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黙ってフランクザッパの宇宙的音楽を聴いてくれ。Frank Zappa and The Mothers of Invention「One Size Fits All」
Frank Zappaという存在を知るのはそんなに遅くなかったと思う。
ギブソンSGを使っているギタリストの代表例として挙げられがちだから、意外と名前だけ知ってる人は多いんじゃないだろうか。僕は昔からSG好きだったこともあってその例から知ったような気がする。
そのほかだと国内盤でめちゃくちゃな邦題をつけられていたということでも有名だ(例:「No Not Now」→邦題「今は納豆はいらない」(!?))。
気になるから聴いてみようかなと思った中学生の頃の自分だけれど、FrankZappaあるある、アルバムが多すぎてどのアルバムから聴けばいいのかわからない。名前だけ知っているという人が多いのはこのあたりの問題も関係していそうだ。
フランクザッパという人は1993年に亡くなるまでにアルバムを60枚ぐらいリリースしていて、それだけでもやばいのに死後も毎年のように新音源がリリースされている、もちろん今現在も。確かナンバリングは100をゆうに超えてますよ。
こんなことになったのは、ザッパ御大の凄まじい作曲能力と記録癖という二つが大きく関係している。
後者の記録癖はアルバムを作るときにも最大限発揮されていて、彼はライブ録音にオーバーダビングしてアルバムを完成させることが多かった。
私が最初に聴いたザッパの作品、One Size Fits Allもそんなアルバムの一つ。
(画・緑色三号)
数多くのアルバムの中からこの作品を最初に選んだのは、地元のブックオフで見つけたことがきっかけ。たしか950円ぐらいだった。
後になって分かったんだけど、それは日本盤の20bit-goldメッキのCDというあまりお目にかかれない仕様であった。音質も通常より良い、らしい。最高の出会いだな……。
肝心の初めて聴いた時の印象。
わけわかんね~~~~~~~~~~~~~!
一曲目から目まぐるしい展開、なんかマリンバとか鳴ってるし、なんじゃこりゃ?ロック……なのか……???
だが、何回も聴いているうちに展開を覚えてきて心地よくなってくる。
こりゃいいや、と思った。ジャズっぽくもあるけどロックぽさもちゃんとある。展開を覚えて気持ち良くなってくる点はプログレ的でもある。
4曲目の「Po-Jama People」のギターとか、「THEフランクザッパ」な音使いが炸裂していて大好きだ。
アルバムを通して、サウンドはジャケットのように「宇宙的」。キラキラしている。
もし彦摩呂が音楽評論家だったら「音の宝石箱や~!」と評しているに違いない。
特筆すべきはやはり1曲目の「Inca Roads」。元がライブ録音と信じられないくらいの精度の高い演奏、そしてギターソロのセンスよ。即興演奏でこんなギター弾けるのはきっとザッパ御大だけ。
このアルバムの邦題も個人的にかなり気に入っている。「万物同サイズの法則」。名訳だと思う。
◇
ちなみに私はこのアルバムからフランクザッパにはまってCDを買いあさるようになった。
最近はもうCD買わなくなっちゃったのでコレクションは中途半端なとこで終わっている(ストリーミングサービスはコレクターのモチベを粉砕する……)。それでも30枚程度所有しているんだけれどね。
ザッパは漏れなく収集しようとしたら「RYKO盤とユニバーサル盤でミックスが違う」「EMI盤のほうが音質がいい」「アナログ盤と曲順が違う」「アナログ盤だとインストなのにCD盤だとボーカルが入ってる」とかあったりでもうキリがない。
本気で網羅しようとすると気が狂いそうになるのでこれから集めようと息巻いている方は注意。
思うに、ラーメン二郎が「ラーメン」というジャンルの中にあるというよりも「ラーメン二郎」という一つのジャンルであるように、ザッパはロックとかジャズの中にあるというよりも「ザッパ」というジャンルとしてみた方が適切なのかもしれない。
もう語りだすと止まらないのでここらへんで終わらせておこう。
とりあえず、「One Size Fits All」はフランクザッパを語るうえでは欠かせない1枚。かつザッパを聴いたことない人でも比較的聴きやすいのでオススメのアルバムデス。
機会があったら聴いてみてネ!
◆
※ちなみに、記事のタイトルの「黙って~してくれ」というのはフランクザッパのアルバム、「Shut Up 'n Play Yer Guitar」(邦題:黙ってギターを弾いてくれ)に由来しています。
全曲ギターソロの抜粋、かつ2枚組(レコードだと3枚組…)という何ともすさまじい作品。興味のある方はこちらもどうぞ。
★この記事は、過去に私が個人ブログに掲載していた記事を加筆修正したものです。
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