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100円の娯楽

数日前。
母が100円ショップで買ってきた、200ピースのジグソーパズルが完成した。

パズルに集中した数時間と、この達成感。

これが…100円。

最近お金をかけたどの娯楽よりも
なんだかとても有意義なものに感じたのだった。


ゴッホのひまわりのパズル(200ピース) ¥100


大人の自分も真剣に取り組み、十分に楽しめたため
「対象年齢6才以上」というワードに、ちょっとだけたじろいだ。


ピースが、すぐに折れてしまうような弱々しい紙だったことにより、
「これは正しくハマっているのか…?」と疑いながら取り組んだところと

その紙のピースから落ちる粉のような紙屑。

…これが、100円クオリティーでなんだか愛おしかった。


母は時々
私が「一体これは誰が買うのだろう…?」と思ってしまうようなものを買ってくる。

物だけでなく、本や映画もそうだ。
私が全く気に留めていないものを「これどう?」と言ってくることが時々あった。

私の視野が狭いのかもしれないが、
趣味や好みが違うのだとも思っていた。


だからこそ今回は
私が100円ショップに出向いても決して気づかないであろう、このジグソーパズルを買ってきてくれたことに感謝している。


小さなピースをはめていく、地道な作業。
…本当にちょうどいい時間潰しになった。

それなりに頭も使い
他のことを忘れられて
ささやかながら芸術に触れ
完成後の達成感に満足。

さらに…崩せばまた何度でもやり直せる。


…これが、100円だなんて。
いい時代だな、と思った。


この世界は、たくさんの娯楽で溢れていて
その“楽しさ”や“価値”は、お金の量に比例するものもあるのかもしれないけれど

ほんの少しのお金でも
使い方やタイミングによっては、最高の娯楽になることもあるんだということをしみじみと感じた。


今度100円ショップに行ったら
母の目を意識して、“新しい何かを5つ見つける”くらいの気持ちで歩いてみようと思う。
また、思いがけずこんな嬉しい買い物ができるかもしれない。




2024.6.30

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