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記号論を使ったエラーの捉え直し

こんにちは、意味デザイナーのまさろんです。
私はうまくいかないことがあると自分を許せない時があります。しかもズルズル引きずりもしている。
もしこうしたエラーに対しての異なる捉え方ができたとしたら、見え方が変わってくるのかな、と思ったのでエラーの捉え直しについて考えてみたいと思います。その中でも今回は記号論的なアプローチを採用したいと思います。


記号論とは

ここでは、簡単に説明します。
記号論で扱われる記号とは、何かを意味する道具のことで、言葉や文字、絵、マーク、音、身振りなどから目の前で起こる現象などさまざまなものを指しています。記号それ自身ではなく、それを解釈することによって理解される意味を伝える媒体を記号と呼びます。
わかりやすい例えを出すとすると、信号の赤色は一般的に「止まれ」という意味の記号です。信号の赤色そのものに「止まれ」の意味はないけれど、私たちがそれを解釈することで「止まれ」の意味として理解されます。
記号論とはこのような記号の理解を深めるために役立つ理論です。
今回のトピックでは、一部の記号理論をベースに組み立てていきます。

単一記号と法則記号

記号論には「①表象」「②対象」「③解釈項」と呼ばれる三項関係があります。それぞれが関係しあい、その記号がどのようなものかを明確にしていきます。今回は「①表象」と「③解釈項」との関係を分類する3つの理論の内2つを扱います。「単一記号」と「法則記号」です。単一記号とは、特定の対象を指す記号です。例えば、写真や指、名前などの記号は、特定の対象を指します。法則記号とは、集合的な意味を持つ記号です。例えば、言葉や数、音楽などの記号は、集合的な意味を持っています。単一記号は法則記号の一部と言っても良いでしょう。この理論を使って捉え方の見直しをやっていこうというのが今回の試みです。


エラーを記号論で捉えなおす

私たちは自分のエラーを自分が体験している個別の現象(単一記号)として捉えています。 これを法則記号によって捉え直していきます。つまりエラーを「個別の現象ではなく、世界で起きた一つのプロセス現象にすぎない(法則記号)」と位置づけることで、エラーに対する心的ストレスを軽減できるようになります。


具体的なエピソード

ここで架空ではありますが、エラーの記号論的捉え直しに関するエピソードを見てみましょう。

身体的特徴への罵りに対して

高校生の直哉くんは眼鏡をかけています。
おとなしい性格からか、同級生からは毎日「クソメガネ」と呼ばれています。もちろん直哉くんは気分を害しています。
そこて直哉くんは自分の気持ちを守るために解釈を変えました。
それは、身体的特徴を罵ることは、古今東西で起こり得る人間の普遍的な行いであって、人間としてプログラムされた行為の一部なのだと捉えなおすことでした。つまり、眼鏡をかけている「自分への個人攻撃(個別の現象:単一記号)」から、「昔からある人間の社会的行動(全体の一部:法則記号)」という文脈に変えることで、受け取る意味を変えたことになります。少し過激な発想ではありますが、罵ってくる人はプログラミングされていて、それに従ってに動いてるだけなのだ、と示唆することができるかもしれません。「あぁ、また言ってきた。彼らは今日も、ちゃんとプログラミング通りだなぁ。」このように捉え直すことで、直哉くんはそれ以上自尊心を傷つけることなく無事卒業するのであった。


マシンガントークのうるさい人に対して

結衣さんにはちょっちした悩みがありました。週末になると孫の顔を見に来る義理の母のマシンガントークにうんざりしていました。話の矛先は結衣さん(個別の現象:単一記号)なので、苦痛でしょうがありません。
今日も姑のマシンガントークが始まった…。結衣さんは視点を少し変えこんな風に思うようにしました。
「私はアクション映画を見ているのだ」と。
銃弾が飛び交うアクション映画を傍観者として眺めている(全体の一部:法則記号)という設定にすることで、マシンガンの矛先を画面の中の人にすり替えることができました。自分への集中砲火という意識から少し離れて見たことで、不快に思っていたはずのうるささを、なんだか許せるようになってきたことに気づきました。


この2つの例はブラックユーモア感がありました。捉えなおすことで意外にもクスっと笑いに変えることもできるかもしれませんね。


方法

エラーの記号論的捉え直しは、エラーを新しい視点から見ることで、ストレス軽減や気持ちを楽にする機会として捉え直す方法です。具体的な方法を見てみましょう。

①個別のエラーを認識(単一記号)

まずは、エラーについて認識することから始める。エラーに対し何が不快であるかを探りましょう。例えば、レストランに行くと、思った以上の行列ができていた。並んで待つという行為に不快を感じる。といった具合に。

②全体の一部(法則記号)に変換

自分視点の個別的な認識からもっと広い視点に立って見るフェーズです。ポイントは客観的に見ること、あるいはその現象の全体像から眺めてみることです。「予想外の行列」だけなら個別のエラーとして見ています。これを「並んで待つとこもレストラン体験の一部」と変換してみる。という感じです。そうすることで「私は今、レストランというアトラクション体験をしている」と捉えなおすことができます。「あぁ並んでる。どんだけ待つんだろう」と思っているよりは、気持ちへの負担が軽くなると思われます。

③言い聞かせの反復

とは言え、にわかには気持ちを変えることはできないかもしれません。と言うのも一度捉え直しができたとしても直ぐに個別のエラー認識に引き戻されてしまうからです。なので、②ができたら何回も自分に言い聞かせましょう。

④振り返る

捉え直してみた結果がどうであったか、そん後にどんな影響があったかを振り返りましょう。レストランの例なら、すごく美味しく感じた!というように。少しでもポジティブな感情を引き起こしているのであればうまくいった証拠です。もしそうでなければもう一度練り直してみましょう!振り返ることによって自身を成長させてくれた成果が分かるので、事故効力感の向上にも影響してきますよ!


捉え方を変えることのメリット

エラーを記号論で捉え直すことによる影響を見てみましょう。

①全体像を理解しやすくなる

エラーを単なる個別の問題ではなく、全体の中の一部、あるいは広範なプロセスの一部として捉えることで、その背後にある原因や関連性を理解しやすくなります。これにより、同様のエラーを防ぐための戦略を練るのに役立つかもしれません。

②エラーに対するストレスが減少

個別のエラーを全体の一部としてとらえることで、それを個人的な失敗や責任として捉えることが少なくなります。これが気が楽になる要因となり、ストレスを減少させることができます。

③停滞感の減少

エラーを提喩的にとらえ直すことで、エラーを単なる障害物ではなく、学びや成長の機会として受け入れることができるようになります。これにより、停滞感を減少させ、新しいアプローチを試みる意欲が湧くかもしれません。


視点を変えるだけで気が楽になることが分かります。気分よく過ごすためにこのメリットを活かしたいですね。


まとめ

私の志向性としては、”どうすれば生きやすくなるか”、”気を楽にできるか”ということにあります。「捉え方」は私の活動のメインテーマです。そのため今回のトピックは自身の経験に基づいて考えられたちょっとした思考の逃げ道としてお示しさせていただきました。

記号論に触れて説明したかったので少し長くなりましたが、今回も最後までお付き合いくださいまして本当にありがとうございます。
分かりづらさもあったかと思いますがご容赦ください。

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