人とちがう生き方は、それなりにしんどいぞ。誰のせいにもできないからね。
ジブリの『耳をすませば』にでてくるセリフです。
雫のお父さんが、作家の道に進むことを選んだ娘に対してのセリフ。
もちろん娘の意向を尊重しているお父さんです。
これはやめさせようとしているのではなく、覚悟や決意を確かめているんですね。
最近このセリフが頭に浮かびます。
雫が目指す作家の道。
芸術家、アーティストの道です。
それはやはり多くの人が選ばない道です。
どうなるかわからない不安定な道。
道半ばで終わる人もたくさんいるでしょう。
私もアーティストへの道を志したことがありました。
大学へは行かず、親の反対を押し切って専門の道へと進みました。
もし、当時の私が雫の立場だったら、
『大丈夫、絶対あきらめないから!』
とゴールすることを決意していた思います。
絶対作家になってやる!
一握りしかなれない作家になってやる!と。
でも、もし今の私が雫の立場だったら、
『人として死ねなくてもいいよ』
と決意します。
売れない芸人、
売れないミュージシャン、
売れない作家、
売れない漫画家、
そんな人たちに対して、
周りの人は当たり前の生活ができる方法を薦めます。
このままじゃ何も食べれなくなるよ。
このままじゃ住む家もなくなるよ。
このままじゃ死んでしまうよ。
だから、〇〇を目指すのはやめなよ。と。
そんなことは本人も重々わかってるんです。
でも、そもそものゴールが違うんです。
そういう崖っぷちでも、
命にかかわることでも、
続けられる人。
それがアーティストなんだと私は思います。
アーティストとは職業じゃなく生き方なんです。
改めて冒頭のセリフ。
人とちがう生き方は、それなりにしんどいぞ。
誰のせいにもできないからね。
アーティストとして生きるなら、
人として死ねないことを覚悟しなきゃね。
長く生きることより、大事なものがある。
それがアーティストの生き方だ。
ラクな訳がない。
孤独になるのも当たり前。
まともでいられるわけがない。
何かに酔ってなければ続けられない。
アーティストを目指した後、
普通に生きることを選ぶ人もいます。
それはそれでいいんです。
酔いから覚めるのもまた一つの人生。
生きることを選べるのも強さの証です。
そしてアーティストという人種は、
人として生きられないからこそ、
代わりに作品が生きるのではなかろうか。
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