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Chapter2 最初につくる3つの「夫婦ビジョン」

◎意見が対立したときは、第3の案を考えるといい 舛田光洋


 さて、今回の「どんな夫婦も幸せになる魔法の夫婦ビジョン」は、Chapter1が終わったあとに収録されているコラム「夫婦崩壊を招く5つの危険な時期」から始まります。

 夫婦の危機は人生で5回くるといいます。第1回目は、結婚という人生最大イベントを達成したあとだといいます。ふたりの共通ビジョンを実現したあと、つぎのビジョンを描くことができない場合、夫婦の危機がやってくるのです。
 いかに夫婦が共通のビジョンを持っていることが大切かということがわかりますね。

 そして、Chapter2では、はじめに作る3つのビジョンです。

 健康、家、趣味です。
 夫婦の重要課題である、子育て、仕事、お金から、はじめるとうまくいかないとChapter2の冒頭で言ってますね。
 たしかにそれはあると思います。
 子供の教育では意見が対立することがよくあるからです。
 夫婦ビジョンをつくる順番、ほんとうに大切ですね。

 先日、旅行のビジョンをふたりで決めるときに、「つぎの旅行地は」と提案しようと思ったら、妻が「アメリカがいい」といったので、「いや、じつは僕も今アメリカに行こう!と言おうと思ったところだよ」ということですんなり決まり、大変盛り上がりました。
 僕ら夫婦も長年ビジョンを共有してますから、行きたい場所もバッチリ一致します。
 
 ところが、話していくうちにどうも様子が違う。
 
「アメリカって、え?西海岸でしょ」と確認すると、妻は「何言ってるの。アメリカといえば当然NYでしょう」と「いやいや、ロスでしょう」「いやいやいやいや」ということで、旅行自体無くなりそうになったんですけど、結局両方行ったらいいんじゃないかということでまとまりました。
 もちろんレディーファーストでニューヨークからです。
 意見が対立したときは、第3の案はないかと考えるのも一つですね。
 
 それでは、この章の最後でお会いしましょう。
 まずは、コラムからどうぞ。


【コラム】夫婦ビジョンがなくなる5つの危険な時期

 夫婦のビジョンがなくなる危機は、大まかにいうと、人生に5回あります。
 しかも、ビジョンがなくなるのは、必ず、一つの大きなビジョンを達成したあとです。夫婦の共通目標を実現したあとに、次のビジョンを描くことをしないと、そこからふたりの関係は崩れていくのです。

危険な時期① 結婚直後
 少し前に、成田離婚という現象が話題になりました。
 海外へハネムーンに行って、結婚後一番幸せな時間をすごせると思いきや、その数日の間にいろいろなトラブルが起きて、「もうこの人とは一緒にやっていけない」と、帰国直後に離婚してしまうというものです。
 この場合、ふたりの最大のビジョンが「結婚式を挙げること」だったのではないでしょうか。しかし、結婚後のビジョンがなかったり、あるいは漠然としていたために、ハネムーンで相手のいやな面が見え、すれ違いが永遠に続くと考えてしまったのでしょう。結婚後のビジョンがしっかりと描けていれば、「今は完璧じゃないけど、目標に向けてがんばろう」と、思いとどまれるものです。

危険な時期② 子どもが生まれたあと

 ふたりの愛の結晶である子どもが生まれたにもかかわらず、夫婦がうまくいかなくなる
例もよくあります。「子どもが欲しい」というビジョンがあるうちは仲がよくても、誕生後の育て方や、夫婦の役割分担、経済的な問題など、プランがないと、言葉にできないようなプレッシャーがふたりに襲ってきます。
 夫婦にとっての大きな試練のときです。夫は、妻子を食べさせていかなければならないというプレッシャーが強すぎて、そこから逃げたいという感情が重なり、仕事に没頭し始める場合があります。世間的にも「子どもができて張り切っているな」と肯定的に見られるから、逃げの心は隠せるわけです。
 一方、妻は家に閉じ込められて、家事と子育てにがんじがらめになっていきます。育児ノイローゼとまではいかなくても、互いにプレッシャーに押しつぶされ、心が離れていく場合も。出産後のビジョンを共有していないと、夫婦関係が冷めてしまう危険な時期なのです。

危険な時期③ マイホームを手に入れたあと

 多少関係がギクシャクしていても、マイホームを持ちたいという結婚当初からの大きな夢がふたりをつなげているケースもあります。マイホームを持つという大プロジェクトに向かって、夫婦は夢を語り合い、一所懸命お金を貯め、不満やトラブルがあっても協力しながら乗り越えていきます。
 しかし、念願のマイホームを手に入れたあと、多くの夫は守りに入ります。多額の借金をするケースが大半だからです。ローンを返済するには、安定収入を維持しなくてはなりません。そのため、何かにチャレンジするような危ない橋は渡れなくなります。夫は、牙を抜かれたトラになり、オヤジ化していくのです。
 妻は、もちろん新しい家に住んだときはうれしいでしょうが、じきに慣れます。次のビジョンがなければ、飼い猫状態の夫に不平不満をつのらせていくでしょう。夫に男としての魅力を感じなくなって、セックスレスになる場合もあります。
 夫から見ると、いやなことがあってもぐっとこらえて我慢して、家族のために仕事をしているのに、妻は不満をぶつけてくるばかり。そんな妻に女性としての魅力を感じなくなっていきます。互いに、男として女として、魅力がなくなっていく時期です。

危険な時期④ 夫が仕事の成功をあきらめたとき or 仕事が成功したあと

 4番目の危機は、夫(あるいは妻の場合もあるかもしれませんが)の仕事にかかわるものです。家のビジョンを達成したあとに起こりやすいことでもありますが、夫の出世が見込めなくなったとあきらめたとき、夫の中から仕事の成功ビジョンがなくなると同時に、夫婦のビジョンも消えてしまいます。
 また、逆に、予期せぬ成功がやってきて、大金が舞い込んだりしたときも、夫婦ビジョンがなくなります。聞いた話ですが、整備工場を営んでいた夫婦に、宝くじが当たり、値万長者になりました。それからはご主人が働かなくなり、数年でお金はなくなって、離婚に至ったそうです。ふたりで整備工場を営んでいたときは、仕事の共通ビジョンがあり、仲よくやっていたわけですが、予期せぬ成功が逆に夫婦の仲を壊してしまった例ですね。夫婦どちらかが予想以上の成功を手にしてしまい、浮ついてしまったときもまた、夫婦ビジョンの危機といえるでしょう。

危険な時期⑤ 定年退職後

 最近、急増している熟年離婚が、この時期。定年退職までは夫が仕事に打ち込み、それを妻が支えるというパターンでした。 
 しかし、退職後のビジョンがない場合は、夫婦不和が起こります。定年後、もぬけの殻となりボーッとした夫が毎日家にいて、お昼ごはんまでつくらなければならない。ふたりで何かするわけでもなく、家に夫がいるので自由にすごすこともできず、妻はストレスをためていきます。
 ここで、たとえば「退職後も年に2回は旅行しよう」とか「毎日一緒に散歩しよう」などビジョンがあると充実した関係になりますが、ビジョンがない場合は、夫婦のすれ違いは大きくなっていくばかりです。

 以上に述べたように、ビジョンがなくなったときから、夫婦の不調和が起こるということがご理解いただけましたか。「うちはあそこからおかしくなったな」と気づいたかたもいらっしゃるでしょう。
 ここで大切なのは、ビジョンがなくなったときから、夫婦関係がうまくいかなくなっている現実を直視することです。そして、夫婦共通のビジョンを持つことができればまた、夫婦関係も見事復活することを理解してください。


Chapter2 最初につくる3つの「夫婦ビジョン」

◆「夫婦ビジョン」をつくる順番

 夫婦はビジョンがあればうまくいくこと、また、想像をはるかに超える夢の実現パワーを発揮することはおわかりいただけたと思います。とはいえ、「うちの夫婦ビジョンをつくろう!」と思っても、何から考えたらいいのか頭が真っ白になってしまうかたもいるかもしれません。

 そこで、自分たちや周囲の体験をもとに、「夫婦ビジョン」を7つのテーマに分けてみました。健康、家、趣味、子育て、仕事、社会貢献、お金です。ご夫婦で好きなテーマを選んだり、話しやすい順番から始めても、もちろんかまわないのですが、できれば、まず「健康、家、趣味」のビジョンをつくっていくことをおすすめします。

「なぜ?」「早く、夫婦の大きな問題となる、子育てやお金や仕事のことを話したい!」と思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。この3つから始めてしまうと、うまくいかないことが多いのです。
 その理由は、子育て、仕事、お金は、夫婦の幸せを決める重要な項目だからです。
 
 多くの夫婦の大きな目的の一つに、子どもを産み育てることがあります。また、生活していくにはお金が必要で、そのための仕事も大切ですよね。仕事が充実していて、生活に困らないお金があり、子どもがすくすく成長していれば、夫婦としても幸せです。

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