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ワイルドスピードを観てくれない人


表題のとおり。
映画「ワイルドスピード」を観てくれない人がいる。その人は、僕の大切な「ワイスピ」に興味を示してくれないのです。


ちょくちょく映画の話をするお友達がいて、お互いが観た映画や興味を持っている作品の話をしては楽しませてもらっている。そうした場だと当然の流れとしてこれ観た?どれ観る?あれまだ観てない?観たほうがいいよ、なんて話題が出るのだけれど、僕が「ワイルドスピード」の話を持ち出したときの彼女の気の無さったら目をみはるばかりだった。「あー見ないっすね!」の一言だった。


嗚呼、この人は考え違いをしている。
ワイスピのことを


イカれた
マッチョが
車で
ドーン



みたいな知能指数5程度の映画だと思っているのだ。失礼な話じゃないか。そんなもんじゃないんだよ。
ワイスピはね


ドーン



これのみだ。







画像1


ドーン


知能指数2もあれば事足りる。5なんて買いかぶり過ぎもいいところだよ。






そんな IQヒト桁作品でも心震えるシーンがあるから映画は素晴らしい。ワイスピファンなら誰もが涙したであろう「ワイルドスピード SKY MISSION」のラストシーン。


主役のひとりとしてシリーズを引っ張ってきたポール・ウォーカーが、製作中に事故で急逝する。映画の完成が危ぶまれる中、スタッフは脚本を書きかえ、既に撮影済みだったカット以外は代役やCG合成を駆使して作品をつくりあげる。そうして出来上がった作品には当初は予定に無かったエンディングが追加されていた。


ラスト、知能指数2の戦いを終えた主人公グループはビーチで束の間の休息をとる。波打ち際で家族と遊ぶポール( ポールの実兄が代役を演じている )に黙ってその場を立ち去るもう一人の主役ヴィン・ディーゼル。独り車を走らせるヴィンを追ってきたのはCG処理でよみがえった今は亡きポール・ウォーカー。


あぁもうまどろっこしい。観てくれ。吹替版しか見つからんかったけどヴィン・ディーゼルは演技力がアレなので吹替でも良しとしよう。繰りかえすがこのラストシーンはポール・ウォーカーが亡くなった後に作られたものである。





泣く。
リンクを貼る前にチェックを兼ねて観てしまったがもう俺は駄目だ。連休の昼間に泣きながらこれを書いている。悲しくも最高のシーンである。


話がワイスピに流れ過ぎたので一旦戻しましょう。そうだ、ワイルドスピードを観てくれない人の話をしてたんだった。


観てくれない人に上記ラストシーンの話をしたことがある。口角泡を飛ばし必死に伝えたのだが僕のプレゼンに魅力がなかったのか彼女の答えは「ほーなるほどなるほど。でも多分一生観ないですね!」だった。瞬殺。


でも、それでよいのだ。






本や映画を人にすすめるときがある。件の彼女とは「映画の話をする場」で話をしているので、その信頼関係のもと、お互い自由に薦め合いを楽しんでいるのだが、現実の人付き合いの中で頼まれもしないのに自分のおすすめを押しつけるのは時として暴力になる。だからあくまで聞かれたときだけ薦めるように心がけてはいる。


聞かれたからには一生懸命考えるわけです。コレコレがいいと思うよと少しどきどきしながら伝えるのだ。その際、相手が「わーおもしろそう!絶対観ますね!」なんて答えを返してくれると嬉しいのは当然として内心期待をしてしまう。観てくれるかな、気に入ってくれればいいな、と。


で、その後、絶対見ますの言葉どおり絶対観たかというと、実際には観ていないケースが絶対的に多い。


誤解の無いように。
観ると言って観なかった人に文句を言いたいわけでは無い。決してそうでは無い。本当は観たかったのに時間が無かったのかもしれない。正直興味は無かったけど僕に気を使ってくれたのかもしれない。それはある。あるよな。僕はアラフィフの中年男性だ。仕事場でそういう話をするスタッフもほとんどが年下だったりする。「それ興味ないです」なんて言って空気悪くなってもとか色々とさ、考えるのかもしれませんね。


お得意様のご年配の社長さんに「マスダ君、ゴルフしないの?いいよゴルフは!」と言われて「やったことないんすよーでも勉強しときまーす!」とかこたえたことあるもん俺も。絶対やんないくせに。


でも、正直な方が相手とのその後が面白くなる気がするんだよね。関係性や当人の性格によっては難しい面も勿論あるだろうけど、可能な場面では「それピンと来ないです」と答えるのも結果的に楽しいと思う。


どこがピンと来なかった?
車に空飛ばれましても
じゃあ車が人を襲うやつどう?
車から離れません?


そうして探っていく作業の楽しさって確実にある。好みや推しに合う合わないがあるのは当然で、むしろ合わない時に相手とどこが合わないかを知るプロセスも良いものですよ。





ワイルドスピードを観てくれない人はおそらくこれからもワイルドスピードを観てくれない人のままだろう。それでよい。「観たことないんすよーでも勉強しときまーす!」では無く「私はワイスピを観ない人である」と伝えてくれたことがありがたい。そこを率直に言ってくれる人がいつか口にする「わーおもしろそう!絶対観ますね!」は信用できる。まだ言われたこと無いけれどチャレンジする価値がある。


おかげで僕はワイスピに代わる二の矢を放つ楽しみを持てる。次の機会には、陸地を歩くサメが人々を襲う映画をお薦めするつもりだ。期待は全くしていない。おそらく彼女は観ないと思う。


でも僕は一向に構わない。
二の矢が駄目なら三の矢。それを考えるのもまた楽しいじゃないか。




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はいドーン



彼女はワイルドスピードを観てくれない人である以前に タイタニックの話をしたい人 でもあります。どうぞ寄ってってください。

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