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リモート散歩のすすめ〜他愛ないという価値

緊急事態宣言が解除され、
少しずつ日常を取り戻しているというのが
世の中の感覚なのだろうか。

私自身はそこまで生活スタイルに
変化が起こらないので、
電車が混雑してるかどうかや
都心の街に人が溢れているかどうかは、
朝のニュース番組か
夫の通勤や仕事の話でしか情報を得ていない。

だから現状、街が、人がどう動いているのか
さっぱり分からないけれど、
外出自粛中に友人と始めたことがある。

それは

リモート散歩。


そんな風に銘打っているが、
基本はLINEで電話を繋ぎながら、
好き勝手に、自由気ままに散歩して、
たまにこんなところにいるよーとか、
ビデオ通話に切り替えるくらいの
超ゆるゆるな企画である。

散歩するとなると長時間してしまう私と、
出掛けるのすら億劫で散歩なんて…と言う友人。

散歩の概念に対しては正反対な2人だが、
緩さに関してはマッチし過ぎていて、

「今日はだらだらモードだから、明日ね〜」

なんてこともあり、
開催されなかったこともしばしば。

自分のペースを崩されることを嫌う2人にとって、この緩さは必須であり、
どちらかが離脱しても別に文句は発生しない。

そんな日もあるよね〜
じゃあ私もだらだらする

という感じ。

でも身体は動かした方がいいよねと
葛藤もしているので、
リモート散歩を開始したら、
基本1時間以上は歩きっぱなしで、
電話も繋ぎっぱなし。

え?
散歩はひとりでフラっと行ったらいいって?

そう、ひとりで気分転換したいならその通り。

だけどそうじゃない時にこうするんだ。

私たちにとって、
別の場所にいるけど、同じ時間に散歩している
ということが大事。

離れていても、同じことを共有し合っている
それが大事っていうこと。


1時間以上も歩きながら話す内容?

お互いの旦那さんのことだったり、
彼女のこれから始めるお店のことだったり、
散歩中に見かけた犬が可愛いだったり、
最近見た映画についてだったり、
急にスキンケアの話だったり、
昨日いかにだらだらしたかだったり、

ただ一緒にお茶してる時に話すような
他愛もないことばかり。


だけど、
そういう他愛ないことが大事だと
この1ヶ月半で気付かされた私たちにとっては、

こんな1時間も貴重なもの。

緊急事態宣言が解除されても、
どこか通常運転を探り合っている私たち。


「これからもリモート散歩し合おうね」


と彼女は言ってくれる。

そのあと彼女はこう言った。

「オフライン散歩もしたいよね」

それってリアルに会って、
一緒に散歩しようってことだよね。

ただの散歩をオフライン散歩と言うセンス。


コロナがやってきたことで、
緊急事態宣言が出されたことで、
外出自粛を要請されたことで、

私たちにとっての、
新しい時間の共有方法が生まれたのだった。




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ましろ
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