見出し画像

日本語の「うん」は意外に最強の敵?

こんにちは、日伊通訳マッシ(@massi3112

日本語を学んでいる外国人は、1回目のレッスンからずっと変わらないことがある。ペラペラ話せるようになっても、日本に暮らして日本人のように動いても、全く通じない会話が必ず出てくる。今日は、その日本語学習者にとっての意外な敵について書こうと思う。

とは言え、会話といってもひらがなの数文字しか出てこない。だけど、源氏物語のように意味深い。日本人なら問題なく理解できると思っていた僕は、日本人に聞いてみたらなんとネイティブ同士でも理解できない時もあるらしい。日本人にとってもややこしい部分があるというのは、外国人には到底理解ができないのではないだろうか。

敬語を使いこなしても、方言が理解できるようになっても、最強の敵はいつもそこにいる。今もこれからも僕を困らせるのは「うん」と「ううん」という透明な最強の敵だ!
見た目や発音から言うと、可愛らしさもある。たった2文字で数年の勉強は丸っきりなくなってしまう気分になる。

「う」と「ん」の発音をすることで、「はい」の意味から「いいえ」の否定になる。怖いのが、この変化は一瞬で行われるということだ。しかも、「う」の長さやイントネーションがちょっとだけ変わるとまた別の意味になることもある。
例えば、
「う〜〜ん」は考え中
「うんうん」は話を聞いているけど、肯定ではないかもよ。聞いてる話はわかってるよ。
「う、うん」は微妙なニュアンス、はっきりできない状態
「うん?」は何だって?
「うーん」はなるほど、確かに

もっとややこしいニュアンスだと言うと
「うーむ」は軽く悩む
「うーん」は深く悩む

この中で「いいです」「結構です」「大丈夫です」もややこしいけど、まだ表現として分かりやすい。だがこの敵「うん」は、完全に音だけだ。
分かりやすくいうと、人間と宇宙人の違い。人間は意味がわからなくても一応通じるが、宇宙人はもはや理解不能だ。

このようなニュアンスと使い方を勉強できる教科書が少なくて、初めて日本人と話した時に全くわからなかった思い出がたくさんある。現在でも確認をしないと会話が進まない時もある。

このような発音の違いで受け取り方に困る日本語を目の当たりにして感じたのは、心で理解するしかないということだ。これに気がついた時、日本語は自然の中から生まれたという理由は納得できる。感じた言葉、発音から心に届く響きの部分を意識して聞いてみると、ネイティブに近づいていくと思う。

曖昧な日本語だからこそ、周りの環境を心で理解して、川のようにその流れで話すと「YES」「NO」のことをいつの間にか忘れてしまう。上級者レベルになると、教科書より心の言葉に力を入れて学んだ方が日本の魅力が楽しめる。

Massi

みなさんからいただいたサポートを、次の出版に向けてより役に立つエッセイを書くために活かしたいと思います。読んでいただくだけで大きな力になるので、いつも感謝しています。