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『哀しみのベラドンナ』失われた美術原画復元計画(第4章)影響を受けたと思われる映画について(2)クリス・マルケル『ラ・ジュテ』
フランス・ヌーヴェルヴァーグ作家の一人であるクリス・マルケルは、ゴダールやトリュフォーなど他の人気ヌーヴェルヴァーグ作家に比べて知名度が少しだけ低い。理由は彼がドキュメンタリー映画監督であって、ほとんど劇映画を撮らなかったことにある。しかしマルケルは1962年に「時間と記憶」をテーマとした短篇劇映画『ラ・ジュテ』(29分)を撮り、この一作で世界的な名声を得た。la jetée(ラ・ジュテ)は空港の送迎ブリッジを意味するフランス語である。 『ラ・ジュテ』はその衝撃的な物語もさ
『哀しみのベラドンナ』失われた美術原画復元計画(第4章)影響を受けたと思われる映画について(1)ドライヤー『裁かるるジャンヌ』
アニメーション映画史上、映像的にも内容的にも比べ得る作品がないとも言える『哀しみのベラドンナ』だが、アニメを離れて映画の歴史を遡って見るなら、これの影響を受けたのではないか? と思われる作品がいくつか存在する。この章は、そうした先行作品を4本紹介し、『哀しみのベラドンナ』を映画史の中に位置づけてみようする試みである。 カール・ドライヤー『裁かるるジャンヌ』(1928)19世紀の終わりにデンマークで生まれたカール・テオドア・ドライヤーは、映画史の初期に現れた巨匠であり、世界
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'Belladonna of Sadness' Project to restore lost original artwork (part 2).
● In search of lost original artwork As mentioned earlier, the majority of the original art drawings for Belladonna of Sadness have been lost. While they were left stacked in a warehouse for many years, the warehouse was frequented by a num
'Belladonna of Sadness' Project to restore lost original artwork (Part 1).
● The 'swan song' of Mushi Productions, the legendary animated feature film Belladonna of Sadness.*Honorifics in the text are omitted. It is said that a swan makes its most beautiful call in its lifetime when it is about to burn itself out