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コンサルティングの基本原則たる、Pyramid Principle (ピラミッド原則)とMECEをビデオで概観

私ですが、インターネット企業における研究開発のグローバルリードという仕事から、マネジメントコンサルティングの業界に14年ぶりに戻ってきて、久しぶりにコンサルティングワークの楽しさというのも感じながら、短期的には COVID-19 危機対策というテーマで、特にAI、ビッグデータ、DX、スマートシティ等での領域で経済・産業への貢献という仕事に没頭し始めています。

14年前と異なるのは、コンサルティング業界におけるアプローチや手法ももちろん進化かつ多様化していて、例えば、アジャイルメソッド的な進め方や、デザイン思考的なアプローチや、キャンバスのようなツールも多くコンテンツが世の中に普及しています。私も過去に以下の記事を書きました。

これらの比較的新しいトピックももちろん、現代の様々なイシューを取り組む上で登場してきたため、そのコンセプトを知り、実践を行っておくことが重要ですが、いつの時代も変わらない原点たる、原則を外さずにフォーカスし続けることはより重要だと、改めて思っています。その原則とは、Pyramid PrincipleMECEです。

Pyramid Principle や MECE は原点であるため、古典中の古典として見られるむきもありますが、考えること、話すこと、議論すること、書くこと、表現すること、知識を共有すること、チームで作業をすること、あらゆる活動においてその効果を発揮します。例えば、目標設定とその管理である、OKR には、Pyramid Principle や MECE のコンセプトが生きています。

この記事では、その原則たる、Pyramid Principle とMECEについて、クイックにその要点を把握することのできる Video を紹介します。


Pyramid Principle

まずは Pyramid Principle です。1973年に出版された“The Mint Pyramid Principle” にて初めて紹介された文書執筆の技術であり、思考法です。またコンサルタントが描くスライドの構成原則にもなっており、現在のコンサルティングワークの根幹をなす原則です。以下は、そのベネフィットをほんの数分で説明してくれる Video です。

この Video は Pyramid Principle がプレゼンテーション等の様々なコミュニケーションにも有効であり、例えば、プレゼン時間の長短によって何を話せばいいのかの調整もしやすいという効能もあることを説いています。このVideo ですが、解説そのものが Pyramid Principle に沿うことを意識して作られているところもポイントでしょうか。


こちらの Video では、ストーリーを語る Storyline Style と Pyramid Principle による Pyramid Style の違いが述べられています。この対比は非常に重要で、従前はPyramid Style が重要とされてきたため、この解説もその様になっていますが、(デザインシンキングも基本ツールとして浸透している)現代的なコンサルティングワークにおいては組み合わせて用いることが普通なのではないかなと思います。どちらのスタイルをどういう風に使い分けるのかというのは、また別のテーマとなりますが、興味深いポイントだということだけここで述べておきます。

また、このVideo では、Pyramid Structure をどう組み立てるのかについて解説されていますので、ここは要チェックです。


この Video は個人的に気に入ってしまったのであげます。レイヤー構成の考え方にフォーカスすることによって、Pyramid Principle の解説を図を描いて説明することなく、ほぼ口頭でやり遂げてます。すごい。とはいえ、Pyramid Principle の重要な論点を削ぎ落としてしまっている感じもでありますが。とはいえ、そういう足りない点に気づくかどうかも含め、この口頭解説についていけるかどうかで、自身の Pyramid Principle の理解度チェックをするというのもありかもしれません。


MECE

次の原則は、MECE (Mutually Exclusive & Collectively Exhaustive) です。ミーシーと発音します。Pyramid Principle の考案者である Barbara Minto 氏によって開発されたコンセプトで、Pyramid Principle を支える重要なロジックです。人によっては、Pyramid Principle よりも普遍的であるために、より重要であると考える人もいます。

このMECEは、ある項目をサブの項目に分解するための作業原則といえます。項目は、相互に排他的 (Mutually Exclusive) であるサブセットの項目に分けられますが、
それらサブセットの集合は分解元の項目と理論的に同一になるように網羅されます(Collectively Exhaustive)。

何を言っているかわかりにくいと思いますので、ここで Video を見てみたいと思います。

レストランの顧客グループをMECEでグループ分けする説明があります。グループ分けは、重複がないこと、同じレベル感で行うこと等、基本が解説されています。また、MECEでの分けは3つが望ましいというTips もあります。Web サイトのレイアウトをMECEの観点で見る、という例がちょっと興味深いです。


MECE についてより詳細に解説しています。MECEの利点や活用上の観点を、問題定義・整理、データ収集、分析、コミュニケーションそれぞれの場合で説明しているのですが、これらを知っておくことでMECEのポテンシャルを常時引き出すことができます。


この Video では、Mindmap を作るときも、MECE でやりましょうというシンプルな解説がされてます。


MECE の口頭解説しているVideo です。口頭解説であるがゆえに、自分が普段考えるときにもどうMECE的な思考ができるかということを教えてくれます。Video の中では、Food Waste 問題をMECE的にアプローチするにはの例として、Value Chain を用いることをあげています。


こちらの Video では、コンサルタントファームでの面接におけるケースを取り扱う際での、MECEの使い方について述べています。チームでの作業をしていく上でも MECE が重要であるとか、実際にMECEであるかを自分でチェックするのは難しいので、同僚に見てもらってフィードバックをもらうことが大事という実践的なアドバイスもあります。


Pyramid Principle や MECE 等の原則は、考えること、話すこと、議論すること、書くこと、表現すること、知識を共有すること、チームで作業をすること、あらゆる活動において効果を発揮します。現在普及している様々な知的生産の手法やアプローチ、コンサルティングの各種方法論も、この Pyramid Principle、MECE というコアをもっていてこそ、そのパフォーマンスをより高めれます。原点であり、古典でありますが、コアとして常に、基本動作の中に置きながら、コンサルティングライフを楽しみつつ遂行していきたいと思います。


おまけ

今回の記事のように同じテーマを取り扱うビデオを複数眺めて、概観していくシリーズですが、過去にも、5G 等の記事を描いています。ご興味がございましたらこちらもどうぞ。


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