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それを教育と呼んではいけない/業界の闇の話/他塾を潰す?教育の目的?

僕が業界から距離を置く決定打になったことを(いっぱいあるけど)一つ書いておこう。


業界全体が下降し始めたとき、多くのエリアでダンピング競争が始まった。

ダンピングとは不当に低く設定された料金戦略のことで、業界内でも自らを衰退に導くと懸念されながらも一時的に流れは大きくなった。ランチェスターでみるところのミート戦略ではあるし、大企業向きの必勝の手とも言える。(もちろん僕はこの戦略は取らなかったが)。


割と地方でも激しいダンピング合戦が起こった時期。

ある企業の始めた新しい低価格ブランド塾の、「目的」を目にして驚いたことを今でも覚えている。

それはこうだ。

「他塾を潰すため」

目も耳も、疑うべき言葉であるが、悲しいかな事実である。


これをみて、その場所に通わせたい親御さんがいるのだろうか。

この業界は、教育業界ではなく、学習技術提供業界に過ぎない。
せめて呼び方を変えれば、ごく普通の利益追求型企業という、かつて普通であった企業のあり方であるのだから肯定されるだろう。
少なくとも、これは教育ではない。


僕は大きな企業体の経営者をしていた者のひとりとして、多くの情報を見聞きすることができた立場にあった。大きなものの周りには、情報もお金も人も集まりやすい。
魑魅魍魎でさえも。


大きなものの中には、常に深い闇が隠される危険がある。
消費者の側もそれを知った上で商品やサービスを選択する必要があろだろう。


いずれにせよ、
僕はそういう場所にこどもたちを通わせたくない。

ただそう思っている。


(おわり/2018年過去記事)






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