マガジンのカバー画像

アオマスの小説

159
どんな一面にも些細な物語が存在する。それを上手に掬って、鮮明に描いていく。文士を目指す蒼日向真澄によって紡がれる短編集です。
運営しているクリエイター

#サッカー

ラストシュート(ショートショート)

 試合開始一分前。俺は乾いた喉を水で潤して、この緊張感を落ち着かせる。このサッカークラブ…

蒼乃真澄
1年前
15

蒼いユニフォームを纏って 8

 あれから七年ほどが経ち、モーゼスは見事に夢を叶えた。  試合が終わった後、明日は休日だ…

蒼乃真澄
2年前
3

蒼いユニフォームを纏って 7

 モーゼスは再び校庭でサッカーができるようになった。 「僕も日本人なんだ。そう思えるよう…

蒼乃真澄
2年前
2

蒼いユニフォームを纏って 6

「真島。それは『差別』といって、絶対に言っちゃいけない言葉なんだぞ」  諭すように、それ…

蒼乃真澄
2年前
3

蒼いユニフォームを纏って 5

 ある日の帰り道。その日はポツポツと雨が降っていて、僕もモーゼスもまっすぐ家へ帰ろうとし…

蒼乃真澄
2年前
2

蒼いユニフォームを纏って 4

 来る日も来る日もサッカーに没頭していた僕らだったが、ある日突然、モーゼスだけが放課後に…

蒼乃真澄
2年前
2

蒼いユニフォームを纏って 3

 それから僕たちは放課後になると、毎日のように小学校にある校庭でサッカーに明け暮れていた。僕らだけでなく、クラスの生徒はもちろん、他のクラスの生徒や他学年の生徒まで、総勢五十人以上で校庭を元気に駆け巡っていた。  その中でも一際目立っていたのがモーゼスだった。彼は大地を猛烈な速さで走るヒョウの如く相手を抜き去り、ダンスをするようなステップでフェイントをかけて騙していく。そして隙が生まれたら、すかさず矢を放つような鋭いシュートでゴールネットを突き刺していった。 「やべえよ。

蒼いユニフォームを纏って 2

 それは桜が散って路肩にかき集められた頃。四年生になったばかりの僕がいた教室に、突如転校…

蒼乃真澄
2年前
3

蒼いユニフォームを纏って 1

『左サイドにはモーゼスが張っていた。さあ、ここから一気にドリブルで駆け上がるぞ。三人抜い…

蒼乃真澄
2年前
3