見出し画像

クリエイティビティと負けず嫌い

兄が突然思い立ち、ものすごい集中力とともにオリジナルすごろくを作り上げた。オリジナルトランプ、オリジナルウノ、オリジナル迷路などなど、小さいころからルールを自分好みに変えたゲーム作りが好きだった兄。成長とともに勉強タスクが増え、自由に創造力を働かせる時間を奪っているせいか、衝動的なクリエイティブ行動はあまり見られなくなってしまった。久々のアイデア降臨。2時間かけて仕上げた渾身のすごろくを、家族でプレーすることになった。

兄のオリジナルゲームの面倒なところは、ルールが煩雑であることだ。すごろくの基本ルールに加え、チップという名の紙が用意され、チップがプラスになるマスと、マイナスになるマスを進みながらチップのやりとりを重ねる。サイコロ交換マスでは、15とか26とかの大きい数字だけのサイコロや、マイナス入りのサイコロなどにチップを使って交換できる。他にもコインというものがもらえるマスもあり、チップ3枚と交換するとのこと。ゴール時にコインを多く持っている人が勝ち。マリオパーティーでいうところのスターである。一番の難関はゴール手前の最後のマス。6が出ないとゴールできないのだ。1〜5であれば、かなり後ろのマスに戻る羽目になる。

最初にたどり着いたのは弟だった。ハンデをつけまくった結果、一番乗りしてしまったのだ。6分の1の確率でゴールできるのか。弟がサイコロを振る。5だ。弟は泣き出し、ちゃぶ台返しならぬすごろく板返しをしてしまった。怒る兄。泣き喚く弟。1時間以上かけてやっと終わりそうだったのにと嘆く夫と私。何とか兄弟の和解を取り持ち、プレーを再開させる。弟はふくれ面のままなので、甘々のハンデをつけていたところ、またしても弟がゴールに王手をかけてしまった。サイコロに念を込める弟。今度は頼むぞと祈る3人。出た目は6。「よっしゃー!」 負けず嫌いが笑顔になった。あぁよかった。

兄が第二弾を作り上げた。今度はカードというアイテムが増えたらしい。サイコロの数も2倍に増えている。素晴らしいクリエイティビティだ。今度は何が起きてもいいように、時間がたっぷりあるときにやろう。

この記事が参加している募集

育児日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?