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選んでいるようで、選ばされている

全くないものをあるように見せること。
0を1に見せることがやらせ、
1あることを2にも3にも10にも見せていく、というのが演出。
で、ヤラセの何がいけなくて、演出なら許されるのだっけか。

例えば日常生活の中でも、
新しくオープンの店に人を雇って行列を並ばせる。
新商品を人気のインスタグラマーにこっそり紹介してもらう。
いわゆるサクラとかステマと呼ばれるものは問題視され、
知らないうちに自分自身は巻き込まれているのかもしれない。
それでもその線引きはとても不明瞭というか、まだまだグレーゾーン、その境目に存在している出来事、瞬間は多々あるように感じる。

この物語は、
クイズ番組の出演者が、
“ヤラセ”と”演出”に疑問を持つところからスタートする。
あの人は本当は正解を知っているのではないか。
いや、正解は知らずとも、それとわかるような、その人にだけわかるようなヒントが隠されているのではないか。
主人公は?マークと終始向き合うことになる。

生まれも育ちも、スタート地点がそもそも違うわけなのだから、
この世の中に本当にフェアな戦いなんて無いのかもしれない。

これってもしかして、
自分で選んだんじゃなくて、誰かに選ばされているんじゃないか?
なんて時折疑問に思うことがある、そんなあなたに。


<おすすめBGM>

NICO Touches the Walls/QUIZMASTER

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