一つの言の葉
今日は会社を休んでしまった。
原因は昨日の記事でも書いた、家の問題だ。
体調不良ではない。…と言いたいが、実は心もかなり弱ってきている。
そんな中、今日は救われた一言があった。
この一言で、私は本当にみるみるうちに元気を取り戻していった。
その一言は…
「任せて!」
厳密に言えば、救われたのは二言だ。
「安心して大丈夫だよ」
「任せて!」
連絡をした時、レッスンのこと、研修のことなど…自分の私用で生徒や他のスタッフの方々に迷惑をかけてしまう…というのが一番心配で、心苦しかった。
それでも連絡しなければいけない。
トラブルがあって、どうしたって今日行くことはできないから。
まずはメールを送るのだが、そのメールは届いただろうか。
誰か、読んでくれただろうか。
今日のスケジュール調整は大丈夫だろうか。
自分に対してネガティブな感情を持たれないだろうか…など。
今日のどんよりと重たい雲から注がれる冷たい雨のように
心も重たく、質量を増して湿っていく。
…私にとって「誰かに迷惑をかけること」はとても苦痛なことなのだ。
しばらくすると、電話が鳴った。
掛け直すと、受付の方が
「大変なご状況の中、わざわざご連絡ありがとうございます」
と言ってくださる。
その後、上司に代わり、明日の勤務の相談に乗ってくれた。
「明日も大丈夫かなーと思うと、ドキドキしちゃうでしょ?」
こんな風に、今日休んだことに関してどうこうではなく
もう1日先のことまで考えてくれていたのだ。
さらに
「お家のこと以外でも、何か不安なことや心配なことがあれば相談してね」
そうなのだ。新しい会社で、家のこと以外でも本当は色々不安なのだ。
そこまで汲み取ってくれている…ということがわかる優しい言葉をさらっと言ってくれる。
…結局、明日まで様子を見ることになり
その後、先ほどの二言
「安心して大丈夫だよ」
「任せて!」
この言葉で本当に、心が羽根を持ったように軽くなったのだ。
たった一言。
本当に、魔法のようだと思った。
「一言」じゃなく、「一つの言の葉」と呼びたい。
受付の方のくださった言葉も含めて。
「大丈夫?」や「大変だね」など、
状況や私自身の心配だけでなく
私が最も気にしていることに関して
力強く「任せて!」と言っていただけたことは
“最も気にしていたこと”だからこそ、“本当の安心感”を得られたのだと思う。
レッスンもそうだ、と思った。
相手が何を一番不安に思っているのか。
何を一番に考えているのか、その“カウンセリング”を一番大切にしたいと思ったのだ。
だって
「とにかく上手くなりたい」という人に対して
「安心してね」とか「心配いらないよ」と言っても、その人の「一番」を解消することにはならないし
「初めてで緊張していて…」とか「歌うことが本当に苦手で…」という人に対して
「もっと声出して!」とか「恥ずかしがらないで」と言っても、逆効果だろう。
たった一言。
されど、一言。
その“小さな”思いやりや気遣いが、言の葉になった時。
本当に“大きな”力を持つことがあるんだということを痛感した今日の話。
「休むこと」に関して、ここまで気持ちよく引き受けてくれたのは初めてのような気がして、私もそんな人になりたい、と思った。
今日、尊敬する人が一人、二人と増えた気がする。
嬉しい出来事だったな。
2024.6.23
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