不登校と授業について/オンライン授業に関する3つの提案
不登校と授業の問題について。
不登校にも個々で様々な形があり、そもそも欠席している子もいれば、学校には行くのだけれどもクラス授業には参加できず別部屋で学習する子、などが存在している。
まったく勉学に手がつかない子もいるが、ここでは勉学に取り組みたい子の話をしたい。
主に、中学での、オンライン配信での授業についてだ。
以前、これについては、某市教育委員会の部長課長クラスの皆さんとお話をした際にも、話題に上がった話。
その市では、学年のひとクラスの授業にカメラを設置し、zoom配信をしているとのこと。
学校に行かない子も別部屋登校の子も、タブレットでその授業を受けることが可能になっている。
よく子どもの側から耳にしていたのは、そこでは、授業の雰囲気くらいしかわからないという声だ。
つまり、受けたところで大して勉強にはならないのである。残酷だがこれが今の現実なのである。
ここには、機材の知識や配信のスキル、さらにはオンライン授業のスキルの不足という問題がある。
加えて、
ここが肝心だが、リアル授業とオンライン授業の同時並行は、(実際にやっている身として述べるが)、相当に難易度が高くなってしまう。
機材の取り扱いも、授業そのものも、大幅に難易度が上がってしまうのだ。
少なくとも今の状況は、“オンラインで授業配信してます”という、ポーズをとっているだけにすぎない状況であるといえる。
残念ながら、保護者や子どもの立場は弱い。
ここでは暗に、“嫌なら通常授業受けなさい”と示唆されているようなものだからだ。
しかし、この学校サイドの態度は、憲法や法の定めるところ、十分に教育を提供しているとは言い難い。
この、"形だけやっています"という責任逃れは、少なくとも地域住民が見過ごしてはならない問題ではないだろうか。
ここでは、それらのスキルをすでにもっている立場として、具体案を提示する。
提案1
まずは、片手間ではない、配信側のスキルアップを望む。
それには、先述した、最低限の機材の完備、オンライン授業そのもののスキルアップは必須だ。
また、これに、片手間ではない本気度、責任感も必要であることも付け加えておく。
提案2
現状を客観的に見て判断するため、教育委員会外の、つまり外部、別の立場の人に視察をさせる必要がある。
可能であれば、直接的に影響を与えることができる(権限を持つ)、市議が妥当であろう。
勉学に優れた人が多いはずの市議なら、問題点を把握できよう。
市議による視察を行うことを提案したい。
提案3
1と2を実施しても超えにくい壁がある。それがこちらも先に述べた、「リアル授業とオンライン授業の並行」実施だ。
これをスムーズに実行するのは、難易度が高すぎるのだ。
その手間とコスト、スキルアップを考えると、今の並行授業を、よりまともなものに改善することは、不可能ではないが、(実際に僕はやれるので)、難易度が高すぎて現実味は薄い。
だとすると、それらを「分ける」方が現実的だ。
オンラインで授業を見る子たちのために、市で、ひとつのオンライン授業を実施する。
一見、分けることでコストが上がりそうだが、ひとつの市で学年一つの授業だけを行えばいいのだから、先の理由からも、明らかにコストは抑えられる。
オンライン授業に特化するだけでよいので、教員の授業スキルも上げやすい。
“先生なんだから授業得意でしょ?”と思われる方も多いかと思うので先に断っておくと、リアル授業とオンライン授業のスキルは別物と言っていい。
もし同じようにできると思っている先生がいたら、そもそもオンラインはもっとオンラインを活かした授業作りができるので、それも含めて考え方を変え、知識とスキルを向上させてほしい。
話を戻す。
提案3は、市単位でオンライン授業特化チームを作り、従事する。
以上が、具体的な提案である。
行政、政治、教育関係者のみなさまには、ぜひこの記事をシェアしていただければと思う。
教育の問題は、まちの未来、存続の問題を左右する喫緊の問題である。
教育を閉鎖的なムラに閉じ込め、ムラは疲弊するだけ、問題を放置したままで解決はない。
今後、さらに不登校の数が膨らむことを見据えて、みなさんの奮起と判断、迅速な行動に期待したい。
追伸
技術的なアドバイスや実践の手が必要な場合は、僕自身も労力は惜しまないつもりである。その時は遠慮なくお声がけを。
(おわり)
NPO法人まなびデザインラボ
https://www.manabidesignlab.org/commission
業務依頼はホームページよりどうぞ
記事を気に入っていただけると幸いです。NPOまなびデザンラボの活動の支援に活用させていただきます。不登校および発達障害支援、学習支援など、教育を通じたまちづくりを行っています。