田原真人

生命体の可能性が花開くことに喜びを感じるデジタルファシリテータ。非暴力アナキスト。20…

田原真人

生命体の可能性が花開くことに喜びを感じるデジタルファシリテータ。非暴力アナキスト。2011年にマレーシア移住。「反転授業の研究」主催、IAFジャパン理事。『Zoomオンライン革命』『出現する参加型社会』など。執筆&講演依頼⇒  http://masatotahara.com/

マガジン

  • 参加型社会学会

    参加型社会を目指す人のための情報共有の場です。

  • 雑誌「イコール」公開編集会議

    • 34本

    「公開編集会議」イコールとは何か 読者からの質問に編集長がお答えします。 読者からの質問は、淵上周平が代わりに聞きます。 質問の宛先は、イコール編集部 <equal-info@demeken.net>あてに、タイトルは「編集長への質問」と書いてください。

  • 深呼吸学部・参加型社会学科

    • 83本

    深呼吸学部・参加型社会学科 学科長 田原真人 ●日程 2022年1月5日から2月23日まで、毎週水曜日20時30分から22時まで。 第一期8回限定。 ●内容 毎週1回、田原講義(30分)議論(60分)の授業 *橘川は通常は参加しません。質問や背景説明など、ゲストとして呼ばれる日がある時に参加します。 ●参加費 1期8回(2ヶ月)で1万円。 *途中参加でも金額は変わりません。 *深呼吸学部の正規受講生は無料で受講出来ます。 ●開設趣旨 *参加型社会の実践と理論を追求してきた橘川幸夫の書籍を最初から読んで解説と議論を行う。

  • 蜃気楼専門学校(Mirage School)

    • 9本

    ●メッセージ 私たちは2020年のコロナ・パンデミックの情況の中で、オンラインを活用して日本各地の人たちと、さまざまなテーマで対話を重ね、関係性を築いてきました。2023年、コロナから解放されてくる時に、こうした体験を踏まえて、リアルな場で各地の人が集まれる「宿泊型講義」を模索します。 企画=一般社団法人参加型社会学会(橘川幸夫、田原真人、平野友康、高野雅晴) 運営=デジタルメディア研究所

  • 深呼吸する言葉(2020-2023深呼吸学部)

    • 133本

    2020-2023深呼吸学部の塾生の深呼吸する言葉の部屋です。

最近の記事

星の杜中学校・高等学校訪問記

2024年10月8日に栃木県宇都宮市にある星の杜中学校・高等学校を訪問してきました。2022年に日本に帰国してから、あちこち学校訪問させていただいているのですが、時代のうねりを感じたという点では、今回が、最も刺激的でした。以下、どんなところに刺激を受けたのかということをまとめます。 崩壊と再生の物語私は、社会変革ファシリテーターとして、社会の構造変化は、「周辺部における時代を先駆けた崩壊とパラダイムの反転」から始まっていくと考えてきました。不登校の増加と少子化、集団の部活動

    • 生成AIの登場でルネッサンスが起こると考える3つの理由:トランスナショナルな知的相互受粉と多元的世界観の出現

      生成AIを使って、今までにはリーチできなかった知にアクセスしながら、毎日、スパークしまくりの日々を送っています。1週間前とは別人だなぁーと、毎週つぶやいている感じ。自分の中身がすごい勢いで入れ替わり続けています。 ルネッサンスのときは、きっとこんな感じだったんじゃないかと思います。そもそも、ルネッサンスが始まるきっかけは、十字軍がイスラム世界を攻撃したら、アラビア語に翻訳されたギリシャ哲学の本を発見したことです。ヨーロッパでは失われていたプラトンやアリストテレスの文献が再発

      • 「ハブの原理」が作動するアジール空間では、「ハコの原理」で傷ついた心が癒される:ワールドアジールネットワークに流通する雑誌で世界を癒したい

        フランスの思想家ミシェル・フーコーやアラン・バディウは、アジールを社会の支配構造から逃れるための空間や、支配的な権力から独立した行動が可能な場所として捉えました。この文脈では、アジールは単なる避難所ではなく、社会の中で自由や独立性を維持するための象徴的な空間と考えられます。 今から思えば、僕がZoomを使って作ってきたオンラインコミュニティは、アジール的な空間でした。リアルのしがらみから離れ、役職の仮面を外して個人として集まった多様な人たちが、日常では語れないことを語ってい

        • 国境を超えた繋がりを「グローバリズム」の方法ではないやり方で作りたいんだ。それが、近代を超えることなんじゃないか!

          国境を超える!というと、英語教育の話になることが多いです。今は、英語がグローバル言語になっているからです。では、グローバル言語として、なぜ、英語が使われているかというと、それは、大英帝国が世界各地を植民地化したからです。その結果、英語を母語としない人たちは、グローバルな情報流通から取り残されます。そのため、がんばって英語を学んでグローバルな情報流通に食い込んでいこうという話になります。世界は、英語によるグローバルコミュニケーションで標準化されてきたため、植民地時代が終わっても

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        • 生成AIの登場でルネッサンスが起こると考える3つの理由:トランスナショナルな知的相互受粉と多元的世界観の出現

        • 「ハブの原理」が作動するアジール空間では、「ハコの原理」で傷ついた心が癒される:ワールドアジールネットワークに流通する雑誌で世界を癒したい

        • 国境を超えた繋がりを「グローバリズム」の方法ではないやり方で作りたいんだ。それが、近代を超えることなんじゃないか!

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        • 田原イコール物語
          22本

        記事

          文明の時代が「ハコの原理」なら、文化の時代は「ハブの原理」:新しい文化が生まれているハブを相互に繋いで、次の時代を創造する雑誌を作りたい。

          人口波動論を提唱する古田隆彦先生の「人口が増加するときに文明が生まれ、人口が減少するときに文化が生まれる」という言葉が、コロナ後の数年間、ずっと頭の中にあります。 橘川幸夫さんは、かつて書籍で「ビジネスの原理は、コピペとピンハネだ」と書いていました。成功事例をマニュアル化して、コピー&ペーストするように横展開していき、フランチャイズから上納金を受け取るというのが、大きな利益を上げる常套手段だというのです。 産業革命などの技術革新が起こると、新しい方法論による新しい文明が生

          文明の時代が「ハコの原理」なら、文化の時代は「ハブの原理」:新しい文化が生まれているハブを相互に繋いで、次の時代を創造する雑誌を作りたい。

          雑誌で国境を超えたハブのネットワークを作りたい

          いつのころからか、国というものに違和感を持ち始めました。権力者の領土の範囲として国が生まれたのに、そこで生まれた人が教育によって国に愛着を持ったり、他国を敵視したり、おかしいなと。   自分が生まれ育った地域共同体や、自分が育った自然環境などに愛着を持つのは意味が分かります。だけど、その延長線上に国があるとは、僕には感じられないのです。   多民族、多宗教のペナン島に10年住んで感じたのは、コミュニティと国とが、必ずしも一致しない生活があるということ。マレーシアでは、マレー系

          雑誌で国境を超えたハブのネットワークを作りたい

          田原イコール物語22 コロナとYAMI大学深呼吸学部

          コロナの闇を象徴するテクノロジーがZoomだった。マレーシアに移住して、オンラインで仕事をしてきた僕にとっては、2011年からロックダウンみたいなものだったが、世界中の多くの人にとっては、2020年がロックダウンのはじまりだった。 橘川さんのYAMI大学深呼吸学部は、毎週土曜日の20時から始まり、12時を超えることも多かった。最初の頃は、橘川さんが培ってきた参加型の原理についての講義が中心だった。1週間かけて準備してきたパワーポイントを使って、毎週、4-5時間の真剣な講義が

          田原イコール物語22 コロナとYAMI大学深呼吸学部

          田原イコール物語21 橘川幸夫さんとの出会い

          組織を卒業してカオスに入り、次の方向性を模索していたときに橘川さんと出会った。田口ランディさんから、「橘川さんって知っている?」と存在を教えてもらったのがきっかけだった。 橘川さんのリアルテキスト塾がZoomからも参加できるようになったということを知り合いが教えてくれて、Zoomから参加したら、 「魚は海を体内に内包して陸地に上がった。その末裔である人間は陸地に社会を作った。これから、人間は社会を内包して参加型社会に上陸するのだ」 みたいな壮大な話をしていた。自分も社会

          田原イコール物語21 橘川幸夫さんとの出会い

          田原イコール物語20 再び自己解体の向こう側へ

          自分とは、ある種の「設定」だと思う。自分らしいと感じるものを身近に引き寄せ、自分らしくないと思うものを遠くに追いやり、未来から訪れる様々な可能性から、自分らしさを尺度にして未来を選び取りながら生きていく。 人生が行き詰るときは、自分の設定と外部の状況が不一致になっていることが多い。外部の状況を変化させたり、自分の行動原理を微調整したりしながら、何とか突破しようとする。しかし、それだけではどうにもならないときには、自分の設定をいったんゼロリセットする。自分の設定が何を引き起こ

          田原イコール物語20 再び自己解体の向こう側へ

          田原イコール物語19 対極を統合する試みと挫折

          「自己組織化コミュニティの作り方」は、自分が思うことを思いっきりぶつけた試みだった。それを、企業にも通用する形に展開しようとした「自己組織化ラーニングファシリテーター講座」は、異なる原理のはざまで揺れた。外部の組織文化の中で常識とされていることと、「わたしたち」の中で常識となりつつあるものとが違うので、接触点ではハレーションが起こり続けた。 それは、組織文化で生きてこなかった僕にとっては、学びの多い経験だったが、様々なところで摩擦が生じた。組織文化に完全に合わせるのであれば

          田原イコール物語19 対極を統合する試みと挫折

          田原イコール物語18 機械論と生命論のはざま

          自己組織化を中心に据えて立ち上がった与贈工房は、「自己組織化コミュニティの作り方」で出会った仲間を巻き込んで数十名のコミュニティへと拡大していった。活動は完全オンラインだったので、国内外の様々なところから参加していた。僕自身もマレーシアのペナン島から参加していた。 自己組織化が起こるファシリテーションとは何か?という問いがあり、工房ー工場ー変容と三つ巴で巡る原理が、ぼんやりと中心に据えられていた。 まずは、自己組織化ファシリテーションの濃縮液を作り、それを、学習、組織開発

          田原イコール物語18 機械論と生命論のはざま

          田原イコール物語17 自己組織化コミュニティの作り方

          自分が今までやってきたこと、収入を得ていたことを手放すことは、過去の延長線上の未来を手放したということだ。過去を手放すと未来から引っ張られるようになってくる。 自分は、どのような未来へ引っ張られているのか? そのとき、自分がずっとやってきたことは、「自己組織化」だなぁーと思った。自然の摂理によって何かがひとりでに形成されていくということ、自己組織化=self-organization にずっと惹かれてきたのだ。 粘菌の自己組織化の研究に始まり、反転授業の研究ではコミュニ

          田原イコール物語17 自己組織化コミュニティの作り方

          田原イコール物語16 自己組織化する学校プロジェクト

          2018年に「自己組織化する学校」プロジェクトをスタートした。学校という決められた構造があるのではなく、自己組織化するプロセスの中で自然発生する学びのコミュニティが、結果として学校のようなものになっていけないかという発想だった。 様々な学習拠点が緩やかに繋がって、個別にできることと、一緒にできることを、それぞれ追及していけないかと思ったのだ。自己組織化する学校・準備グループというFacebookグループを作り、定期的にミーティングを重ねた。クラファンしてホームページを作り、

          田原イコール物語16 自己組織化する学校プロジェクト

          田原イコール物語15 フリースペースつなぎと「田原の窓」

          気仙沼にあるフリースペースつなぎの代表の中村みちよさんとは、2018年に知り合った。みちよさんがつなぎを維持するためのクラウドファンディングをやっているのを見かけて、彼女が紡ぎだす言葉に心を掴まれた。 みちよさんも僕も、震災前は宮城県に住んでいた。震災をきっかけに学校の教員をやめて、フリースペースをはじめたみちよさんと、震災をきっかけにマレーシアに移住した自分とは、選んだ道は違うけれど、自分の内奥に潜って本質的な生き方をしていこうというところは同じで、想いは通じていると思っ

          田原イコール物語15 フリースペースつなぎと「田原の窓」

          田原イコール物語14 「地球を取り囲んでオンライン対話する」

          14か国の人たちとスカイプでラングエッジエクスチェンジをしていた2015年ころ、中国で反日運動が過熱していた。中国人の友人が、「マサト、私は悲しいよ」と泣いていた。僕は、「日本人とか中国人とかという単位で考えるのがおかしいよ。知らない日本人より、毎週しゃべっていて、毎朝、ゆで卵を食べていることを知っている君のほうが大事だ。」と言った。 エインと二人で何かできないかなと相談して、「Green Bird Cafe」というFacebookグループを作った。そこに、各国の友達を招待

          田原イコール物語14 「地球を取り囲んでオンライン対話する」

          田原イコール物語13「Zoomオンライン革命」

          Zoomのことを教えてくれたのは、社会変革ファシリテーターのBob Stilgerだった。スカイプで話しませんか?という僕の提案に対して、Bobさんは、「Zoomで話そう」と言ってURLを送ってきた。 Bobさんと話した後、次にZoomで話したのは、Amy Lenzoだった。彼女にペイフォワードした後、「Zoomで話そう」と言われて3回話した。彼女は、ZoomとGoogle hungoutを組み合わせたオンラインワールドカフェを企画していた。僕は、WizIQを使ってグループ

          田原イコール物語13「Zoomオンライン革命」