「おめでとうさん」

約1ヶ月。故郷を離れて10数年ぶり、久々に大阪で生活をしている。
と、言っても里帰り出産という特異な理由のため、
このコロナ禍に積極的に出かけることもなく、
基本的には通院、そして家の周辺を散歩するぐらいの日常で、大いに大阪生活を満喫している訳ではないのだけれども、それでも連日「大阪らしさ」を感じている。

改めて衝撃だったのが、病院やお店の人の対応が妙に親切に感じることだ。
以前、大阪と東京の企業の違いについてこちらに綴った

コミュニケーションあってなんぼの大阪。

恐らくはどの人も普段通りなのだと思うのだが、どこに行っても事務的な対応なのに皆とても丁寧に説明をしてくれるではないか!
病院の受付の人も表情に温度がある。
郵便局に行った時などは、送付する箱の大きさに迷っていたら、見本の箱をすかさずいくつも持って来てくれ、こちらがお願いする前に梱包用のテープを持ってきてくれる。
買い物に行った時には、店員さんが懸命にこちらが納得いくまで商品の案内をしてくれる…
何よりもイントネーションを気にせずにおもいっきり大阪弁で話ができる!

関東での暮らしで特に「冷たいな…」と思っていた訳では決してなかったのだが、
身に染みて、人の温かさを感じさせられている。

そして、一番印象に残ったのは数日前のこと。
1人で近くの公園を小一時間散歩していた時、向こうから歩いて来る一人のおじさんがおもむろにこちらに近づいて来るのがわかった。
もちろん、全く知らない人である。
最初は自分に向かってだとはおもわなかったのだが、どう見てもこちらを目指して近づいて来ている。
<<人違い???>>
<<それとも怪しい人?!>>
警戒しながら歩き続けていると、間近になったところで、突然満面の笑顔になり、
「おめでとうさん」
と、声をかけてくれたのだ。

突然のことに、ビックリしながらも
「…あ、ありがとうございます」
と、答えすれ違ったのだった。

そうだ、ここは大阪だった…この感じ!何とも“らしい”と思ったのである。
大きなお腹をみただけで、声をかけてくれるなんて何とも温かい。

実は関東にいる間はマタニティマークをつけることさえ躊躇していた。
高齢出産で浮かれていると思われたくない…みたいな気持ちもどこかにあったことは否めないのだが、たまたまなのか?以前から周りの人の体験談で、マークをつけていることで、電車などで嫌がらせを受けたという話をよく聞いていたからだ。
もちろんマークをつけていたら、関東にいる間も親切にしてもらえたのかもしれないが、
今はもうマークをつけていなくても一目瞭然の妊婦らしさなので、そのことで色んな方々の優しさに触れられているのならば、本当にありがたいことである。

妊娠後期という皆に甘えまくらなければいけない日々の中ではあるのだが、久々の大阪長期滞在で感じること、また帰って来たから向き合わなければいけない家族の問題などが様々あり、
改めて自分を顧みる貴重な時間を過ごしている。

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