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観劇記録 第七劇場「白雪姫」@Théâtre de Belleville




『昔、男の人と女の人が居ました』






それから1週間経った。早い。




演劇の世界にめちゃくちゃおいでおいでして引き込んでくれた河村若菜さん。
俳優さんっておもしろい生き方だな、地元SPACをもっと知りたいなと思わせてくれた石井萠水さん。
普段からお世話になっているこのふたりの主演舞台。見逃したくなかった。舞台上の姿を見ることがいつものお礼。きっと喜んでくれると思った。


本当の姿はこっちなんですよ、おふたりは。めちゃくちゃいい顔して、素敵でした。






好きなシーン⓪ 雪を眺める女の人(若ちゃん)

照明を埋め込んだ簡単な枠とスポットライトだけで魅せるシーン。前々説で温まってる会場の雰囲気から、ふたりの世界に飲み込まれていく。


好きなシーン①女の人のお母さん(萠ちゃん)

初日、舞台から見て上段の左側の席に居た。
すると、身を屈めてこっちを真っ直ぐ見て、瞬きもせずにセリフを言う萠ちゃん。
たじろいだけど、視線が外せなかった。


好きなシーン②働き者の小さい男たち(ふたり)

入れ替わりで7人を演じるふたりの声色の変化よ(感嘆詞)。仕草と声。きゃわ。大人数に見えるんだからな、すげーな。


好きなシーン③ リボン、髪飾り、リンゴ。

萠ちゃんがトントンする音も、数を重ねる度に怖い。変装する女の人…毒リンゴを扉の窓から見えるように掲げた腕や姿勢がほんとにおばあさんだった。

そして、迫真のコロス瞬間の静の中の動。

ギリギリ……。(力入りすぎて…ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙)

ドサッ……。(ぁ……っ!)

無抵抗、非力…倒れ込む女の子を受け止めて床に倒して去る女の人。それを、白雪姫の物語📖を読んでいる子どものような表情とリアクションをとる萠ちゃん。お客さんも家政婦は見た的に。
事後はドラマや〇〇では見るけど、瞬間はえげつない。

小さな会場でやるLIVEや演劇って、お客さん含めた会場全体が集中する空気が分かる、気がする。


好きなシーン④『譲ってくれませんか』

トーンといいテンポといい無駄にカッコよ。

ガラスの箱から出た女の子。突然の求婚に何も言わない。そうだよね、ずっと真っ黒なあの姿 𐀪  

語られないところはあの姿なんだろうな。演出すごいな。


最後の結婚式のシーン。

舞台暗転、ふたり以外が時間が止まってる感覚。(お客さんはリアルタイム)

初めて生身の萠ちゃん演じる女の子と若ちゃん演じる女の人が対峙する。それぞれの表情に締め付けられた。
スポットライトで長く濃い陰を引き摺る女の人。消え入りそうな声。今にもちぎれそう。何度も消そうとした女の子の顔をまっすぐ見れず、前かがみでそっぽを向く。

私は私が嫌い。

嫌(きら)って。

わたしはあなたを見たくなかった。

絞り出すように舞台に落とされる台詞が空気を支配する。

よくいう"心臓を鷲掴みにされる"とは、簡単すぎる表現だなと思う。

会場の空気を吸うと女の人から発せられる負のエネルギーで鼻から肺を侵食され、取り込まれた負が肺静脈から心臓に直で送られて脈をおかしくするような違和感。広辞苑に例文載せて欲しい。

聴くのも観るのも辛い。辛い?辛い演劇ってすごい。

女の子は全てを赦すように優しく語りかける。物語だから、女の人がすることは仕方のなかったことだと。

毒なんか入ってなかった。

会いたかった。

何度コロされかけても働き者の男たちの家に招き入れたのは、女の人と会えるからなんだろうな。その時だけは近くに来てくれるから。切なすぎる。

女の人と女の子の対照的な表情に、舞台の白が反射して、きれいでした。

このシーンでふたりの立ち位置は、客席から観て舞台左右ではなく、手前と奥。直線的配置。秀逸だと思った。
女の人を見ていると女の子の表情が視界に見える。
女の人の視点に近い: ( •ᾥ•):ファァァァァァァァァァァつらぁぁぁ。




誰もが誰かの子どもである。

「美しい生き方をしなさい」という遺言は応援でもあり呪い。"呪いにしてしまった"のは女の人だ。ひとつ黒く染みを落とした女の人の心。その直近に純粋無垢な女の子。
鏡に話しかける場面が何度かあったけれど、「美しい生き方をしていますか?」から、いつの間にか「私は美しい?」になってしまっていた。
その子と張り合うのか?鏡は『あなたは美しい』ってずっと言い続けてたよ。分からなくなっちゃってるよ。気づけない。

自分自身に呪いをかけてはいけない。他者との比較や歳をとること(時間)は埋められない。

用意された真っ赤な靴に自らゆっくり脚を入れる女の人(大きい男の人と働き者の男達が用意したもので、たぶん女の子の意思ではない。)毒は無かったし、赦されているっていうのに。痛い痛い痛い…。

女の子に助けられた女の人が、鏡をぶち壊して、女の子と大きい男の人と一緒に暮らせることを素直に幸せと思って欲しいなって思った。




会場Théâtre de Bellevilleについて

三重県津市美里町

画像1
津市の中心から西へ
画像2
駐車場からハコを撮影

🐸( '-' 🐸 )たぶん人より蛙の方が多い時期。

夜はまだ肌寒かった。

開演は1日目は19時30分、2日目は14時。

その差もまた、印象に変化を与えていた。

少し寒い夜公演🌃は、雪のシーンをよりリアルにした。
おふたりの声がピンと張るように聴こえた。

昼公演は時間が経過するとともに建屋の中の気温が上昇して、ラストシーンの女の人の心の黒いもの、切なさが会場に充満してじっとりと伝わってくるような暑さ。
終演後、外に出て初めてしっかり呼吸できた。


半野外的な感じ( ఠ͜ఠ )



この公演、しっかり脳に刻まれた( ఠ͜ఠ )

全部は頭良くないから出来ないけど、印象に残ったシーンや会場の雰囲気は画像みたいに思い出せる⸜( ⌓̈ )⸝✐☡

YouTubeにフルでアップされるのかな( ఠ͜ఠ )

第七劇場のサイト・*・:≡( ε:)

おしまい‼️( ఠ͜ఠ )



















































































白雪姫ロス🍎と影響

自分はある意味呪いの外に居ると若菜さんのSHOWROOMでコメントさせてもらった。

子どもの時は両親に対する憎悪が凄かった。けど、あれ?これは自分の問題だと思った途端に周りの人に当たり散らしたり巻き込むのはなんの解決にもならないと気づく。

それからは自分が納得できるか、どう生きたいかを探して今に至る。
歳をとるのも楽しいし仕事は毎日勉強と突然舞い込むモンスターから経験値を積むRPGのよう。
音楽や演劇に触れ始めてやっと少しニンゲンらしくなったと思う。


たぶん、呪いは今も少なからず、ある、たぶん。
多数の人が進むであろう幸せを選んで欲しいという呪い。
それをかなり早い段階でちぎって進んでいる。
諦めてくれ、その幸せは欲しくない。と話したら、今は生き方を楽しみにしてくれるようになった。
理解のない腐れ縁のような家族より、応援してくれる人になってくれた方がいい。

自分自身を嫌いになるのは辛い。
認めてあげなくては( ¨̮ )からの、このつぶやきに至る。


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