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【紙幣がなくなる?】デジタル通貨とは

最近よく耳に聞く「デジタル通貨」。一体どのようなものなのでしょうか?デジタル通貨とビットコインなどの仮想資産(仮想通貨)とは何が異なるのか?どんなメリットがあるのか、現状の紙幣や硬貨などの貨幣で何がいけないのか?これらについて検討していきたいと思います。

序章:デジタル通貨へのシフト

ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の急速な進歩を背景に、内外の様々な領域でデジタル化が進んでいる。技術革新のスピードの速さなそを踏まえると「CBDC(Central Bank Digital Currency:中央銀行デジタル通貨)」に対する社会のニーズが急速に高まる可能性があります。日本銀行の考え方として、現状CBDCを発行する計画はありませんが、決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点から、今後の様々な環境変化に的確に対応できるように準備を進めていくことが重要であるとしています。

第二章:CBDCを導入する場合に期待される役割と機能

CBDCには、「ホールセール型CBDC」と「一般利用型CBDC」の2つの形態があるが、我が国において一般利用型CBDCを導入する場合に期待される機能や役割として、以下のようなものが考えられる。

①現金と並ぶ決済手段の導入

日本の現状として、現金に対する依存度が他の先進国と比べて非常に高いが、ポイント還元を契機にPayPayなどの電子マネーが普及し始め、さらに新型コロナウイルス のパンデミックによって感染を防止するためにお釣りを受け取らないクレジットカードや電子マネーがさらにブーストをかけ、現金への依存度が低くなり始めている。事業会社の不正や不祥事が頻発する中で、中央銀行という最も信頼度が高い組織が発行することによって、一般利用型CBDCが必ず普及していくと考えられる。

②民間決済サービスのサポート

PayPayなどのお金をチャージして使うプリペイド式のものや口座と直結しているiDなど様々な企業が標章をとっている民間の電子決済手段ですが、消費者側としては手軽で決済時間がかからないので、利便性が高いものという認識があるでしょう。店側からしては顧客の集客に繋がるため導入せざるを得ませんが、現金決済と違う点として、売上金が1ヶ月後や数日間のギャップが生じるため、電子決済分の赤字となり、補填が必要となります。店側としては、メリットとデメリットがあり導入するかどうか十分に検討する必要があります。決済システム全体の安全性・効率性を高める観点から民間決済サービスをサポートを施し、ギャップの解消を施してくれる一任となり得るかもしれません。

第三章:CBDCが具備すべき基本的な特性

一般利用型CBDCを発行する場合、中央銀行と民間部門による決済システムの2層構造を維持することが適当である。すなわち「間接型」の発行形態が基本となる。間接型の発行形態のもとで、一般利用型CBDCを発行する場合には、機能面やシステム面で以下のような基本的特性を具備する必要があると考えられる。

①ユニバーサルアクセス

CBDCを「誰でも使える」ものとするためには、送金・支払いを行う際に用いる端末、カード等の利用対象者を制限することがないよう、勘弁性や携帯性に関する設計面での工夫が必要となる。

②セキュリティ

CBDCを「安心して使えるもの」とするためには、偽造抵抗力を確保し、各種不正を排除するように、セキュリティを高める取り組みが必要である。

③強靭性

CBDCを「いつでも、どこでも使える」ものとするためには、エンドユーザー(最終消費者:スーパー等の商品を購入する者)が24時間365日、常に利用できる仕組みが必要となる。システム・通信障害や電力途絶といったオフライン環境下でも利用できる仕組みを確保することも、自然災害の多い日本において重要なポイントである。

④即時決済性

CBDCには、現金と同様の中央銀行マネーとして、決済のファイナリティ(支払完了性)および即時決済性が求められる。また、多数のユーザーによる高頻度の決済を迅速に完了させるためには、システム面での十分な処理性能と将来の利用増加に加えた拡張性が必要となる。

⑤相互運用性

CBDCを運営するシステムについては、民間決済システムなどとの相互運用性を確保していることや将来の民間決済サービスの高度化などに応用するために柔軟な構造となっていることが重要である。

第4章:デジタル通貨と暗号資産(暗号通貨)の違い

デジタル通貨は、今の現金とは全く異ならない性質を持っています。異なる点は、現実に存在しているかデジタル空間に存在しているかの差です。つまり、財布という存在がなくなり、硬貨やお釣り等の出し入れがなくなる時代が来るかも知れません。

さて、暗号資産とはどのような差があるのでしょうか。暗号資産とは、投機性があり、価値の高騰や下落といった株価と同じ性質があります。

また、暗号資産は、発行数に限度があります。ビットコインを例に挙げると、2100万ビットコイン以上ビットコインを発行できません。紙幣をはじめとする貨幣は、中央銀行や政府は刷れば刷るほどお金を生み出すことができます。しかし、お金は印刷しすぎると希少性が薄れ価値が下がります。

さらに、一番の違いは法貨となり得ないという点です。法貨とは、法律によって支払い手段・流通手段として強制通用力を認められた貨幣。国家が発行する鋳造貨幣・紙幣並びに中央銀行が発行する銀行券を指します。ビットコインをはじめとする暗号資産は、政府や国家、中央銀行が発行していません。

また、法貨の一番の特徴として、信用創造ができるという特徴があります。信用創造とは、銀行が貸し付けによって預金通貨を創造できる仕組みを表します。簡潔にいうと、銀行が有する貨幣を生み出す機能のことを指します。信用創造の詳細はここでは省略しますが、詳しく知りたい方は以下の教授などが書いた本を参考にしてみてください。

そして、法貨ではない暗号資産は、信用創造ができないが、デジタル通貨は信用創造ができるといった大きな特徴があります。

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