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【美術展2024#05】TAKEUCHI COLLECTION 心のレンズ@WHAT MUSIUM

会期:2023年9月30日(土)〜2024年2月25日(日)

この展覧会は、IT分野で活躍されているコレクターの竹内真氏が、約5年前から収集をしてきた現代アートと家具のコレクション「TAKEUCHI COLLECTION」をご紹介するものです。

本展では、コレクションのきっかけとなったパブロ・ピカソの作品から、イヴ・クラインやゲルハルト・リヒターといった時代を代表する作家や、近年魅力を感じている抽象画の作品を中心に約33点を展示します。また、近代建築の巨匠の一人ル・コルビュジエらがデザインした家具もご紹介し、竹内氏が日頃から家具とともにアート作品を展示して楽しんでいることから、実際に椅子に座りながらアート作品をゆっくり鑑賞する空間も演出しています。さらにピエール・ジャンヌレがデザインした椅子約20脚を使用したインスタレーションでは、その個体がもつ特徴を多角的な視点から堪能することができます。

さらに成長し、変化していくコレクションの現在の姿をご覧いただきつつ、作品の新たな魅力やコレクションすることの楽しみ方を発見する機会になることを願います。

■ コレクターズノート(一部抜粋)/ 竹内真
僕は、抽象的な作品を見るとき、大凡自分と同じ世界を生きて、かつ似たようなものを見て、聞いているのにも関わらず、その彼らの心のレンズを通した結果、このような作品が生まれるのだろう、と彼らの人生の中で作り上げられた心のレンズが一体どんなものなのかを想像してしまいます。しかし、その想像の中にあるレンズもまた、自分自身が経験したものの中から考え得るレンズでしかないわけで、おそらくその予想は全て外れているのでしょう。もし、今日、誰かと一緒にこの展示を見に来ていたら、その人と同じ作品を見て、作家の心のレンズはどのようなものだと思うのか、話し合ってみてください。結局は、それはお互いの心のレンズを話し合っているようなことでもあり、それはきっと、お互いの仲をさらに深めていくことだと思います。

展覧会公式サイト


コレクター竹内真氏のプライベートコレクション展。
このような私的な蒐集は美術館コレクションのようなしがらみやルールが無い分、独自の振り幅が面白い。

ピエール・ジャンヌレ

チャンディガールのための椅子 
昨今Cassinaから復刻版が出ているがもちろんこれらは全てオリジナル

ジャンヌレの椅子のインスタレーションでは吊るされているものも複数あるため普段見れない角度から見ることができた。

シャルロット・ペリアン

中央のペリアンのベンチは実際に座れた。
ボヨボヨしていて座り心地はそれほど良くはなかったのはご愛嬌。
構造や形状がCassinaから販売されているRefoloに似ていると思ったが脚部の形状が違ったので別のモデルか。
それともCassinaのものは後世でアレンジが加えられているのだろうか。


サイトウマコト

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溶岩が蠢くようなマチエールと鮮やかな色の重なりが魅力的だった。
現物を見ないとこの魅力はやはり伝わりづらいか。

許寧(シュ・ニン)

Starting with a Tear – HISTORY 2022
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以前、多摩美大在籍時代の作品を図像で見たことはあったが、現物を見るとレイヤーが幾重にも重なる中にゴテゴテの絵の具と繊細に描かれるさまざまなものが複雑に絡み合いながらキャンバス地の部分も含めて奥行きのある空間になっていた。
なんだかインドの混沌とした旧市街に迷い込んだ時のような感覚を思い出した。

その他、それぞれの作品の文脈は違えど会場全体を通して名作椅子や名作家具も含めて竹内氏の好みや審美眼が垣間見れた。

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