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《フランス「ワ旅」いちにちめ》渡仏準備とフライトワイン、そしてちょっとパリ

フランスのワインを巡る旅、フランス「ワ旅」に行ってきました。

こちらのダイジェスト記事でその全容をざっくりご紹介しましたが、実はこれ、旅の1割くらいしか言えてないんです…!まじか。

ということで、ここからは旅の工程に沿って、ゆっくり筆を進めてまいります。
おもにワインの話に焦点をあてますが、ときどき雑談も入ります。というか雑談がほとんどです。ともに旅をしている気分で、のんびりご同行いただけますと幸いです🍷

それではいよいよ旅に出発!……する前に、まずひとつめの関門、渡仏準備からはじめてまいりましょう。これが大変だったんだ、意外と…!

渡仏前のハードル、PCR検査予約

さて、コロナ禍における日本からの海外渡航において、最初のハードルとなるのがこれ。「海外でのPCR検査、どうするか問題」。

日本からの出国時、あるいは海外への入国時の規制は、多くが緩和もしくは撤廃されています。
参考までにフランスは、入国時の規制は「一切なし」(2022年8月~)。感染者数増加まっただなかの日本から向かったわたしとしては、「え、いいの?あたし、入国しちゃうけど??」って思ったほど。

実際、例のごとく不愛想な入国審査官(※そういうお仕事です)に、パスポートを見せてたどたどしく「ボンジュール?」と挨拶するだけで、あっけなく入国が完了しました。え、ほんと?大丈夫?あたし入国しちゃうけど?!

そんな中、今もっとも厳しいのは「日本に帰って来ること」です。

現地で、「帰国の72時間以内」にPCR検査(有料)を受け、「厚労省の定めるフォーマット」で陰性証明を受ける必要があるんですが、これがまた厚労省のホームページも外務省のホームページも、大変にわかりにくい(あるある)。
いくつかのブログ記事を参照しながら、「たぶんこうだろう」というところまで行きつきました。

それが、パリ郊外にある「アメリカンホスピタル パリ」でのPCR検査。
医療機関ですし日本人セクションもあるので、検査で陽性が出たとしてもなんとかなる確率が上がるだろう、と踏んでのチャレンジです。

なんせ2年半ぶりに日本を出るので、さすがに海外っぽすぎるのはちょっと心配。無鉄砲に見えて意外と小心者のますたや夫婦、こういうところでちまちま「安全」を選んでいきます。

予約フォームを確認すると『このメールアドレスに、メール(仏語・英語)を送ってください』との記載が。
ふむふむ。なるほど、メールでいけるのか、と、安心してメールを送るますたや家。数時間後、きちんと返信が返ってきます。

『Hello, Masutaya(仮名)。メールをありがとうございます。現在、メールでの受付は行っておりません。こちらまでお電話ください。』

・・・いや結局電話やないかーーーい!

仕方なくフランスまで電話をかける夫(英語)。すると親切なフランス人から、『OK!それなら、日本人セクションに電話してね!』との助言が。

なるほど、日本人セクションなら日本語だから安心ね・・・・などと言われた通り電話をかけると、『え?!どうしてこっちに回したのかしら!?もっかいさっきのところにかけ直して!』と、なかばパニック状態のお返事が(日本語)。

うん、なんか…大変なんだろうな。観光客増えてるだろうしね、わかるよ。お疲れさまです。

・・・・いや、とりあえず誰かうちの予約受け取って!!!!

というわけで、若干のたらい回し感に右往左往しましたが、最終的にはなんとか予約が取れました。
その後SMS通知で受け取った予約名はふたりとも間違えられていましたが、たぶん、まあ、なんとかなるんでしょう。たぶん。

・・・・なるほど、フランス、おぬしさては自由な国だな・・・!?

このやりとりが、渡航2週間前。ひさしぶりに「海外の洗礼」を受けるますたや家。
そうだったそうだった、海外、だいたいこういう感じだった…!この謎解き感、海外って感じがする…!と、俄然「フランス」が現実味を帯びたひとときだったのでした。

うーんなるほど、この旅、いろんなことが起こりそうだ…!(フラグ)


なお、インターネットで調べると「PCR検査予約代行」なんていうサービスもあるようですが、これ、ものすごく高いです(ひとり数万円かかります)。

ある程度英語ができる場合(もしくは、近くにある程度英語ができる知り合いがいる場合、わたしのように。)は、ご自身での予約を超オススメします。
フランス人、めちゃ親切でしたよ。英語ゆっくりしゃべってくれるし、逐一「Perfect.」って褒めてくれるので、鼻高々でした😊(定型文)

さあ、いよいよ、旅立ちです!

フライトとワイン

さて、今回のフライトは14時間という長旅です。
実は経由地を入れるともう少し渡航費は安くなるのですが、その代わりフライトがのべ24時間とかかかります。今回は(コミケまでに帰国するという)ミッションを背負っての弾丸旅でしたので、直行便でパリへと向かいました。

2年半、焦がれ続けたこの光景。

ここから飛行機のタラップへ
PARIS(CDG)……!!

ちなみに、わたくしますたや、飛行機は正直苦手です。

というか、かつては飛行機に乗りたくなさ過ぎて、海外なんか絶対に行かないと言い張っていたくらいなのですが、2014年に夫がベトナムに移住したせいで海外を勝手に飛び回るようになり、なかば無理矢理連れられて、わたしも日本から出ていくようになったのです。

そうすると、元来新しいもの、知らないことが大好きなわたしは、海外で見る風景、出会う人、肌で感じる文化が、やっぱり大好きになったんですよね。ちょろい。
特に東南アジアの国々は、わたしの心をつかんで離しませんでした。あのゆるさ、衝撃的な文化、雑然とした街には、今でもずっと恋焦がれています。
ああ、飛行機を降りたときの、あのむわっとした熱気と甘ったるい香りといったら…!

というわけで、いまだに飛行機にはできるだけ乗りたくないものの、それでも海の向こうが見たくて、仕方なく空を飛んでいます。
飛行機には、できるだけ安定飛行をして欲しい。できれば、なんかこう、揺れを吸収するサスペンションみたいな座席を作って欲しいです。(ANAさん、JALさん、よろしくお願いします!)

いってきまーす!

さて、ロシア上空を飛べない現在、欧州線はぐるっと地球を迂回します。地球って迂回できるんだね。
飛行時間が伸びるのはつらいですが、なんと北極のうえを飛んでいくんですよ。北極って…ほんとにあったんだ?!

北極なう
ひたすら太陽と氷の大地。よく見ると、氷の裂け目が見えています。ほ、北極だ~!

北極を通りすぎると、今度は岩と雪だらけの、グリーンランド上空へ。

窓に張り付くわたしに、客室乗務員さんが「ここはグリーンランドなんですよ」と優しく諭してくださる。遠足の小学生感…!

そして機内のお楽しみといえば、もちろん機内食、アーンド、ワイン!です!🍷さっそく~!

JALの機内では、マスターオブワインの大橋さんと、ワインテイスター・ソムリエの大越さんが、フランスのワインメーカーと共同開発したという、オリジナルワインが提供されています。

それがこちら。

ふたりのイケオジがたたずむエチケット
味わいとしては、南のグルナッシュ・シラーが多めでちょっとメルロー入ってます、みたいな感じ。フレッシュ&ジューシーでちょっと甘やか、角がなくまろい風味。誰でもとっつきやすい雰囲気です。なかなか美味。
白ワインも飲みます
なんか、南仏系のブドウいろいろ入れてバランスよくしといたよー!っていう味。素直に美味しくてごくごく飲んじゃう。

機内食を食べながら、どちらも美味しくいただきました。うーん、旅の醍醐味!

うしろのほうの座席に座ると、チキンorビーフの選択の余地はありません(ハンバーグ売り切れ)
(たぶん)朝ご飯。朝からワインを飲む贅沢。飛行機に朝も夜もないけど。

ちなみに今月号のJAL機内誌には、余市ワインの特集が乗っていました。これは国内線も同じなはずなので、読まれた方もいらっしゃると思います。

いやあ、ワ旅に向かう機内でのワイン特集、幸先がいいじゃないですか…!

小布施さんよりはメディアに出てくれる、余市さん(兄弟)
日本ワインもまた巡りたいですねぇ…!

乗り物で全然眠れないタイプのわたしは、時差ぼけ対策のために市販の睡眠薬を飲んでうとうと。これ、結構よかったので次回の旅でもやりたい。たぶん気の持ちようなんだけど(市販の眠剤は成分が軽いので)、「眠れる薬を飲んだんだ!」っていう、プラセボ効果がすごい。ちょろいぜ、わたし。

あとは機内誌をめくったり、ワインを飲んだり、窓の外を眺めたり、お気に入りのポッドキャストなんかを聞いたりしてるうちに、ついにフランス上空に到着です。

こっから先はフランス!

一時、気流の乱れでかなり揺れたのと、下降時の上下の揺れが強くて機内が「おおっ」とざわめいたりもしましたが(でもいちばん声がでかいのはわたし)、基本的には安定飛行でフランスの大地に降り立ちました。

は~~~~長かった。お疲れ飛行機、お疲れ機長、そしてなにより、お疲れわたし!

シャルルドゴール(CDG)空港なう!
さっそくワインが気になる!(まだ我慢)

ところで細かい話ですが、今回私たちが宿泊した「モンパルナス駅」へは、CDG空港から直行のバスが出ている……はずだったんですが、どうやら現在は運航中止になっているよう。

それに気づくまでまたひと悶着あったんですが、結局「オペラ座」行きの直行バスにのり、オペラからメトロに乗り換えました。
地下鉄でパリにも出られるのですが、18区-20区を通る地下鉄はちょっと治安が悪いので、慣れないうちは避けたほうが安全かな、という判断。

おかげで初日から「パリっぽい」ところが見れました

こんな感じで、今回、事前に調べてたけど現地に行ったらなかった!みたいなことが、結構ありました。コロナでいろいろ事情が変わっていそう。ここ2年ほどのインターネット上のフランス情報も、どうやら更新されていない模様です(そりゃそうだ)。

ということで、今のフランス、事前に調べるのはもちろんですが、ある程度現地での謎解きが必要になります。
まあ海外ってだいたい謎解き感あるんですが、その都度ストレスではありますよねぇ、いったん不安になりますし。しかし東南アジアならまだしも、まさか世界の大都市パリがこんなリアル脱出ゲームみたいだとは予想外でした。パリなのに?!

このあとまだまだ旅は続きますが、そんなわけで今回、基本謎を解いていくタイプの旅です。
世界は知らないことだらけ。たとえばパリが「リアル脱出ゲーム都市」だなんて、全然知らなかったよあたしゃ…!

パリで駆け付けワインを1杯

お宿についてほっとひと息ついたあとは、晩ご飯に繰り出しました。
パリは午後8時。でも、ぴっかぴかに太陽が輝いています。

体感、4時半くらいの太陽

今回の旅は、ご飯は基本、現地で調べるスタイル。なんかあるやろ、という感じで向かいました。
いちおう周辺のお店はグーグルマップで調べるんですが、なんかフランスのレストランのグーグルマップ上の評価って、やたら高いんですよねどうして……?

フランス人が基本「★5」をつけがちなのか、そもそもネガティブ評価をしないのか、それともまじで美味い店ばかりなのか、なんか平気で「★4.8 評価700人」みたいなお店があちこちにあって、基準がよくわからなくなってきます。東京でその感じだったら、連日予約で入れないと思うけど…?!

でも、確かにこの旅で出会ったレストラン、まじで全部美味しかったし居心地よかったんですよねぇ…あながち間違いではない可能性が微レ存の、フランスのグーグル評価。うーむ、なんという食の桃源郷!

というわけで、フランス最初の夜も、適当に歩いて見かけたレストランに入ってみました。どきどき。

あ、そうそう。さすがというかやはりというか、フランスではほとんどのレストランでワインが提供されていて、もちろんみんなワインを飲んでます🍷やったね!!🥂

楽しそう~~!

うかがったのはこちら。LES ROUQUINSさん。

最初はほとんどフランス語が読めないので(※慣れてくると必要なところだけ読めるようになってきます)、スマホで検索しながら料理を頼みました。

あとで気づきましたが、どうやら南仏のヴァンナチュール系ワインのお店だったよう。

ラングドックのワイン地図

店員さんもフレンドリーで、気軽で陽気で楽しい!

駆け付け一杯!
気軽なお店ですが、ちゃんとホストテイスティングもありました。し、知っといてよかった…!(なに言われてるかはわからなくても、なにを求められているのかはわかる生存本能)

出て来る料理がこれまた美味しくて早速感動。感動のハードルがさがってる感ハンパないけど、このあとも感動し続けます。ついてきてください。

魚のマリネのマスタードあえが、ワインに合って大変に美味!夫が超お気に入りでした。
フランス名物、エスカルゴ!

ところでエスカルゴって、なんか中に引っ込んじゃって食べられなくなったのが3つくらいあったんですが、みんなそんな感じですか…?
途中から「中に引っ込まないように気を付ける」ようになりましたが、結局3つくらいはどうしようもなかったです。どうしたらいいの?殻を割ったらいいの?こぶしで??

なんでも教えてくれるグーグル先生ですが、「引っ込んだエスカルゴの食べ方」は教えてくれませんでした。次にフランスに行くまでには、解決策を探しておきたいです。(もしくは針金とか持って行きます)


というわけで、1日目はこんな感じでお宿に戻りました。ふう、ひと段落。まだまだ街には慣れませんが、「どうやら、やたらめったらに怖いことは起こらないぞ…?」と、恐々足を踏み出した感じです。フランスをなんだと思ってるんだ…!

しつこいようですがますたや家、落ち着きはないですが、鬱陶しいくらいの慎重派。一見、余裕ぶっこいて見えますが、内心おっかなびっくりやってます。

さあ、おっかなびっくりはじまった旅も、いよいよ明日はボルドーに向けて出発です!

果たしてボルドーとはどんな街なのでしょうか。どんな出会いがあり、どんなできごとがあり、どんなワインとの邂逅があるのでしょうか…?!

乞うご期待😊🥂

▶フランスワ旅 ふつかめ

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■ ますたやとは:

関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel2を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

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