見出し画像

♯3 会計ソフトの移行プロセス


当記事は、
#1 会計ソフトの移行プロセス
#2 会計ソフトの移行プロセス
の続きとなっています。
今回は、過去データの取り扱いをメインに書いていきます。


STEP 03:会計ソフトとプランの確定

01.会計ソフトの確定

  • STEP02の、検討の際のポイント」で十分に検討して、移行先の会計ソフトを確定させる前に、最後の確認事項があります。それは、サポート体制が十分に整っているかどうかです。

  • 比較的安価なクラウド会計ソフトの場合、すぐに電話でサポートを受けられず、FAQのループに突入したり、無能なチャットボットに対応させられる場合があります。

  • そのため、会計ソフトメーカーに頼らないサポート体制を整えることも検討しましょう。例えば、会計freeeの場合、「freee認定アドバイザー制度」というものがあります。この制度の中で、会計freeeに精通している専門家を検索することができます。マネーフォワードに関しても同様のサポートがあります。

  • freee認定アドバイザー制度のような、外部の専門家を巻き込んだ、サポート体制を整え、会計ソフトの最終確定をしましょう。

02.最初はミニマムプランでOK

  • 会計ソフトを確定した後は、会計ソフトによってはいくつかプランがあるため、そのプランを決める必要があります。

  • そのプランを決める際のポイントは、最初はミニマムプラン(一番安価なプラン)でOKということです。(企業規模やセグメント数などによって例外はありますが。)

  • 最初は会計ソフトの移行がメインになるため、周辺システムとの連携や各種付加価値機能はあまり気にしなくてもいいと思っています。会計ソフトの移行が終わった段階で、行いたいことが可能なプランに切り替えすれば問題ないことが多いのではないかと感じています。

STEP 04:過去データの取り扱い

01.過去データの取り扱いのパターン

  • 会計ソフト・プラン確定後、次に考えることは、「移行元会計ソフトの過去データをどうするか」です。ここでいう「どうするか」は、過去何期分移行するか、または過去データを移行しないという選択肢のことです。過去データの取り扱いが3パターンありますので、それぞれ紹介します。

02.過去データを全て移行する(パターン1)

  • パターン1は、移行元会計ソフトに入っているデータすべてを移行するパターンです。

  • 移行元会計ソフトに何期分のデータがあるのかによりますが、このパターンが一番理想ではあります。

  • 一方で、移行データ(事業年度)が多い場合はそれなりの工数がかかります。移行作業に十分な工数を投下できる場合はこのパターンがいいでしょう。

  • ただし現実的には、通常の業務を行いながら会計ソフト移行を行うことが多く、それなりの工数を投下できない場合がほとんどだと想定します。そういった場合は、以下のパターン2、3を検討するといいと思います。

03.過去データを特定期間のみ移行する(パターン2)

  • パターン2は、移行元会計ソフトに入っているデータの内、直近の特定期間のみを移行するパターンです。

  • 例えば、移行元会計ソフトに7期分(進行期含む)のデータがある場合、進行期を含む直近4期分(過去3期+進行期)のみ移行するパターンです。私が関わった会計ソフトの移行手続きでは、このパターンが一番多いです。

  • 過去3期分あれば、

    • 会計記帳業務における過去データ参照が可能になったり、

    • 財務情報の過年度比較も問題なく行えたり、

    • また、税務調査も過去3期分見られることが多いため過去3期分が会計ソフトで参照できると税務調査対応もスムーズに行えます。

  • このように、過去3期分あれば必要なデータ・情報が会計ソフトで閲覧できるので、とても実務的で過不足がないです。

  • そして、移行作業の工数もパターン1に比べれば少なく済むことがあるため現実的でもあります。

04.過去データは移行しない(パターン3)

  • パターン3は、移行元会計ソフトに入っているデータを移行しないパターンです。

  • この方法は、期首から新しい会計ソフトを使用する場合や、既存の会計ソフトも引き続き閲覧できる環境がある場合に適しています。

  • この方法のメリットは会計ソフトの移行の手続きが発生しない点です。デメリットは会計ソフト内での過去比較ができないことや、スプレッドシート等を使用して過去データと最新データを用いた資料作成が多少手間になる点です。

05.注意点

  • 上記パターン2〜3において、注意点があります。それは、

  1. 移行しなかったデータについて、

  2. そのデータが移行前の会計ソフトで閲覧できない状態の場合、

  3. 会計データ(総勘定元帳・仕訳帳・試算表・月次推移表・消費税集計表など)は全てPDFとエクセル(またはCSV)で出力しておくという点

  • です。これは税務上の要件であることはもちろん、何かの際に過去データが全くないと困ることがあるからです。


♯4 会計ソフトの移行プロセス
STEP 05に続く・・・。(最後です)

会計ソフト移行サービスのサービスページはこちら!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?