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経済か命か【エッセイ 意見文】一二〇〇字

 コロナが怖いのは、風邪やインフルと違い治療薬がないこと、ワクチンがまだ確実なものになっていないこと、無症状者もいること。米国の「ハナフダ」氏のような、「風邪と変わらん」と言い張る豪傑もいるから、改めて言う。絶対にうつらない、うつさないこと。
 いま、医療崩壊が危惧されている。(確率的に)万が一にであっても感染し、不幸に重症や中等症になってもベッドがなくなるということ。「命の優先順位」の判断を求められると、医療現場では、その苦悩を訴えている。
 「若いので重症にならないらしいから、感染の可能性は低いから、僕は大丈夫」と言うひともいる。交通事故や、急病で病院に運ぼうとしても、救急やICUで受け入れる病院がなくなるということ。君は大丈夫でも、身内がそうなる可能性がある、ということだ。
 崩壊を防ぐための答えは、感染者数を押さえ込むこと。そのために、感染の可能性を高める人の動きを抑えること、以外にない。
 最近、読売新聞(政権に理解を示すことが多い)が実施した世論調査でさえ、「G0T0トラベル」について、「継続する方がよい」は二十一%。「いったん中止する方がよい」五十七%と「やめる方がよい」二〇%を合わせ、八割近くが否定的だった。さらに、同紙(朝日や毎日ではなく)の二日の社説では、「新型コロナ対策 感染抑止を最優先に取り組め」とある。このままでは、「二兎を追う者は一兎をも得ず」になるというわけだ。
 中国は唯一、プラス成長している。共産国家ゆえに強引にロックダウンができたからであるが、成功事例だ。その事例を参考にしないどころか。真逆なことをやっている、日本。
 「G0T0」は、四月七日の閣議で決定されたときは、「収束してきたときの経済対策」ではなかったか。それなら、わかる。だが、七月。「トラベル」がスタートした。秋冬期の第三波が予測されていた、にも関わらず。
再度、緊急事態宣言を出せば、私のエッセイ「昼下がり」のカフェのように、小さな店はつぶれる。「G0T0」で巨額な予算を使うなら、その分を弱い立場にある事業者に直接渡してはどうか。災害なのだから国際的にも認められる国債を、この際発行してはどうか。
 支援金といえば、医療機関にまだ届いていないらしい。原因は、申請手続きの煩雑さ。まだそんな役所仕事をしている。プッシュ型支給で先に渡し、手続きは、終息後でよいではないか。「改革の菅さん」なんでしょう?
 当初、検査が海外に比べ極端に少なかった。増やせば医療崩壊になると主張し、怠慢である政府への批判どころか、擁護するようなメディア、医療ジャーナリストも、一部あった。
 民間の検査サービスも登場し、低料金でも受けられる状況になっている。医療崩壊を防ぐには、知らぬ間に感染させている無症状感染者を検査で探し、施設なり自宅で「保護」する体制を構築することではないか。当初のボタンの掛け違いを改めるのは、今なんだよ。

 後記:幸いにも時間があるので情報番組を、各局・各番組を観てきたが、最もジャーナリスティックに情報を提供し続けているのは、テレ朝「羽鳥愼一のモーニングショー」と思う。羽鳥氏はもちろん、テレ朝社員の玉川徹氏、岡田晴恵教授 大谷義夫医師、倉持仁医師の客観的な発言に勉強になる。いまの感染症対策の流れは、彼らが三月から主張してきたことが多い。
 早朝から、全米女子オープンゴルフでの渋野日向子の活躍を観ながら。

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