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『カンニング勉強法』の薦め

ご覧いただきありがとうございます。

私は現在高校生に数学を教えております、mah(マー)です。

今回は、入試や定期テストを控えた中学・高校生や、検定や資格試験を受験される大人の方に向けて、効果的な学習法をご紹介いたします。

ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。



さて、今回ご紹介するのはタイトルにもある通り

『 カンニング勉強法 』

です。

その名の通り、カンニングを利用した勉強法になります。

試験本番では不貞行為として厳しく罰せられるカンニングが、実は試験で高得点を取るために有効的である、という趣旨です。

次の目次で進めていきますのでご活用ください。



① カンニング勉強法


みなさんは、勉強法をお持ちでしょうか?

例えば赤シートでマーカーした箇所を隠してひたすら読み込む方法や、繰り返し問題を解く方法、そしてこれらを組み合わせた方法、これら以外にもさまざまなものがあると思います。

中には期日ギリギリになってから答えを写すだけになってしまっている人もいるのではないでしょうか。

もしかしたらそんな人にこのカンニング勉強法は有効的かもしれません。




▷ カンニング勉強法とは

ズバリそのやり方とは、問題集と一緒に解答も並べて置き、解答を読みながら解き進める、というものです。

具体的には、

① 机の上に問題集とその解答を並べる

問題集と解答を並べる

② 解答を見ながら問題文を読み解く

以上です。


一見すると、ただ答えを写しているのと同じように思えるかもしれませんが、解くことに重きを置いている点でそれとはまるで異なります。

また、私はこのカンニング法を参考書の1周目から活用することをおすすめしています。

もしかしたらテスト前最後の確認作業として活用している人はいるかもしれませんが、ポイントは1周目に、です。

それでは、なぜ私がこの勉強法をおすすめするのか、特徴とともにお伝えします。

▷ カンニング勉強法の特徴

まず初めに挙げられる特徴として、勉強のハードルを下げられる、というものがあります。

問題を解く→答え合わせをする

というオーソドックスなやり方は、問題を解くという行為が最もハードルが高いです。

問題を解くには時間がかかるし、頭を使うからです。

そのせいで勉強が億劫になり、「やろう」と意気込んでいるうちにテスト当日を迎え、急いで答えを写した経験のある人もいるでしょう。

あたりまえですが、それでは学習効果は低いです。

そうならないように、足掛かりとしてこの勉強法を活用することで、以降の学習に繋げていくことができます。


また、周回効率がよいことも特徴の1つです。

前述しましたが、解くのにかかる時間を減らすことができるので、もちろん2、3、4周と効率よく進めていくことができます。

何度も繰り返し解くことが、学習において効果的であることは、みなさんも理解があると思います。


ただし、これだけではあくまで時間を短縮するためだけの、いわば「第二の手段」ですよね。


私がみなさんにお教えしたいのは、

学力向上のための最も効果的な勉強法の1つであり、

問題を解くことに踏み出せない人のための代わりの勉強法ではありません。


ではどのように第一の手段にするかというと、

本質的に問題を解く


これが最も大切になります。

つまり、「問題を解く」ことの本質を理解し、それを意識しながら問題を解く、ということです。


では、その本質に迫っていきましょう。




② 「問題を解く」ことの本質

私は、問題を解くことの本質は

思い出す

ことにあると考えています。

問題を解くという行為は、問題文を読む→それに合った解答を記憶の中から思い出す、という一連の流れです。

みなさんも、意識はしていないかもしれませんが、必ず「思い出す」ことをしています。

試験本番を思い出してみてください。

これまで学習した内容の中から何とかして思い出そうとしているはずです。

記憶に定着していればそれにかかる時間は短くなりますし、反対に定着度が低いと「うーんと何だっけ」「あー思い出せない」といった感じになりますよね。

要するに、答えられるか答えられないかは、思い出せるか思い出せないか、という言葉で書き換えることができます。

だから「思い出す」ことを意識して繰り返すことが、勉強において大切なのです。

問題文を読み、適当な解答を自分の記憶から思い出す(思い出そうとする)

これが、私の考える「問題を解く」ことの本質です。


そして、よく「アウトプットが大事だ」と言われるのは、この「思い出す」という本質が理由であると私は考えています。

アウトプットとは、思い出すことの繰り返しだからです。


『 インプットとアウトプット 』

勉強法に悩んでこの記事に辿り着いていただいた方は、すでに何度も目にしたり耳にしたりされたかと思います。

アウトプット=思い出す であれば、インプットとは何なのでしょうか。

私の考えをみなさんにお伝えします。



▷ インプットとアウトプット

簡潔に言うと、インプットは初対面の段階で終了すると私は考えています。

つまり、覚えたい文言に出会ったその瞬間がインプットの時間になるのです。

・先生が授業で取り扱った

・教科書を読んでいて出てきた

・参考書を解いていて出てきた

出会い方はさまざまあると思いますが、初めて見た瞬間だけが私にとってのインプットの機会です。


なぜそう考えるかというと、

1度見た内容は、それがどれだけ曖昧な記憶であったとしても、記憶の中には存在している

からです。

仮に思い出すことができず、答えを聞いても「もしかしたら習ったかもしれないし習ってないかもしれない」くらいの記憶であったとしても、それは確かにあなたの記憶の中に違いありません。

そして、思い出せなかったのはインプットが不足しているのではなく、アウトプットが不足しているのだと私は考えます。

重ね重ねになりますが、必ずどこかに記憶として存在しているはずなので、それを思い出そうとする回数、つまりアウトプットの回数が不足しているのです。


これはまるで、

脳みそにぺたぺた貼り付いた記憶が、小さかったりボヤけてしまったりして見えづらくなってしまった状態

と言えます。

そして、アウトプット=思い出すということは、

記憶にマーカーで色付けしたり何度もなぞることで、はっきりとしたものにする

そんな作業なのです。



以上が、私の考える「インプットとアウトプット」です。

アウトプットが大切であることが分かっていただけたかと思います。

インプットと比べてかける時間も回数も桁違いですからね。




▷ アウトプット特化の勉強法

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

長くなってしまったので整理します。

カンニング勉強法とは、

答えを見ながら「思い出す」を繰り返すことで、効率的に記憶を定着させる勉強法

になります。

つまりは、「思い出す」=アウトプット に特化させた勉強法です。


しかしここで勘違いしてほしくないのは、決してインプットをおろそかにするということではないということです。

インプットはいわば第一印象です。

それが印象的で劇的であるほど思い出しやすいに違いはありません。

ただ、記憶を定着させるためには「思い出す」を繰り返すことが大切であり、アウトプットは連続的な「思い出す」という作業そのものである、ということです。

また、前述しましたがインプットは刹那的で効果的な対策があまりありません。

強いて言えば、その時の環境・心情・風景などと合わせてインプットさせるといいでしょう。

例えば、

「これを習った時ハトが変な鳴き声で鳴いていたな」

「あーあの時トイレ我慢してたな」

「この単語はあの単語の下にあったな」

このくらいでいいと思います。

人との第一印象のつくられ方とほとんど同じですね。
だからこそ、意図的にというのはなかなか難しいものです。


もしかしたら「予習」がインプットにおいて効果的なのではないかと考える方がいらっしゃるかもしれません。

確かにそうとも言えますが、私は「予習」は「復習」が少なくとも5回以上できる人がするものだと思っていますし、アウトプットの準備のためのものだと考えています。

予習をすることによって、授業で習う頃にはアウトプットが始められるからです。

これができたら理想なんですけどね。
勉強が好きでない方がほとんどだと思うので、なかなかそうもいかないでしょう。


あるいは、捉え方の違いかもしれません。

あくまでこのインプットとアウトプットへの認識は私の考えであり、私の考えるアウトプットの一部までもインプットと考える方もいらっしゃると思っています。

100人いれば、100人の考えと勉強法があって当然です。

そこはぜひ、皆さんのもっている認識と比較して、考えをめぐらせていただけると嬉しいです。


最後に、私自身の経験をご紹介し、考えをまとめさせていただきます。




③ 勉強時間をつくるきっかけに

私はこれまで色々な生徒を指導してきましたが、ほとんどの生徒が勉強に取り組む時間が圧倒的に足りていない状態でした。

話を聞くと、「勉強しないといけないことは分かってはいるけど、いざしようと思っても億劫になってできない」という声が多いです。

勉強というもののハードルの高さを感じるとともに、これはチャンスなのだといつも思います。

なぜかというと、何かのきっかけでそのハードルさえ飛び越えてしまえば、学力はぐんと伸びると確信しているからです。

勉強時間の不足に危機感を覚えている生徒には、無理やり勉強時間を増やすよりも、そのハードルの低さを教えてあげるのが効果的です。

100cmのハードルが跳べない人に何度も何度も跳ばせようとしてもあまり意味がないでしょう。
それよりも、60cmくらいの低いハードルから跳び方を教えてあげた方がいいに決まっています。

勉強にも段階があるのです。

そして、勉強はその初歩とも言える「勉強する」というハードルが、他と比べて特段高いです。
だからこそ、できるだけ低いハードルを設定してあげなければなりません。


私は、この「カンニング勉強法」が勉強時間を増やしていけるきっかけになると思っています。というか、その自信があります。

実際にたくさんの生徒がこの方法で勉強時間をつくることができましたし、保護者の方からも嬉しいお言葉をいただきましたが、どの生徒にも2つのことを強く言います。

1つは「答えを見ることは悪ではない」ということ。

そしてもう1つは「思い出すことが大切だ」ということです。

1つ目に関しては、固定観念もあると思いますが、中学生の方は特に「親に見られたら怒られてしまう」というのも往々にしてあると思います。

ですから、私は保護者の方との面談の際にも必ず先ほどの2点を丁寧に説明します。

もちろん、テスト前日に急いで答えを写すのは勉強とは言えませんが、余裕をもって「本質的な」カンニングを利用した勉強は立派な勉強です。

ハードルが高いと思っていたいわゆる「勉強」となんら変わりありません。

そのハードルを跳び越えた感覚のまま、2周3周と何度も繰り返していけば、自然と勉強時間は伸びていきますし、成績も右肩上がりになっていくでしょう。

これまで億劫で勉強に取りかかれなかった方は特に、勉強時間がつくられるだけでぐんと成績に表れるに違いありません。

だから、「チャンス」なのです。


そして、皆さんにはぜひ、そのチャンスをものにしてしてほしいと思っております。


学生の方、資格試験の勉強中の大人の方、何か覚えなければならないことがある方。

「カンニング勉強法」

よかったら活用してみてください。


長くなってしまいましたが、これで終わりとさせていただきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。





他にも、数学の小ネタや学習における私の考え方などをいくつか記事にしております。

そちらも合わせて、よかったら読んでみてください。


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