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アオマスの小説

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どんな一面にも些細な物語が存在する。それを上手に掬って、鮮明に描いていく。文士を目指す蒼日向真澄によって紡がれる短編集です。
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2022年1月の記事一覧

『ワンコイントゥモロー』 6

 俺たちは近くにあったフードショップでホットドックを二つ買った。お金を払おうとしたが、「…

蒼乃真澄
2年前
3

『ワンコイントゥモロー』 5

 園内にあるいそっぷ橋を渡り、不忍池でも眺めようと思ったとき、ふと『ある物』が地面で転が…

蒼乃真澄
2年前
3

『ワンコイントゥモロー』 4

 翌日。俺は八時に起床して九時に家を出た。十月の涼風が頬を撫でるように吹いて、心地良い気…

蒼乃真澄
2年前
3

『ワンコイントゥモロー』 3

「今日のカレー。ちょっと焦がしちゃったの」  テレビを見ながら母さんは小さく言った。 「…

蒼乃真澄
2年前
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『ワンコイントゥモロー』 2

 偶然にも、仕事場が通っていた高校の近くであるのはありがたいが、周りからは地元愛が強すぎ…

蒼乃真澄
2年前
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『ワンコイントゥモロー』 1

 雨宿にはうってつけだったこの酒屋も、今や軒先の屋根には穴ぼこが空いていて、そこから水が…

蒼乃真澄
2年前
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王の印 (短編小説)

「見ろよカケル。俺もスタンプ押してもらったんだぜ」  俺の友人であるテツヤが、左腕に押された王冠のスタンプを俺に見せてくる。 「なんだ、お前も押したのか」 「そりゃあ押すだろう。今、若い連中で押していない人いないって、めっちゃテレビで言ってたぜ」 「へえ、そうなんだ」 「躊躇しないで、カケルも押せばいいのに」  しかし、俺は「俺はいいや」と断った。そんな得体の知れない、それにそれほどカッコよくもない印、俺にはまるで必要がない。 「カケルは変わり者だな」  最近、腕に王冠のスタ

象と娘 (短編小説)

 岩と見間違えるほど、皮膚がザラザラとした巨大な生き物の前で、小さな女の子が不思議そうに…

蒼乃真澄
2年前
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大人化した子供 (短編小説)

 電車に乗っていると、些細な会話が耳に入ってくることがある。僕の目の前に座る、おそらく親…

蒼乃真澄
2年前
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ラジオネーム、ラベンダーとホットミルク (短編小説)

 四月の風が部屋中を怠けさせる。僕は作業部屋にある机の椅子に座って、先ほどまでモワッとし…

蒼乃真澄
2年前
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冷たい遊戯 (短編小説)

「ねえ、拓人は遊戯についてどう思う?」  夜の公園。その日はクリスマスを過ぎた頃で、露わ…

蒼乃真澄
2年前
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性に群がる銃 (短編小説)

 どうして、人間は性に対して貪欲であり続けるのだろうか。わたしはつくづく疑問に思っている…

蒼乃真澄
2年前
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転がる石 (短編小説)

 若かりしき頃は、誰かを傷つけていないと落ち着かなくて、尖った箇所で相手に切り傷をつけて…

蒼乃真澄
2年前
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