プレイヤー社長が抑えるべき人材育成のポイント
一人だけで売上を作ることに限界を感じ、規模の拡大をすべく2名の社員を雇い始めた。ある時、売上比率をみてみると、8-9割が自分(社長)だった・・・
なんてことありませんか?
社員に給与を払っているのに、売上を作っているのはほとんど自分(社長)。
営業の社員に普段の仕事について話を聞いてみると、
「なんでもっとこうしないの!?」
経験者を雇ったが、自分のイメージ通りにはいかず、自分が営業を教えようと挑戦するが、時間がなく結局途中で頓挫。
プレイヤー気質の社長の方なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
組織を作ることは、一人で売上を作る難易度より遥かに高いです。
3年で5割以上の会社が潰れる理由は、売上だけでなく、人材・組織の問題も関わってきます。
どうすれば、規模を拡大しつつ組織を作れるのか。ずっと、自分(社長)は全ての仕事を兼務しなければいけないのか。
そうお悩みのプレイヤー気質の社長様へ向けての記事です。今回の記事は、自分(社長)が活動を止めると会社は潰れるという不安を、解消する一助になるはずです!
プレイヤー気質の社長がいかにして売上を上げつつ、組織を作っていくかを解説します。
という方におすすめです。
1. プレイヤー気質の社長の9割が人材育成に苦戦するワケ
ほとんどのプレイヤー気質の社長は人材育成に苦戦しています。
なぜ人材育成がうまくいかないのか。
理由はいくつかありますが、
自分(社長)が基準なので、高いものを求めている
人材教育に時間をかけられていない
自分でやった方が早い・良いと思っている
などがあげられます。
一つずつ見ていきましょう。社長の方は、当てはまるものがないか思い出しながら読んでみてください。
1. 自分(社長)が基準なので、高いものを求めている
自分がこれまで売上を作ってきた経験が基準になり、それと社員を比較してしまっているということが考えられます。
社員の仕事ぶりを見て、「なんでもっとこうしないの?」と自分の基準と違うと相手に問いかけたりしていませんか?
これでは社員が萎縮するのも当然です。
とはいえ、優秀なプレイヤーである社長のお気持ちも、もちろんわかります。どうしても高いものを求めてしまいますよね。
ただ、それではついていける人が少ないのも事実です。
2. 人材教育に時間をかけていない
人材問題に悩んでいる社長に、
「社員と普段どんなコミュニケーションを取っていますか?」と聞くと、
「あまり話してない。」
「業務連絡はしている。」
という社長が多いです。
社長自身も高い水準のゴールを目指して、日々行動し、数字を作らないといけないから忙しいというのも理解できます。
ただ、厳しいかもしれませんが、これでは社長が求める水準に社員が育つには、無理があるかもしれません。
社員は「社長とコミュニケーションをもっと取りたい」と思っている可能性があります。
「この社長についていきたい!」と思い、入社した人は特にそうです。
「社長と一緒に会社を大きくしていきたい」
「会社ともに自分も成長したい」
少人数の会社であれば、社長のことが好きで入社しています。
しかし、実際はみんな営業で活動がバラバラ、一人の時間が長かったりすると、どこかで ”寂しさ” や “物足りなさ” を感じている可能性はあります。
そのような中で会話がなく、結果だけを見られ怒られたり、評価されると、
当然モチベーションは下がっていきます。
もしかすると、「甘くない?」と感じる社長の方もいるとは思います。
しかし、これは現場のリアルです。
たとえ、業界の経験者であったとしても、
普段どんな営業をしているのか
営業で困ったことはないか
などの状況把握とそれに対するフォローが必要です。
社員が自発的に動いてくれるためのポイントは、下記の記事で解説していますので、ぜひそちらもご参考ください。
3. 自分でやった方が早い・良いと思っている
1にも関係しますが、自分でやった方が売上が上がるし、早いと考え、仕事を全部自分でやっている。
言い換えると、うまく仕事(権限)を渡せないという状況です。
“やらない” というのはすごく難しい決断です。おそらく性格的にそれが苦手という方も多いでしょう。
しかし、それをしていては人材は育ちません。
以上が、人材育成に苦戦する社長の特徴です。もちろん、これ以外にもありますが、代表的なものを紹介しました。
共通点としては、自分(社長)にばかり焦点が当たっていて、社員のことが見えていない。
これでは、人材育成をすることは困難です。
では、どのようにして社員の営業成績をあげれば良いのかを次章で詳しく解説していきます。
2. 社員が効果的に結果を出すために大切な2つの要素
ここでは2つの大切な要素をご紹介します。
育成のロジックを組む
社員の内発的な動機を促す
1. 育成のロジックを組む
育成を組むロジックは、
1-1. 量をこなす環境と基準を作る
何事も数をこなす前に諦めてしまう人が多いです。特に営業は、量をこなす必要があります。
量が足りないとどれくらいの精度でやれば良いかわかりません。
例えば、
【200件電話をかけて、10社アポを取り、受注0だった場合】
架電からアポまでは5%で好調に見えますが、受注していないので、今回の行動が良かったかどうか判断ができない状態です。
【仮にここで受注が1ついた場合】
アポ率:5%
架電受注率:0.5%
商談受注率:10%
という変数の基準ができます。
それを元に今後のゴールに向けての行動計画を立てると、
月100万円の売上を作るには3社から受注を取らないといけないから、
600社に架電をする → 商談を30社行う。
このように月の定量的な行動が見えてきます。そのためには日々どのような行動をすれば良いのかわかるわけです。
しかし、ここにたどり着くまでに行動をやめてしまう人がすごく多い。
そんな状況の中、上司から「今月どんな感じ?」と聞かれると、答えようがありません。
続けるという意味で言うと、社員側の問題もありますが、これを管理するのも上長の仕事です。
1-2. 基準を明確にしてからPDCAを回す
基準ができると日々の行動に根拠ができます。そして、それを実践していくとうまくいかない時が必ず出てくるでしょう。
例えば、アポ率が5%→3%に落ちてきた場合、
リストに問題があるのではないか?
架電するエリアを変えてみようか。
企業規模を少し小さくしてみよう。
業界の中でもニッチな会社を狙っていこう
など、変数が明確であるため有効なPDCAを回すことができます。
それ以外にも、テレアポのスクリプトを変えることで、アポ率向上につながるのでは?
受注率が落ちてきた時には、提案書を改善してみよう。
のように、次に行動すべきことの判断がしやすくなります。これをやると誰が、今、どのように営業をしているのかが明確です。
それらをチームで共有することで効果的な営業ができます。
1-3. マーケットごとに営業(行動)戦略を立てる
1-2までが基本で、ここからは少し応用です。
PDCAを回していると、受注率の良い顧客、アポ率の低い顧客などの傾向が見えてきます。それを元に、マーケットごとに戦略を立てられると理想です。
例えば、不動産仲介を例に挙げると、営業先(見込み客)として
パートナーである不動産会社の営業
地主さん
士業・保険営業マン
不動産セミナーへの参加者
などが挙げられます。
当然ながら、それぞれに対して同じアプローチでは、効果的ではありません。
不動産会社へは、お互いに情報交換をし、相談をもらえる関係値を作る。地主さんへは、地主さんに有益なコンテンツをSNSで発信してそれを提供する。
士業・保険営業マンへは、共同でセミナーを開催したり、対談動画を撮影しSNSに上げる。
など、相手に合わせた行動をすることで、より営業しやすくなるわけです。
このように分類することで、1週間の中でどれだけ見込み客に時間を使っているかを明確にできます。
また、最近はちょっと地主さんへのアプローチが多かったから、士業・保険営業マンへの営業を増やそうなど、次の一手も打ちやすいです。
そして、このマーケット別にアプローチしていく時に重要なことが、特化をすること。
ある分野に特化することで、顧客が抱える課題を深く理解できます。そうなると、アポ率・成約率も上がる可能性が高いです。
例えば、自分で不動産会社を経営し、不動産会社のSNS集客支援も行っている。自社も同じ悩みを抱え、不動産の知識があるので、説得力を持ってサポートができます。
弊社が扱う不動産の8割が相続関連です。家族円満に相続し、より多く手元に資産が残るような売却サポートができます。
このような情報をアポの時に伝え、代表と一度お話しさせてください。と言えば間違いなくアポ率は上がってくる。
さらに、そこから事例などを出すことにより、顧客に “喉から手が出るほど欲しい” と思ってもらうことができる。
このようにマーケットごとの戦略も非常に重要となる。
以上が、育成のロジックを組む3ステップです。これがあれば大丈夫かというと、実はもう一つ重要な要素があります。
2. 社員の内発的な動機を促す
このテーマは、非常に重要なので別記事で解説予定です。今日はシンプルな情報だけを紹介します。
ロジックだけでは、人は動きません。また、言われただけでも動きません。
社員が自発的にやろうと前を向かなければ、机上の空論で終わってしまいます。
「なぜ、その行動をするのか?」
「それをした先に自分にどのようなメリットがあるのか?」
などを理解してもらうことが必要です。
そして、社員自身がこれならできる!という自己評価を上げていくことが重要になります。
というわけで、
育成のロジックを組む
量をこなす環境と基準を作る
基準を明確にしてからPDCAを回す
マーケットごとに営業(行動)戦略を立てる
社員の内発的な動機を促す
を実施することで社員が効果的に結果を出す組織を作ることができます。
とはいえ、ロジックや社員への対応はわかったけど、そもそも時間がないし、仕事は詰まっているんだよ・・・
という社長の方も多いでしょう。
そのような社長がすべきことをこの後に、解説させていただきます。
3. プレイヤー社長は自分の得意分野で突き進み、外注をうまく使いましょう!
結論、社員教育・マネジメントを外注しましょう。
これが私からの提案の一つです。
社長はそのまま自分の得意分野で結果を出すことに集中してください。社員のマネジメントや営業力の強化は外注に任せることもできます。
社長の力が10としたときに、2の能力の社員を5人揃えれば、社長一人分となります。これで今の売上の倍になるわけです。
もちろん、最初は2,3人からのスタートになるでしょう。しかし、社長は自分の得意分野に集中するだけで良いのです。
社員教育のプロに頼むことで、社長が付きっきりにならずに人材育成が進みます。当然、会社の方向性を掴むために、社長にも参画してもらう機会はあります。
もし、自分がいないところで社員が自発的に売上を立ててくれる組織ができるなら、あなたはどれくらいのコストを使いますか?
ただ、社員に給与を払うだけより、よほど効果的だと思いませんか?
「外注に社員教育なんてできるの?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
確かに、文字だけでは伝わりづらいので、気になる方は下記よりお問い合わせください。
無料相談を承っております。
私は、お客様と二人三脚で歩むことが得意です。もし、お一人で人材育成に悩まれていれば、ご連絡お待ちしております。
4. まとめ
さて、プレイヤー気質の社長が人材育成に苦戦するというテーマで解説してきました。
苦戦する理由として、
自分(社長)が基準なので、高いものを求めている
人材教育に時間をかけられていない
自分でやった方が早い・良いと思っている
これらを解消するためには、
育成のロジックを組む
量をこなす環境と基準を作る
基準を明確にしてからPDCAを回す
マーケットごとに営業(行動)戦略を立てる
社員の内発的な動機を促す
時間も余裕もない社長は、社長はそのまま自分の得意分野で結果を出すことに集中。社員のマネジメントや営業力の強化は外注に任せる。
こうすることで、売上を伸ばすことと、組織を作ることを並行してできます。その結果、長期的に売上を伸ばせる企業へと成長できるのです。
人材育成・社員マネジメントに苦戦している社長様は、一度自分の ”常識の外” に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
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