「あの人はどうやってわたしの家を見つけるの?」から幾星霜を経て─さすらい駅わすれもの室「とくべつな地図」
目覚めると枕元にはプレゼントが
夢見がちな子どもだったから、「あの人」のことはもちろん信じていた。年に一度のその日、朝目覚めると、枕元にはあの人が真夜中に置いていったプレゼントがあった。それが最寄駅のショッピングセンターにあるサンリオショップ(「ギフトゲート」という名前だった)のお楽しみ袋であっても、あの人からだと信じる子どもだった。
いちご柄の紙袋を開けると、キキララや風の子さっちゃん(といったキャラが人気だった)の文房具やポーチがでてきた。品物についた値段を足し上げる