思考と行動と結果と。
良い考えは良い行動を生み、良い結果をもたらす。
思考→行動→結果という流れは正しく感じる。
しかし、この思い込みには落とし穴がある。
とくに上司や管理職といった人を動かす立場にある人がこの思い込みに囚われていると非常にまずい。
いったいどういうことかというと、
例えば、結果が出ない部下、出せない部下に対して、いきなり考え方を指摘してしまう。
結果が出ないのは行動が悪い、行動が悪いのは考え方が悪い。
だから結果が出ないのは考えが悪い、といった具合に。
思考→行動→結果の流れを逆説で使ってしまう。
本当にそうだろうか?
以前、私のチームでこんなことがおこった。
A君がトラブルを出してしまったのだ。
上司はA君の行動を聞き始めた。
A君は上司に相談せず、不安材料を残したまま実行してしまったのだ。
さて、この時上司はなんと言ったか。
『不安を残したまま実行するとは何事だ!ちゃんと俺に確認すべきだろ!』
と言って、立ち去ったのだ。
A君はチームのメンバーに謝罪をした。
たしかに上司の筋は通ってる。
私はA君にひとつ追加で質問をした。
『ちなみにさ、上司に相談しようって思わなかったの?』
A君は答えた。
『いえ、相談すべきだと思ってました。でも上司さんもみんなも忙しそうだったので…』
忙しそうとか関係ないだろ。といいたくなる方もたくさんいると思いますが、ここで確認しておくことは、
A君は上司に相談すべきだと考えていたこと。
上司は『俺に相談すべき!』と指導をしましたが、このトラブルの原因はそこではなかったのです。
原因を究明できなければ問題解決できません。
当たり前です。
A君の考えは正しかった。
間違ってたの行動です。
もちろん部下が、上司さんが忙しそうだったので、などと言えるわけがありません。
言い訳するな、俺のせいにするな、って言い返す上司はたくさんいます。
なので上司がきちんと、
結果→行動→思考という流れを丁寧に聞く必要があります。
上司に気をつかってくれた。
上司の時間を大切にした。
上司に迷惑かけないようにした。
部下のこんな考えは本来、感謝するところではないか?
迷惑かけていい。
気を使わなくていい。
なんてその場の嘘で誤魔化す上司もいますが、自ら動いてくれる部下の方が良いはずです。
問題が起きるのは、ほとんど行動レベルです。ほとんどの部下は会社に貢献したいと考えています。役に立ちたいって思っています。
考えを変えさせる指導は99%の確率で失敗します。
なぜかというと、他人の考えは変えられないからです。
結果と行動と思考。
この3つは、一緒くたに扱うものではありません。
結果が出ない理由はさまざまあります。
行動にはたくさんの選択肢があります。
思考→行動→結果よりの逆説は、ほとんど成り立たないのです。
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