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【カルト】竹熊健太郎メルカリ解説文集

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竹熊健太郎メルカリ解説文集の中から「カルトムービー」「変な映画」をセレクトしました。
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2022年11月の記事一覧

ジョージ・A・ロメロ「ゾンビ 米国劇場公開版('78米/伊)」

ジョージ・A・ロメロ「ゾンビ 米国劇場公開版('78米/伊)」

皆さんの大好きな「ゾンビ」ですよ。「ゾンビ」
にはバージョン違いが沢山あって、それぞれ編集や上映時間が微妙に違います。まあ、ストーリーは同じなんですがね。

今回出すのは「米国劇場公開版」というやつです。なら「日本公開版」とは違うのか? と思われるでしょうが、違うんですよ。1番の違いは、日本版には配給会社が制作したオープニングが勝手に作られて、足されているんです。

「19××年、ある惑星が爆発し

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デビッド・リンチ「イレイザーヘッド」リストア版('77米)

デビッド・リンチ「イレイザーヘッド」リストア版('77米)

デビッド・リンチの「イレイザーヘッド」は1981年にまず「エレファントマン」が公開され、これがリンチの日本初上陸でしたが、それが大ヒットしたのでリンチの処女作であるこちらも公開されたのでした。

日本公開時のポスターには「この赤ん坊がエレファントマンのルーツなのか?」という全然関係がないキャッチコピーが付けられていましたが、何とか大ヒット作と関連付けようと宣伝会社が頭を捻ったのでしょう。もちろん「

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【元ネタを探せ!①】ウルトラセブン「第四惑星の悪夢」とゴダール「アルファヴィル」

【元ネタを探せ!①】ウルトラセブン「第四惑星の悪夢」とゴダール「アルファヴィル」

「ウルトラセブン」に「第四惑星の悪夢」という名作回があります。監督は実相寺昭雄。 地球そっくりの惑星に迷い込んだモロボシ・ダンとソガ隊員が、そこがロボットが人間を支配する世界だと気がつきます。

ロボットに歯向かう人間は処刑される恐ろしい光景を見たモロボシ・ダンは、ウルトラセブンに変身して町を破壊して地球へ帰還します。ウルトラセブンなのに怪獣は現れず、特撮もごく一部にしか使われていません。

ロボ

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ジム・カヴィーゼル「新・プリズナーNo.6」

ジム・カヴィーゼル「新・プリズナーNo.6」

67年のカルト的不条理スパイドラマ「プリズナーNo.6」のリメイク的TVシリーズ。今回はジム・カヴィーゼルがNo.6を演じます。この作品のタイトルも「プリズナーNo6」なんですが、旧作と区別するために便宜的に「新」を付けました。

しかしこの作品、ただのリメイクではありません。「村」に閉じ込められて絶対に脱出できない主人公という設定、村の支配者No.2と戦うという設定はオリジナルと同じなんですが、

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ティム・バートン「エド・ウッド('94米)」

ティム・バートン「エド・ウッド('94米)」

「史上最低の映画王」と言えば、メジャーに進出したジョン・ウォーターズではなくエド・ウッドでしょう。80年代のカルト映画ブームの時は、レンタルビデオ店にエド・ウッドの「外宇宙からの第九計画」や「死霊の盆踊り」などが並んで人気を博していました。

誰がどう見ても超低予算で脚本も撮影もいい加減な映画が、「カルト」という言葉を冠すれば何故か売れてしまった良き時代があったのです。

数あるC級映画の中でも、

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ジョン・ウォーターズ「シリアルママ」DVD

ジョン・ウォーターズ「シリアルママ」DVD

レンタルアップDVDです。
盤面に多少の傷がありますが、再生には問題ありません。

史上最低の映画「ピンク・フラミンゴ」でカルトな人気が爆燃したジョン・ウォーターズでしたが、80年代以降はメジャー進出への涙ぐましい努力を重ね、1994にユニヴァーサルスタジオでキャスリーン・ターナー主演で撮影したのが「シリアル・ママ」になります。

ここでのシリアルは「連続殺人鬼」を意味するシリアルですが、作中にシ

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