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子どもが生まれてから、初めて二晩寝込んだ話

先週末、コロナワクチン2回目を接種し終えた。

1回目は「腕が肩より上にあがらない〜」という痛みと、軽い倦怠感を覚える程度の副反応で終了したが、なんとなく、2回目は発熱する予感があった。

しかも、夫の会社の職域接種に便乗させてもらったので、接種日時に選択肢がほとんどなく、夫と同日・同時刻に打つことになった。ふたりして発熱する可能性も無きにしも非ず。

なので、接種日が決まってからは、逆算して予定をこなし、事前に食料・飲料を買い込み、接種する木曜と、翌日の金曜は予定を空け、そのまま週末に突入するという万全の体制を敷いた。

さて、当日。

夫の社内にて、到着するや否や問診を受け、接種は淀みのない流れ作業でサラッと終わった。その際、「2回目は発熱等の副反応が出る人が多いので、無理しないでくださいね」と医師に念を押され、目を見開いた。「やっぱりそうなんだ。私、このあと熱出るんだ・・・」との思いが頭を駆け巡った。

今思えばこのときから、「私は発熱する、私は発熱する、私は発熱する・・・」と、自己暗示をかけていたのかもしれない。医者の言葉をどうも丸呑みしてしまう節がある。お医者様も神ではないのにね。

待機中に気分が悪くなり、運ばれていく女性もいたが、こちらは夫婦ともに特に問題はなく、到着から30分もしないうちに接種会場を後にした。

夫はリモートワークを中抜けしての接種だったので、出社しているのに、「さっさと家に帰って仕事を再開しなければ」というおかしな状況だった。

私も発熱を「今か!?今なのか!?」と待ち構えているおかしな心境だったので、ふたりで足早に帰宅。夫はすぐに仕事に戻り、私はまだ昼だけど、来る発熱に備えて夕飯を作り始めた。

帰宅から5時間後、体がポカポカしてきた。

体温計をガサゴソ。検温結果は37.2度。

「キター!」

夕飯前に入浴をサッと済ませ、こしらえておいたハヤシライスをガッツリ食べ、「熱よ、どんと来い!」と威勢よくしていたら、いきなり歯がガクガクしてしまうほどの悪寒に襲われた。

「キ、キターーー!」

文字通りのガクブル状態になりながら、寝室で仕事中の夫を追い出し、慌てて寝床を整える。検温すると、38.9度。1時間以内に1度も上がったのか。熱が上がるときって、こんなに唐突なのね。

でも大丈夫。準備は万全である。カロナール200mgを処方通り2粒飲み込み、20時半に眠りについた。

22時近くまでは眠れたが、その後、火照りが止まらず、なかなか寝付けなかった。次のカロナールは2時半くらいの予定だし、とにかく寝るしかない。でもつらさが増し、眠りに落ちることができなくなり、寝床の上をゴロゴロ、ゴロゴロして時間を持て余した。

あまりにもしんどくて、23時ごろに検温。

39.0度。

カロナールが効いていない!

トイレに向かおうと歩き出すが、足取りがおぼつかない。体が熱くて仕様が無い。このまま布団に入り続けても良くなる気がしないけど、カロナールを飲むには時間が早すぎる。

朦朧としながら、カロナールについてスマホで検索。調べては、腕を下げて目をつむり、調べては、腕を下げて目をつむり、を繰り返しながら探した中で、このサイトを信用しようと決めた。

時間は翌日の1時。

検温結果、39.6度。

このままじゃダメだ。

再度カロナールを飲むと決め、今度は3粒にしてみた。4粒にするかかなり迷ったが、3粒。こういうとき、慎重派の性格が出るなと思う。

次に目覚めたのは5時半だった。4時間も眠れたのだから、カロナールが効いたに違いない。体温計を見ると、38.4度。よっしゃ、効いてる。

しかし、8時になると再びフラフラになり、熱は39.2度まで上がっていた。ここは迷わず、カロナール3粒。38.5度まで下がった。

昨夜は38度台でもつらかったのに、一度39度台を経験して、38度台に帰ってくると、ラクに感じるから怖い。高熱の体への負荷は、凄いものがある。

その後、夜まで38度台をウロウロ。結局、次の日の晩も、寝込み続けることになり、解熱できたのは接種から丸2日後だった。


一方、同日・同時刻に接種した夫。こちらはピンピンしていた。

接種翌日、「俺も熱出たわ・・・37.7度」と一度だけ言ったので、39度台の人によく言えるなと思いながら、「ちょっと寝た方がいいよ」と優しく声を掛けた私は、エライと思う。

たった1時間の昼寝で、夫はすっかり平熱に戻り、家事と子どもたちをすべてお任せできた。ありがたや、ありがたや。

思い起こせば、子どもが生まれて以来、二晩も家事育児をほったらかして寝込むなんてことはなかった。

胃腸炎で一家全滅になりそうになったときも、自分は自分で出すもの出しながら(失敬)、点滴を入れてもらい、服薬でごまかして、寝込む家族の世話をしていたものだ。

子どもたちが幼かったころ、夫がほとんど家にいない生活だったのもあり、「自分が倒れてはならない」と、常に緊張の糸を張っていたのを思い出す。

弟が生まれ、実家から自宅に戻ったとき、週の終わりに体力の限界が来て、毎週金曜日、微熱が出るのに悩まされたときもあった。

それでもすっぽんぽんで、3歳児と赤ちゃんの入浴を介助しなければならなかったし、3時間おきの授乳もやめられないわけで、私の辞書に「寝込む」の文字はなかった。

それが今や、二晩も寝込めるようになったのだから、人生の歩みは間違いなく前に進んでいる。

リモートワークのおかげで、夫は家におり、家事を肩代わりしてくれる。子どもたちも自分でできることが増えている。「私が寝込んでも、家族は日常生活に困らない」というのを、目の当たりにする良い機会になった。

副反応が、この10年の生活の変化、子どもたちの成長を実感させてくれた。ありがたや、と思えば、しんどかった2日間も有意義に思えてくる。でも、巷でウワサされる3回目に思いを馳せると、今からちょっと憂鬱だな。

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