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5分で読める、D2C入門!コスメ×インフルエンサーを深堀【中国リサーチメモ】

【D2Cとは】

「D2C」とは「Direct To Consumer」の略です。
メーカーが直で顧客と売買取引するビジネス形態を指します。

販売のチャネルとして「インターネット通販(EC)」がすっかり定着した昨今、
最早、販売チャネルはECのみでも成立する!ということで、
製造から販売まで一貫する企業が増えてきたわけです。

そして、ECの最大のメリット
「初期投資が少ない」
に目を付けたスタートアップが、
最近になってメキメキと成長してきているのです。

1、中国の独立ブランド化粧品はイマドキのマーケティングで人気を獲得

新しいブランドにとって、スタートダッシュの鍵はインフルエンサーとコンテンツマーケティングだ。今年7月発売の新ブランド「moon seem(極地之悦)」は、コンテンツマーケティングに加えてアプリ「快手(Kwai)」や「TikTok」などの新しいプラットフォームも活用している。

2、唯美美妆 Pre-Aラウンド融資1,500万元 ミニプログラムでメイク達人がEコマースを実現

ソーシャルECは、ほかのEコマースの形態では難しかったショッピングアドバイザーとしてのニーズを満たすことができる。昔ながらの販売員から、現在のKOL(Key Opinion Leader:キー・オピニオン・リーダー 訳注:インフルエンサーのこと)にいたるまで、ビューティコスメはより専門的なグループでプレゼンテーションする必要がある。ユーザーに効果を認識させ、それによって消費を刺激するのである。影響力の大きなKOLになるのは実現しがたいが、すでにますます「メディア」化しており、ファンの数が多くなればなるほど、一つの商品のみを購入するということはなくなるだろう。ソーシャルEコマースが取り込んだのは身近にいるメイク達人であり、彼女たちは友達の間では「際立った存在」のグループで、個人ユーザーに対する影響力はさらに強い、と劉瑞美(Andy Lau)は36Krに語る。

類似するモデルではブランド在庫代理販売の「好衣庫」「愛庫存」が億単位の融資 を受けたことがある。さまざまなものを販売する「好物満倉」(北京拍店電子商務有限会社が提供するショッピング用ミニアプリ)やニッチ市場であるフィットネスの「O2スポーツ(氧星运动)」なども同様である。唯美美妆(Vmei.com)もまた、専門かつ垂直統合型のビューティコスメ分野で融資を受けた。

・ビューティコスメ部門は専門のEコマースが必要である。中国産業ネットデータは2011年から2016年の間にビューティコスメEコマースの浸透率は5.2%から20.6%に増大し、業界も30%以上成長し、マーケティングスペースは巨大であることを明らかにした。早くからビューティコスメで企業したVipshop(唯品会)やJumei(聚美优品)は、次々とファッションやベビー用品などを展開している。だが、現在のビューティコスメの消費者はより専門的に変わってきており、プラットフォームの品ぞろえがすべてそろっていることを求めている。例えば、ある口紅の種類や、国外のネットでの人気の新商品など、垂直統合型プラットフォームが一つの商品部門をより深く掘り下げることで、ユーザーの定着性もより強くなり、チャンスもさらに出てくるだろう、と劉瑞美(Andy Lau)はここ何年かで市場の勉強をしたことを踏まえて、このように考えている。

3、Z世代の台頭で変わる化粧品のマーケティング

Z世代はコスメブランド全体に大革新をもたらしており、ブランドは商品、宣伝、チャネル、ブランド、組織の5つの分野で刷新する必要に迫られている。

1.商品の刷新
今後の商品には以下が必要となるだろう。
・商品の包みを開けた時、シェアしたいという衝動を感じられるコンテンツ性。
・モーメンツで紹介されて商品の価値が高まるソーシャル性。
・自分のキャラクター確立に役に立つキャラクター性。
・単独商品ではなく、カテゴリ全体に焦点を当てて、可能な限りユーザーを取り込むブランド性。
2.宣伝方法の刷新
広告とは消費者に見せたいもの、コンテンツとは消費者が見たいものである。受け手の視点に立つのがコンテンツマーケティングだ。
現在、化粧品業界には360を超えるコンテンツマーケティングのプラットフォームがある。異なるコンテンツに応じて様々なプラットフォームが生まれているので、全方位に対応できる。
商品のソーシャル性において基準となるのがインフルエンサー(KOL)だ。プロモーションしたいとインフルエンサーに思ってもらうことが、コンテンツマーケティングにおいて重要だ。
2019年にコンテンツマーケティングは爆発的に増加するとみられる。今後はコンテンツマーケティングがブランドの将来を左右するだろう。
3.チャネルの刷新
化粧品販売ではオンラインが最大の販売チャネルになる。そのため、 ECモール「天猫(T mall)」、ソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」、「淘宝(タオバオ)」代理販売の3つの分野に力を入れる必要がある。
特に天猫と淘宝は、ユーザーのニーズで補完関係にある。また、立ち上げ直後に淘宝で一定の規模に成長した後、天猫でさらに消費者を獲得するというリレー方式でブランドを育成することができる。
4.ブランドの刷新
2018年は、ユーザーメインで、インターネット上で成長を遂げた新鋭ブランドが数多く生まれ、新鋭ブランド元年とも言われた。
新鋭ブランドには3つの重要な成長段階がある。第一段階はアクセス数を集め、コンバージョン率を高めること。第二段階は商品を浸透させ、ブランドニーズに合わせてカテゴリの拡大を図ること。第三段階はブランド価値を形成すること。このプロセスで、ブランド管理の中核となるのが商品、アクセス数、コンテンツの連携であり、この三位一体こそがブランド運営なのだ。
5.組織の刷新
古い組織から新しいブランドは生まれない。成功の鍵はデータ分析に基づく商品のセレクト力、コンテンツやユーザーの運営能力だ。これらの能力を社内で生み出すことが競争力につながる。ビジネスの原動力となるのはブランド浸透力を高めることだ。また、新規ユーザーを常に獲得しなければ長くは続かない。これもZ世代が教えてくれたことだ。

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※D2C、検品が大変
※中国、REDとかもコスメ強そう



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