お彼岸参り

今日は彼岸の入りである。残念ながら熱心な仏教徒ではないのだが、お寺の檀家である実家では、お彼岸やお盆などでの御先祖様の供養を忘れない。春のお彼岸参りはコロナの影響で自粛したので、今日は久々に親族が集まった。と言っても、いとこ家族は都外に住んでいることを理由に、今回も不参加。近くに住む妹たちの家族が集合して、総勢11名でのお参りとなった。

それでも直近の半年間で見ると、かなり人が集まっている。密にならないよう気を付けねばならない。

墓は歩ける距離にある。いつもなら実家から親族がぞろぞろ出てきて、ペチャクチャ近況報告をしながら歩いていく。だが、それは今の空気には似つかわしくないので、2〜3人のグループになり、順々に家を出てお寺で合流することにした。

コロナのせいか、はたまた雲行きが怪しかったせいか、墓地は閑散としていた。我が家ともう一軒くらいしか人は見当たらない。実家の墓は、左右ぴっちりとよその家の墓があるので、もしおとなりもお参りに来ていたら、ソーシャルディスタンスの確保が厳しかっただろう。

幼稚園は未だ分散登園があるが、『分散参り』なんてことも、お寺は考えたりしたのだろうか…(ないかな笑)。墓参りは高齢者も多いし、次の春のお彼岸ではそんなお知らせがあったりすると、狭小墓地でもお参りしやすくなるのではと思う。

母が先に花を生けてくれていたので、水をかけて、線香をあげる。水かけは昔から子どもの役目。子どもが生まれるまでは、いくつになっても自分が子どもだったので、何十年と水かけ役を担ってきた。兄が嬉々として水かけをするようになって、やっとお役目を後進に譲ることができた。

兄と弟がせっせと水をかけているうちに、線香を皆に配る。今日は風が穏やかで助かる。風の強い日は、線香束がたいまつのように燃えてどうしようもない。アッチッチッと慌てているうちに燃え尽きて、もうひと束買う羽目になったときもあったな。

過去の秋のお彼岸を思い返すと、いつも同じ時期なのに、恐ろしいほどに暑かったり、季節が進みすぎて寒かったり、強風が吹き荒れたり、秋雨前線のせいで大雨だったり、さまざまな光景が頭を巡る。そして、墓前に集まるメンバーも徐々に減っていき、実家から墓に向かってぞろぞろ歩く集団の先頭にいた最愛の祖母も、今はこの墓に眠る。

祖母たち御先祖の安らかな眠りと、家族をお守りくださるようにとお祈りして、次は子どもたちの番。すると弟が、祈りのポーズのままでなかなか目を開けない。何をそんなに一生懸命お祈りしていたの?と尋ねてみると、「ながいきできますようにっておねがいしたの!」との答えが返ってきた。

ひいばあちゃん、雲の上で笑ってるだろうね。



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