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唯一無二の音世界。ゆらゆら帝国「空洞です」
ゆらゆら帝国を知ったのは嘘つきバービーの存在を知ったのとほぼ同時だった。
上の記事で書いたように、嘘つきバービーの情報を探っていくとやたらと「ゆらゆら帝国」という単語がでてくる。
両者のバンドは、その異質さとスリーピースバンドであることから引き合いに出されることが多いのだ。
音楽性がものすごく似ているというわけではないのだけれど、どちらもかなり強烈なインパクトをもつバンドなので引き合いに出したくなる人の気持ちもよくわかる。
私が一番最初に聴いたゆらゆら帝国の楽曲は「ゆらゆら帝国で考え中」か「ラメのパンタロン」だったはず。
最初聴いた時は、なんだかよくわかんないなと思ったのだが、何回も繰り返し聴いていると慣れたこともあってかかなり良いと感じるようになった。
音楽だけでなく奇抜なMVも面白かったので、音楽を聴く習慣があまりなかった当時の自分にも受け入れやすかった。特に「夜行性の生き物3匹」のMVは面白い。
youtubeに上がっている曲以外も聴きたいと思った自分は、すぐゲオにアルバムがあるか確認しに行った。
ゲオはあくまでもゲーム販売を商売のメインとしているため、レンタルの品ぞろえは悪いのだが、なんとかゆらゆら帝国のアルバムは数枚あった。たしか「Sweet Spot」と「空洞です」とベスト盤の「1998-2004」しかなかったが、全部借りた。
ベスト盤のDISC1はシングルで出た曲が多いこともあってか、聴きやすかったのでかなり聴きこんだ。初心者はこれから聴いても悪くないかも。
逆にDISC2や、借りてきた他のアルバムの良さがいまいちわからなかった。
で、今回メインで取り上げるのはその「良さがわからなかったアルバム」のひとつ、「空洞です」。
(画・緑色三号)
私はゆらゆら帝国がソニーに移籍する前の荒々しい音楽性に衝撃を受けたクチだったので、このアルバムの浮遊感あるサウンドというのがちょっと苦手だった。世間がこのアルバムを絶賛しているのをみて「過大評価では?」と思っていた。
だが、いろいろなジャンルの音楽を聴いてきた今聴くと、確かにこの作品は絶賛されるに値する作品であると理解できる。
このアルバムはいろいろな音楽を聴いてきた人ほど衝撃を受けるんじゃないかなと思う。改めて聴くとすごい。唯一無二のサウンド、これに尽きる。ソウルっぽくもあるが、ロックっぽくもある。
このわけのわからなさ、世界観は簡単に作れるものではない。
ゆらゆら帝国は本アルバム「空洞です」のリリースの後、「完成してしまった」と言い、解散した。
ゆらゆら帝国を知った当初は訳が分からなかったが、今なら納得がいく。彼らはそれほど完成度の高いアルバムを作り上げてしまったのだ。
「空洞です」を聴いて気に入った人は、ぜひともこのアルバムに収録されている曲たちのライブバージョンを聴いてみることもお勧めする。どの曲もかなりアレンジがされていて、そちらも良いので。
機会があったら聴いてみてネ。
◇
あと、ゆらゆら帝国は私にとってとても重要な存在であることも記しておこう。嘘つきバービーの記事のときに匂わせた話ね。
ゆらゆら帝国にハマった私は、youtubeやニコニコ動画でライブ映像をたくさん見た。
坂本慎太郎のギタープレイ。何かとても惹かれるものがあった。
見ていて、「かっこいい」という感覚もなくはなかったが、それよりも「気持ちよさそうだな」と思ったのである。
自分もやってみたい。
ふとあたりを見渡すと、自宅のリビングにはミニギターが置いてあった。父親はたまにギターを弾く。じゃあ自分もちょっくら練習してみるか。父親が教えてくれるだろうし
人生の歯車が動き出した瞬間だった。
ゆらゆら帝国のギターパートは弾いていて気持ちよくなるようにできている。印象的なリフの繰り返しなどが多く、リフ自体もそんなに難易度が高いわけでもない。ネットの情報や耳コピで、がんばってコピーしまくった。
その時から今もこうやってギターを弾いている。
ギターを弾いていなかったらおそらく今よりも2段階ぐらい暗い人生を送っていると思うので、ゆらゆら帝国というバンドの存在には感謝してもしきれない私。
ゆらゆら帝国、ありがとう。
初めてギターに触れるような
本当に恋をしているような
もう一度何かやれるような
そんな気分さ
(ゆらゆら帝国「バンドをやってる友達」より)
★この記事は、私が別名義で個人ブログに掲載していた記事を加筆修正したものです。
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