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ちいさなものがたり

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ちいさな空想のひと場面を文章にした幻想物語をまとめました。
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ー 氷の女神 ー 幻想物語

氷のように冷たくて澄んだ青いベールの中からみんなの顔が良く見える。

そのままでいてね。かわいいみんなが好きなの。

誰も私に触れられない。

きっと、触れてしまえば壊れてしまう。

どれだけ体を触っても、どれだけ手を押し付けても、氷のベールは鉄壁なの。

分からないまま、

知った気がして、

話しかけても、

届かない。

響かない透明なベールの中。

本当にそれを分かってくれる人はね、分かっ

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ー うさぎの小言 ー 幻想物語

だれも知れない きみの 空/くう を揺蕩う :

「心って重いんだよ。」

宇宙の底で響いてる。ずっときみの言葉が。

どこのどいつにも分かりっこない分かりっこないって散々灰皿に綻ばせて、

そうしてまたどっかの星に魔法をかけてみたりして。

きみの優しさはいつだってひとりきりだね。

たぶん本当の意味でぼくもぼくになった時、誰も傍にはいられないんだろうから、

それまできみとひとりをひとりで温

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ー 波 ー 幻想物語

「あなたは今何を見ているの?」

ぼやけた視界に真っ白なカーテンが揺らぐ。

「あなたがどこにいるのか私にはわからないけれど。私はこの場所が好きなの。」

静かな砂浜に波の残像と足跡だけが残る。
それもじきにざらついた音と共に霞みゆくが、今は辛うじて。

その軌跡に時が縋りついていられた。

顔を上げるのはいつぶりだろうか。

そこに映ったのは真っ白なカーテン、いや、私には見る事の出来ないはずのも

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