情報工学部門の技術士がフリーランスとしてどんな仕事をしているのか?
IT業界で働いていても、あまり知られていない資格に「技術士」があります。建設や機械、電気電子や農業など21の部門に分かれている名称独占の国家資格で、その一つとして「情報工学部門」があります。
建設部門などの場合は、技術士の資格を取得している人が社内にいないと入札に応じられない、建設コンサルタントの登録に必須である、など実務に役立つ資格だと言えます。
一方、ITに関する情報工学部門では必要性を感じられない、という人も多いかもしれません。そんな中で、情報工学部門の技術士としてどのような仕事をしているのか、個人的な仕事内容を紹介します。(あくまでも個人的な仕事内容ですので、他の技術士の皆さんがこのような仕事をしている、というものではありません。)
システム開発やコンサルティング
主に中小企業に向けてITシステムの開発やコンサルティングを行っています。中小企業の場合、どのようなシステムを導入すればいいのかわからず、とりあえずExcelなどで管理していることは珍しくありません。
ただ、手作業が多く、効率よい作業をできているとは言えない現状があります。かといって、大手のSIerなどに依頼する費用を捻出できるわけではなく、事務管理のシステムなどでもどういったものを選べばいいのかわからない、誰に頼めばいいのかわからない、ということは少なくありません。
そこで、ネットワークの構築からシステムの選定、場合によってはシステム開発まで行っています。例えば、以下のようなシステムを開発したりしています。
・在庫管理システム
・勤怠管理システム
・顧客管理システム
・請求管理システム
・会計システム
・画像管理システム
・…
特に、その会社に特化して効率よく作業できることを意識しているため、勤怠管理であればSuicaなどのICカード、在庫管理であればラベルプリンターでのバーコードの出力やバーコードの読み取りなどを活用しています。
しかも、これらをWebの画面を操作するだけで使えるように開発しています。(Suicaをカードリーダーにタッチすると即時Web画面に反映される、Web画面でバーコードボタンを押すとラベルプリンターからバーコードが印刷される、など)
フリーランスとして独立した視点で参加できるため、特定の企業の製品や技術にとらわれることなく、その企業に最適な仕組みを構築できるのが特徴です。
書籍や記事の執筆
私の仕事として、一般に見える形でわかりやすいのは書籍の執筆でしょう。
今まで、下記の書籍を執筆、出版しました。
・『おうちで学べるセキュリティのきほん』
・『プログラマ脳を鍛える数学パズル』
・『シゴトに役立つデータ分析・統計のトリセツ』
・『エンジニアが生き残るためのテクノロジーの授業』
・『プログラミング言語図鑑』
・『もっとプログラマ脳を鍛える数学パズル』
・『図解まるわかりセキュリティのしくみ』
・『プログラマのための ディープラーニングのしくみがわかる数学入門』
・『基礎からのプログラミングリテラシー』
・『IT用語図鑑』
・『Pythonではじめるアルゴリズム入門』
・『図解まるわかりプログラミングのしくみ』
・『ITエンジニアがときめく自動化の魔法』
・『Excelで学び直す数学』
・『プログラマを育てる脳トレパズル』
・『RとPythonで学ぶ統計学入門』
・『IT用語図鑑[エンジニア編]』
・『図解まるわかりアルゴリズムのしくみ』
・『基礎からのWeb開発リテラシー』
・『図解まるわかりデータサイエンスのしくみ』
・『「技術書」の読書術』
・『iPhone1台で学ぶプログラミング』
・『どうしてこうなった?セキュリティの笑えないミスとその対策51』
・『1週間でシステム開発の基礎が学べる本』
・『Obsidianで“育てる”最強ノート術』
・『実務で使える メール技術の教科書』
このように、ITに関する内容(プログラミング、セキュリティ、アルゴリズム、ディープラーニング、など)を中心に書籍を執筆しています。
その他、雑誌やWebに記事を書いていたり、教材の開発に関わったりしています。
以前はプログラミング腕試しサービスの「CodeIQ」で出題したりもしていました。
セミナーの開催、登壇
依頼をお受けした場合だけでなく、各種IT系の勉強会などでも登壇しています。だいたい年間20回程度、さまざまなところでお話ししています。
その他、さまざまなお仕事を行っていますので、詳しくは以下のWebサイトをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。
最後に「技術士(情報工学部門)」の紹介
上記で、私が行っている仕事の一部を紹介しましたが、いずれの仕事も「技術士」でなくてもできる仕事です。
ただ、ITに関する仕事を発注しようとするとき、その人がどんなスキルを持っているのか、なかなかわからないものです。そこで資格は一つの目安になります。
IT業界ではIPA(情報処理推進機構)が実施する「情報処理技術者試験」があり、多くのITエンジニアが受験しています。一方、この情報処理技術者試験で受験できる試験と比較した技術士の特徴として、「技術士会」の「部会」の存在があります。
技術士会では技術士や技術士補が集まって勉強会などを開催しています。技術士にはCPD(継続研鑽)が求められており、情報工学部門が勉強会を開催するだけでなく、他の部門と交流することもあります。
このように横のつながりがある、というのも技術士の特徴です。
情報工学部門の技術士でも、企業内で働いている方が多く、独立している方といえば定年退職してから、という印象ですが、「若い人が盛り上げていければな」と思う今日この頃。
ITエンジニアの皆さん、ぜひ受験して仲間を増やしてみませんか?
中小企業の経営者の皆さん、事務作業を効率化して業務改善をしたい、という場合は相談してみませんか?
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