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お金もらいながら学校に行こう!

みなさん初めまして。
稲葉正道と申します。

去年の4月から6ヶ月間
城南職業能力開発センター大田校の板金溶接科
に通っていました。

こんなに良い制度があるにも関わらず
あまり知られていないので少し話そうと思います。

私が板金溶接科を通っていた時の経験と感想を書いていきますのでよろしくお願いします。


毎月お金を貰いながら
好きな事の基礎を学べる環境があります。


本題に入る前に
少しだけ自分の話をさせて下さい。

元々東品川にある「TRUE」と言うアンティーク&インテリア製作販売の会社に勤めていました。

色々な職業を経験した上で
「これから物作りを一生の仕事にする」
と決めた時に紹介で入社させて頂いた会社です。

25歳くらいまでやりたい事を本気で探していて、
いろんな仕事を経験したり
世の中で活躍している一流の方と出会い
一流の考え方勉強しました。

そこで気づいた真理があります。


「得意で楽しんでいる
      夢中な人たちには勝てない」

という事

更に幼少期に育ててくれた
中国のおばあちゃんの言葉で


「你的动手能力很强,不要忘记这一点」

「あなたは手が器用だから将来それを忘れないで」

私が1番夢中になれる事が物作りです。
だから物作りに賭ける事にしました。


TRUEの事務所の一角

TRUEは元々アンティーク屋さんで、現在はインテリアのデザイン、製造まで事業展開しています。


東品川に約2000㎡の事務所兼ショールームを有し、デザインから設計、製作まで全て請負い、それらを一貫して社内で完結させる仕組み持つBtoBの会社でした。

会社の中全てがショールームで撮影スタジオ。
来られる方みなが圧倒されるような空間です。

目に見える物はほぼ製作物とアンティーク


手が器用と言う事もあり物覚えは早かったです。
かなり厳しい雰囲気の会社ですが、私は早い段階で主に製作補助や塗装仕上げを担当させて頂いていました。

古美仕上げ
エイジング塗装
パリのボール型街灯と
製作したガラスパイプの照明


TRUEで働いた間私は物作りの基本を学んだうえ、本物の質感を知ることができ、とても貴重な経験になりました。

社長の辛島さんは本当にすごい方で
大きなリスペクトを今でも持っています。
むしろ今の方が余計凄さに気付かされています。

入社してデザイン&設計と溶接に
非常に興味を持つようになりました。

時間が経つにつれて仕事も覚えて
楽しくて濃い時間を過ごせていましたが
唯一気になったのは、会社の仕組み上設計や溶接をやらせて頂くのが難しいことでした
(それも仕方ないことであって、だって設計した経験もないし、溶接をするにも基礎が必要でした)

ちょうどコロナ禍のど真ん中で業務が落ち着いていたので、私は思い切って会社を辞めて溶接の学校に行く事にしました。

設計に関しては独学することにして、
毎日YouTubeなど3DCADを勉強していました。
※なぜ3DCADを学んだかとどうやって勉強したかはまた後ほど記事にします。

最初は戸惑う事多かったのですが今は想像できる物なら図面に起こせるレベルまで成長しました。

窓の設計デザイン
ビルトイン暖炉の設計
Rの吊り棚の設計


また、3DCADの勉強の一環で3Dプリンターも買って沢山ものを作りました。これも後ほど記事にしたいと思います。



あとは溶接の勉強に集中するだけですが…




学校に通いたくてもそんな学校は聞いた事ないし

お金を貯めるタイプでもなく
貯金は100万くらいしかありませんでした。

それで学校に行けるのかと
課題と不安だらけでした、、、

そこでふと思い出しました!

数ヶ月前にやめた元同僚から聞いた、彼が元々職業訓練校と言う所に通っていた話。

そして、そこで基礎を学んで家具職人になった事を

すぐに「職業訓練校」で検索してみたら
東京はたらくネットから信じられないくらい良い情報が見つかりました!

職業訓練(正式には「ハロートレーニング」)というのは、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」との総称で、仕事をお探しの方を対象とした公的な職業訓練制度です。


そのメリットは

  • 学べることの選択肢が非常に多い
    (例えば機械加工、自動車整備、建築、造園、電気工事、塗装、JAVA…などなど。詳しくはこちら→東京労働局HP)

  • みっちり基礎を学べる

  • 受講料原則無料

  • 学生の間は失業保険をずっと受給できる

  • 失業保険受給に該当しない人でも補助金を毎月10万貰えて、アルバイトも出来る。
    ※受給には条件がありますので詳しくはご自身で確認して下さい。

  • 99.9%就職先が見つかる(する気があれば)

半信半疑にハローワークに電話して確認してみたら間違いないということでした。

すぐに家から1番近い溶接を学べる学校に見学して、次の入学期間に間に合うように、前もって会社を退職しました。


大人になってからの学生生活

ということで会社をやめ、入学したわけですが

27歳になってまた
学校に通うなんて思ってもいませんでした。

入校する前まではちょっと不安たったが
自分が決めたことだから、なにがどうあれ精一杯勉強して一切妥協しないと覚悟を決めました


しかし入学してみると意外と生徒の年齢層が広く、18歳から60歳以上の人までいてとても新鮮でした。


学校環境

私が選んだ学科は城南職業能力開発センター大田校の板金溶接科です。

ここは本校舎の建て直しが終わるまで利用できる仮移転校舎でとても綺麗です。

外も中もとても綺麗です
製作した箱文字看板
実習室

東京都が母体なので環境は非常に充実しています。
「ここにある機械だけで何でも作れてしまう」ほど完璧な品揃えで、グレードもいいものばかりです。
学校の環境に関しては何一つ文句のつけようがありませんでした。


授業のレベルについて

1番心配だった事は本当に溶接が出来るようになれるのかという事でした。

結論から言うと

この上なく短期間でしっかり
溶接の基礎を学ぶ事ができました。

特に良かったこと

  • 講師に職人・経営者が多いこと

  • 講師に質問放題、溶接練習沢山できる

  • 生徒数が少ないからレベルに合わせた授業ができること

  • 金属加工に使う機械全般に触れること

  • 在学中に資格の試験を複数受けられること

最初は半年も通わないといけないことに
ちょっと長いなーと思っていましたが

結果的に板金溶接科で過ごした時間は
とてもあっと言う間で充実しました。

実技と学科が半々だったことも良かったです。

私のクラスは人数も少なくはじめは3人だったのが
2人の就職がすぐ決まるなどで

後半は私1人になりました。

講師とマンツーマンで
好きなだけ質問させてくれて

集中力が切れるまで沢山溶接の練習を
させてくれる贅沢な授業を受けていました。


私が特に伝えたいのは
外部講師の先生たちのレベルの高さです。


溶接は腕次第で仕上がりが変わります。

プロの中でもレベルが分かれていてその中でもトップレベルに溶接がうまい先生がいらっしゃいます

技術以外の大切な事までを教えてくれる
東京都マイスターの重鎮の先生もいらしたりします

芸大で授業しているような芸術家の先生の授業も受ける事ができます。

講師の先生たちは自分の会社やアトリエを持っていたり、プロフェッショナルで荒波の中で生き残った方達で、言葉の重みと合理性がまるで違います。

本気で勉強したい人には
もってこい場所です。


そんなこんなであっという間に半年間が過ぎ去り
卒業する事ができました。

在学中に授業の一貫でさまざまな講習を受けられて、さらに取りたかった溶接の免許が3つとも合格する事ができました。

私の場合は起業を選んだから
就職はしなかったのですが、

就職が目的の人は、
ハローワークと学校に毎日新たな求人が来るので
もし本気で就職する気があるなら

必ず迎え入れてくれる企業さんが居ると思います。


金銭面について


私が知る限り大まかに2つの
お金を受給できる方法があります

失業保険と職業訓練補助金です。

受給するのにそれぞれハードルが低めのルールがありますので近くのハローワークに確認してください。

失業手当の計算はこちらをご参照ください。
私の場合月収が25万くらいだったので
毎月17万受給出来るような感じでした。

失業手当を受給できなくても
心配しないでください。

職業訓練の補助金があります。

毎月10万円と交通費もらえます。
さらに10万円までアルバイトできます。

私は補助金を貰いながらアルバイトしました。
ちなみに失業手当をもらう場合はアルバイトは殆どできません。


あとがき

「1番大切な事は自分がどう思うか」

30近くになって余計に
この言葉の大切さに気づきます。

上を目指している人は
常に自分と向き合い
他人に意見を求め
プライドを捨て妥協せず
向上心を持って生きていく事が
重要だと思います。

途中で諦めて辞めてしまう人もいれば

真剣に取り込み本来よりも多くの果実を得る人もいます。

学校に通っている間
飲食店のアルバイトにも本気に取り組み
本当に多くの気づきがありました。


卒業と同時にバイトも辞めたのですが
短い間にも関わらず送別会までやってくれて
最後は涙しました。


「人生、頑張っている時間が
長ければ長いほど幸せになれる」


というのが私の持論です。

みなさんが幸せになれる様願っております。

質問などがありましたらコメントにてお願いいたします。



これからも投稿を続けていきますので

私のこれからが気になる方は
ぜひフォローお願い致します。


最後までありがとうございました。


おまけ

在学中の後半に集大成として私が作った作品をいくつか添付しますのでよかったら見てください。

設計からソフトウェアでの製図
レザー加工、デジタルベンダー
溶接から塗装まで先生の手助けなしで学んだことを使って応用して作りました。(生徒が私1人だったので授業進むのが早すぎて後半やること無くなっで訓練校のために作りました。)

電波中継機のブラケットスタンド
溶加棒の分別ケース
レーザー切り出し直後
デジタルサイネージの金属カバー

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