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手作りグミが教えてくれたこと

もうすぐホワイトデーだ。今頃、世の男性たちはお返しを必死に考えているところかもしれない。

私は今でこそ既製品のオシャレなお菓子などをお返しとして用意しているが、高校生の時はお返しとしてグミをいつも作っていた。

なぜチョコやクッキーではなく、グミを作っていたのか?

私がグミを作っていた理由は以下だ。


①簡単

簡単に作ることができるというのは大切なことだ。私は料理が得意ではなく、器用な男子でもないので、できる限り簡単なレシピがいい。グミは材料も手順もシンプルだ。

加えて、高校生活は勉強・部活・アルバイトとほぼ休みがない。その中で家族が台所を使わない時間を利用せねばならない。

②安価

グミは必要とする材料が少ない。ジュースか何かとゼラチンと型があれば作られる。

またお返しはかなりたくさんの人にせねばならない。クラスの友達だけでなく、部活の先輩後輩マネージャーにも返さねばならない。中には遠く離れたクラスの全く知らない人から友達の友達ということで頂くこともあった。もらえるのは嬉しかったが、誰だか分からなかった。

また、高校生はお金が無い。数十人分のトッピングや高い材料をたくさん買うのは厳しい。

③奇抜

バレンタインやホワイトデーといえばやはり「チョコレート」だろうか。しかし天邪鬼な私には人と同じチョコレートやクッキーはつまらなく感じてしまう。そういう理由でもグミは選ばれた。


グミはまずジュースを煮立て、ゼラチンを入れる。ジュースはオレンジジュースなどを使用する。売られているコーラのグミのようなものを作ろうと思いコーラを煮立てたことがあったが、コーラが煮立つと変なカラメル色の液体になった。もはやコーラの味ではなくなってしまった。

また、ジュースはポンジュースなど濃いモノがいい。ゼラチンを入れるとゼラチンの味が強く出てしまうため、味の濃い飲み物でそれを防がねばならない。

次は型に入れて冷やすだけだ。流れはチョコレートとほぼ同じだ。色んな型に成型する。個人的にはイチゴのリアルな型がお気に入りだった。

すると冷えてできるのがグミ(ゼリーかもしれない?)だ。弾力のある謎の塊が出来上がる。


だが、結果的に言うと、グミを作るのはかなりムズカしい。


なんなら、私がグミだと思い込み配っていたモノは正確に言えばグミではない。グミもどきというか、ほぼゼリーだ。結局、何度試しても売られているようなグミは作ることができなかった。皆は珍しがってたくさん食べてくれたが、私が納得できるグミは一度もできなかった。


美味いグミを作れなかった理由、それは添加物を入れていなかったからだ。


私がこのグミ作りから学んだことは「グミには多くの添加物が配合されており、それらがグミをグミたらしめている」ということだ。それまでは私はゼラチンを入れればグミは簡単に作れると思っていた。ところが、ゼラチンを入れれば入れるほどただのゼラチンの塊になるだけだ。グミにはならない。

グミには実に多くの添加物が入っている。砂糖・水飴・香料・人口甘味料・着色料・ゲル化剤・安定剤・光沢材などだ。逆に言うと、これらの添加物がなければ、美味しいグミは作れないのだ。ホワイトデーのグミ作りの経験はこの事実に気づかせてくれた。


①物事は単純に見えても単純ではないことがある ②何かは多くのモノが関係している この二つをグミ作りから学んだ。お菓子一つをとっても奥が深いものだ。


多くの見えないモノが多くのモノを形作っている。








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