土手沿いを走る少年(夏のまにまに)
何故だろうか
僕はピッチャーにならなかった
グローブをつけることもなかった
バットを振ることもなかった
ボールをキャッチすることも
一塁に走ることもなかった
いつだって少年は走っていたのに
僕は走ることがなかった
ボールはどこへでも飛んでいくのに
僕は追いかけることをしなかった
ホームランを夢見た少年は鍛えていたのに
僕は何もしてこなかった
少年は一生懸命努力してきたのに
僕はただただ夕日を眺めていた
それでも少年は大人になってから
万引きをして捕まってしまった
僕はスーパー