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香港、一人旅〜深夜特急の残り香を求めて②〜
(前回からの続き)
香港国際空港に着いたのは夜明けだった。
タクシーでネイザンロードにほど近いホテルを目指す。深夜特急を追体験する旅とはいえ、この年になって格安のゲストハウスに飛び込む酔狂にはいたらず、高級とは言えないまでも、清潔なシティホテル風の佇まいの宿を拠点とすることにしていた。
ホテルにチェックインしてしばらく手持ち無沙汰な時間を過ごしていると、空が明るくなり、街が動き出す。私は早速
香港、一人旅〜深夜特急の残り香を求めて①〜
40歳を迎えるにあたって、抱いた感慨。
それは「これからは人生の後半戦である」という事実に向き合うことから始まった。
それまでは、人生とは常に新しい展開が開けていくものであった。その意味では、常に新しい体験がアップデートされていく「足し算の道のり」であったとも言える。
しかし、40歳の声を聴く頃には、自分の周りの景色も、そして自分も、知らぬ間に大きな曲がり角を曲がってしまったことに気づく。
仕事
香港、一人旅〜深夜特急の残り香を求めて③〜
(前回からの続き)
つくづく旅は、行きたいと思い立った時に行くものだと思う。今は忙しいから、お金がないから、歳を取ったらゆっくり時間ができるから…
しかし、いざお金とゆっくりした時間が出来てから、かつて行きたかった場所を訪ねたとしても、求めていた体験が得られるとは限らない。やはり人生には「その時期にしかない感性」というものが厳然と存在し、安定した身分を確保した上で余生の楽しみとして世界中を回れ