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それぞれの思いが複雑に相互作用し世界を変えていく、戦闘叙事詩

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『チェンジ ザ ワールド』という長編小説を配信しております。配信予定日時としては、月, 火, 木, 日曜日にお昼12:00を予定しております。 この小説を描こうと思った動機は、…
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記事一覧

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 27

シモツマには昔の戦争で、おジィが狙撃兵をして、イギリスの兵隊を何人も殺したということを聞…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 26

自衛隊が実質的な軍隊に変質する法案が通る数年前に、イラクの非戦闘地域に自衛隊が派遣された…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 25

数年前、当時の内閣は自衛隊の派遣先を、安全な地域という限定を取っ払って、武器を携帯して米…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 24

「閲覧したと思うけど、バスケ関係のことがほとんどだけどね。NBAに入りたいから、どうやっ…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 23

が黙っていると、シモツマが、ハンドルネームらしいアルファベットの羅列を書きつけたメモをく…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 22

巡回の講師の目を掻い潜りながら、速読したが「ガッカリだよ」、という一言で集約できる感想だ…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 21

初めての試みだったので、見も知らぬ人間の観念的な質問に返事がくるのか疑問だったが、返事が五件きていた。僕は講師が巡回してくる間はまじめにシートを作成している振りをして、早く回答がみたいと勇んで、じれながら表計算ソフトとブラウザを閉じたり開いたりして、回答を確認した。 *** 資本主義が消え、アガペが世界中を満たした状態。 あなたは軍事力や怪しげな説法では世界をいい方向に導けないといいますが、第二次世界大戦の日本は本当に悪いことだけをしたのでしょうか。南方の植民地地帯で、

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 20

僕は、復学した。別に学校へ行かないと将来が大変だという危機感が湧いたわけではない。自分の…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 19

彼はそう繰り返しながら、決してその先を歌わなかった。単に歌詞が浮かばなかっただけかもしれ…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 18

夕食までまだ少し時間があったので、僕も自分の部屋に引っ込んだ。おジィも僕も少し疲れたのか…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 17

「うん」 「熱くなるじゃろう?」 「うん」 「あれの究極が戦争じゃ。熱くなる。血が沸き立…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 16

「おジィはなんで狙撃兵になったの?」 「周りが下手でな、気がついたら狙撃手になっておった…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 16

「おジィはなんで狙撃兵になったの?」 「周りが下手でな、気がついたら狙撃手になっておった…

新田将貴
2年前

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 15

「おジィは、生き残ったんだね、その戦いで」 「ああ、お父さんとお母さんがくれたこの身体は、赤痢にもマラリアにも耐えた。数え切れないほど飛び交った銃弾は、なぜかわしを逸れた。不思議なもんじゃな」 とんでもない人生を生きてきたんだ、おジィは。口が悪くて豪快な老人だということはいっしょに住んでいてよく知っていたけど……、今聞いた物語とはとても重ならない。日本にはまだこういう老人がたくさんいるんだろうな。 「結局司令官の男は不起訴処分で釈放じゃ。無罪というわけじゃ。実刑を食らっ