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デザインを言語化する(ように試みる)

私はグラフィックデザインの仕事に就いて
23年くらいになります。
「くらい」という中途半端な表現には意味がありまして。。
卒業後、化粧品メーカーの企画室に在籍した数年後、
(超)田舎の工場に転勤を言い渡されたことをきっかけに辞めて、
グラフィックデザインを働きながら学び、目指していたため
どうもスタートの位置付けが曖昧なのです。
(そうそう。当時は、ろくにMacを使えなくて
1週間で会社を首になったこともありました。笑!)

そして今年のコロナ禍。
思いがけず自分と向き合う機会になりました。
今までの仕事の取り組み方、成果、評価や
デザイナーとしての長所短所、評価などなど。

今までの私は、気が向いたらSNSでワークをアップして
皆さんに広めていただき、知っていただく機会になってはいたのですが
能動的に何もアクションしていなかったことに
今さらながら気づきました。
私の造形物を知っていただいていても
考え、プロセス、取り組み方、性格など
自分から何も発信していないことを。

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とはいえ。デザイナーがどんな人か、
知らなくても仕事が成立する時代です。
この数年、ロゴマークを定形化した販売や、
数十数百の案が提案されるサービスなど
発注側と受注側のスピードやコスト等、効率化の都合で
適切化されたように見えるデザインのビジネスが増えました。
この動きは否定できないし、然るべき招いた状況であり
ある意味、人力のAI化が進んでいると私は見ています。
よく、AIに代わってなくなる仕事の例が挙げられる中で
グラフィックデザインはなくならない方に唱えられていますが
ロゴマークに関してはAI化されるのはそう遠くないとも思えます。

「然るべき招いた状況」というのは
デザイナーがデザインを言語化より視覚化を優先し、
本質的な役割を世間に周知してこなかったこと。
周知しなくても成り立っていたのは
視覚化が特別なものと敬われた時代が長かったからですが
昨今ではソフトウェアの進化で誰でも造形できるようになり
業界は価格崩壊と共にカオスな状況になりつつあります。

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そもそも「グラフィックデザイン」の業務はロゴマークなど
造形をつくるだけではありません。
本来は、課題を本質的に発見、解決するための行為であり
その方法は造形ではない場合だってありえます。
発注側には多様な状況や環境があり、
お一人お一人悩んでいる内容や個性も違います。
その悩みに、協働でデザイナーが関わり、丁寧に
多様化に対応できるのは、AIではまだ難しいという前提で
我々がやるべき事はまだまだあると、思っています。

長くなりましたが、そんな社会状況と
自身のこれまでの怠慢を重ね合わせて「言語化」を試みてみます。
デザインにまつわる私の考えや活動、ワークスのプロセスなどを
継続して(←ココ大事!)綴っていきたいと思います。

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※グラフィックデザインにまつわる言葉やテーマを109人が解説した本。
私もAIについてなど複数寄稿しています。

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