ビートルズのかっこよさをあなたは知っているか。The Beatles 「REVOLVER」
★この文章は、私が別名義でnoteに投稿していたディスクレビューを加筆修正したものです。
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近所のラーメン屋の店内BGMはビートルズ。
おっ、イイネ、と思うと同時に、シングルで発売された有名な曲群がランダムに流されているだけということに気づく。たぶん「1」あたりのベスト盤をランダム再生しているのだろう(このベスト盤は全世界でめちゃめちゃ売れたため、持っている人が多い)。
「有名曲だけじゃなくてオリジナルのアルバム曲、それも順番通りに聴きたいな……」と思ってしまう私。
ビートルズの神髄はオリジナルアルバムを通しで聴くことによって感じることができると思っているからだ。
そう考えてしまうのは、私がビートルズの魅力に気づいた中学時代のことが大きく影響している。
◆
小学生のころ、ビートルズを聴いてみようと思った私は、有名な「赤盤」・「青盤」というベスト盤をゲオで借りた。
聴いてみたものの、うーん耳にしたことある曲は多いけどなんかピンとこないなーという印象だった。
なんか赤盤の感じは懐メロっぽくてイマイチだし、青盤に関しては当時小学生の自分にはよく理解できなかった。青盤の1曲目、ストロベリーフィールズだったっけ?あの曲の良さは当時本当に理解できなかったなあ(今は大好き)。
時がたち、中学生になった私。
なんとなくTSUTAYAで「REVOLVER」を借りてみた。いろいろある中でREVOLVERを選んだのはたぶんジャケットのデザインがかっこよかったから。
(画:緑色三号)
たしかリマスター版が新しく発売された頃で、TSUTAYA側も目立つように配置していて手に取りやすかった覚えがある。家に帰った後、すぐ聴くということはせずにiPodに入れてしばらく放置。
ある朝。「借りたやつでも聴くか~」と思い、再生。
一曲目のTAXMAN。
聴いてぶっ飛んだ。
リマスター版で音が綺麗だったのもあるが、なによりもギターソロの現代的な感じ・荒々しさが衝撃だった。ROCKじゃん、って思った。
3曲目の「I'm Only Sleeping」の逆再生ギターソロにも度肝を抜かれた。こんな表現が半世紀前にあっていいのかと。今聴いても新鮮だ。
「ビートルズってこんなにかっこよかったんだ…」
そしてアルバムを通して聴いた時、今度はその全体の完成度に驚かされた。単体で聴くとパッとしない曲群もアルバムを通して聴くとかなり良く感じる。
極め付きは最後の曲「Tomorrow Never Knows」の得体の知れなさ。ただただ、衝撃。
それから私はビートルズ沼に引きずり込まれることとなる。
当時通っていた英会話教室の先生がオリジナルアルバムのリマスターBOXを持っていると知った私は、無理を言ってすべて借りて聴いた。そして聴き終わったころにはもう完全なるビートルズマニアになったのであった。
こういうわけで、私にとって「REVOLVER」はThe Beatlesにハマる大きなきっかけを与えてくれた作品であり、また「アルバムを通しで聴くこと」の魅力を教えてくれた思い出の一枚でもあるのだ。
◆
ビートルズのオリジナルアルバムはまさに「アルバムが一つの単位」といった感じで、通して聴くことが前提みたいな雰囲気を漂わせている。
特に中期以降の作品は、ビートルズがライブ活動を休止してまでアルバム制作に注力していたこともあり、その傾向が強い。
初期のビートルズも嫌いではないんだけど、中期以降のビートルズのほうが断然好きだ。初期はやっぱりロックというよりも歌謡曲的な印象が強いし、アルバム全体を通して…という観点からだとそこまでって感じかな。
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ビートルズはダサい、というイメージが現代の人に多いのもしょうがないとは思う。
音楽の教科書に取り上げられてて授業で習うという経験や、英語の時間に歌わされたという経験をしている人は多く、そのあたりの印象がぬぐえない人も多いだろうし。
そんな人こそ、ぜひともこの機会に聴いてみてほしい。ビートルズは決してお利口さんの音楽ではなく、ロックそのものだ。当時「不良の音楽」みたいなことが言われただけあるよ。
特にこのREVOLVERあたりのころはみんなドラッグやりまくってるからね。槇原さんなんて目じゃないぜ(コラ!)。
「REVOLVER」以外で私が好きなアルバムは、「Rubber Soul」、「The Beatles(white album)」あたりかなあ。「Rubber Soul」も同時期に聴いて「REVOLVER」と同様衝撃を受けた作品で、こうやってサラっと語りたくないんだけど。深く語るのはまたの機会に。
かなり持ち上げられがちなサージェントペパーズ~とアビーロードは個人的な好みとしてはそこまでかなあ。前者は通しで聴くと絶対に中だるみするし、後者はB面のメドレーで突っ走ってる感がどうも。
リリースから半世紀経った今なお、その魅力を失わない名盤「REVOLVER」。
機会があったら聴いてみてネ。
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