何かのきっかけがなければそれで通ることも多いです。貨幣制度はそうしたものなのだと思います。

・中央銀行が證券を買うこともある
 最近の中央銀行は国債を買ったり株を買ったりします。買ったらお金を支払います。このお金は中央銀行が作ったことになります。買うことで世の中のお金を増やします。これが中央銀行がお金を増やす方法の一つになります。
 国債は政府が発行します。政府はお金が足りないので国債を発行します。現在のお金は足りないのですが未来にお金が返せるということで国債を作ることができます。ですから国債は政府が発行するという表現だけでなく政府が国債を作るという表現をすることができます。その政府が作った国債を中央銀行が買うとお金が作られます。これをまとめると政府は国債を作ることを通じてお金を作ることができます。

・国債も株も同じようなもの
 政府は国債を作りますが、民間企業は株式を発行します。株式を作ると言い換えても構いません。今ある人や技術や物や将来性で人や法人に株を買ってもらいます。株を買うものの中に中央銀行が含まれています。中央銀行が株を買えば中央銀行はお金を払います。買い取った株と同額のお金を発行します。中央銀行がお金を作って市中に流すことになります。これが中央銀行がお金を世の中に増やす方法の1つです。株式を通じて日銀にお金を作らせることになります。国債や株を刷る、発行する、作って日銀に売る、日銀が買うと言う事は間接的にお金を作っていることになります。

・お金の管理とシャドーバンク
 お金を作るに際してはお金の賃借が大切です。中央銀行が銀行にお金を貸して銀行が民間企業や個人にお金を貸します。民間企業や個人が銀行にお金を預けてきたら一部を除いてまたそれを別の誰かに貸し付けます。そうやってお金が作られて増えていきます。その部分をしっかり管理するのがお金と貨幣制度と経済を管理するために必要になります。
 銀行制度全体を掌握して管理できればいいのですができない場合があります。闇金融が行われたりシャドーバンクがあって統制や管理の外側で銀行と同じようなことをしてお金を増やしてしまう場合です。公的な機関が監視や管理しきれないので経済危機を起こすきっかけになる場合があります。順調に言っているときは世の中の景気に貢献して良い面もあるのだと思いますが、政府などの規制が届かない所で大きな力を持つ様になると経済の大きなリスクになる場合があります。

・平和な繁栄にはお金の増加が必要
 お金がないと取引ができません。お金が少なくても取引しにくいです。お金が多いと取引しやすくなります。そのお金が自分の所有するお金であっても借金であってもそれは変わりません。経済活動が行われればお金は足りなくなりがちです。

・お金の動きが停滞した時
 誰かがお金を保有するにしても消費したり投資したり貸し出したりしてお金を動かせば経済は活発になります。しかし保有だけしてお金を動かなくなると経済が停滞しがちです。そこでそのお金を動かす方法がいくつかあります。思いつくままに挙げていくと例えば税金として払わせる事。また資産没収すること。通貨の価値の切り下げを行う事。インフレーションを起こすこと。制度自体を変えてしまう事。激しい方法では革命や戦争もあります。

・お金は足りなくなりがち
 お金の貸し借りをすると利子が生じます。つまり借りてすぐ返しても元通りとはいきません。何かが変わっており不可逆です。貸したお金が返ってこない場合があります。火事やら天災などでお金が無くなってしまったり所在が分からなくなる場合があります。また借りたお金を購買に使ってしまえば借金返済のお金はどこかから調達してこなければいけません。

・経済のお金の成長

 イノベーションが起こって経済に新しい財やサービスが追加された場合、それを購入したい、あるいは購入しないといけない場合があります。それにより必要なくなる何かもあるかもしれませんが経済や生産が増大するとその分お金が必要になります。お金を増やさないといけません。またお金が増えると投資も消費もしやすくなるので経済が成長しやすくなるかもしれません。お金と経済成長は手を携えあいながら起こっていく傾向があります。

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